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【要約】サッカークラブはどのように経営を行っているのか。スポーツビジネス最前線。
「グリーリッシュ、プレミアリーグ史上最高額の1億ポンド(約152億円)でマンチェスター・シティーに移籍!」
このように新聞のトップに掲載されたのをみた。
今夏の移籍市場でイングランド代表MFグリーリッシュ(25)をサッカーのイングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・シティーが獲得したと発表したのだ。
1人のプレーヤーにこれだけ高額なオファーが出されるサッカー市場について、クラブはどのように収益をあげているのか下記に要点をまとめてみた。
・チケット販売
クラブの最も伝統的な収入源は、常にチケットの販売である。ヨーロッパ主要リーグの上位のほとんどのチームは、チケットの販売による収益は年間収益の平均10〜30%を占めている。
・スポンサー契約
ブランドはスポンサーチームにお金を払う。スポンサーの形態は、ジャージやアクセサリーでのロゴ表記など,,,スタジアム名での使用まで多様。
2020年のヨーロッパの5大リーグのスポンサーシップの総額は33億ユーロ(約4,000億円)を超えている。
・ジャージの販売
ブランドは自分たちのイメージを宣伝するためにスポンサーシップを支払う。すべてのブランドがロゴをどこにでも表示することを望んでいて、スポンサーチームのジャージを購入したファンは自動的にプロモーションアンバサダーとなる。
シャツの販売収益はチームとスポンサーの間で分配される。
印象的な例を挙げよう。
クリスティアーノロナウドが2018年に9,920万ポンドでユベントスに加入した時のことである。移籍が発表されてから24時間以内にスポンサーであるアディダスは「ロナウド」の名を入れたシャツを50万枚以上販売したのだ。これらの24時間だけでも4,800万ポンド以上の収益がもたらされたのである。
これは、ロナウドの移籍金に費やされた金額の約半分である。
【購入-移籍市場で販売】
プレーヤーの移籍金は、本人の専門的価値(サッカー選手としての価値)だけでなく、商業的価値、契約解除乗降、およびエージェントとオーナーの交渉力によって決定される。
・放映権
リーグが所有する試合の放映権をテレビ局などの放送局に販売している。その後、リーグ参加チーム間で収益を分配している。
各チームの放映権からの収入は莫大で、2018年のプレミアリーグは、2019〜2022年の1シーズンあたりの放映権を16億6000万(約240億円)で販売した。
ちなみに2019/2020シーズン、チャンピオンチームのリバプールは最大1億3,910万ポンド(約21億円)を放映権で受け取っている。同年リーグ最下位のノリッジシティも9,270万ポンド(約13億円)を受け取った。
・トーナメントからの賞金
ヨーロッパの5大リーグと欧州チャンピオンズリーグでは、優勝チームに約3,000万〜4,000万ユーロ(約40億)の賞金が支払われる。
・その他の収入源(施設利用による収入)
サッカーの試合で使用しない時に、音楽イベントの開催、スタジアムや美術館のツアー、さらには結婚式などを行うこともある。
・オーナーからのお金
チームを所有するオーナーがクラブにお金を払っている。このお金は、クラブの債務返済、施設のアップグレード、移籍市場での資金に使用される。
多くのオーナーは、自分たちのクラブを有益な投資以上の存在だと捉えている。
億万長者のチェルシーオーナーのアブラモビッチは過去5年間で最大4億4,000万ポンド(約665億円)もの金額をチームに注ぎ続けている。
サッカーは最も人気のあるスポーツであり、巨大な市場である。
したがって、お金を稼ぐことは、チームが好成績を残すことに加えて、常に各チームに課せられたミッションである。
成績を残すことと、お金を稼ぐことは常に密接に関連している。そのため、チームがピッチ上で上手く機能しない場合は、チームに良い収益をもたらすことが難しくなる。逆もまた同様。
これが一種もモチベーションになり、チームは常にフィールドでベストを尽くしている。
そして、これらはエキサイティングなサッカーの試合を見たい私たちサッカーファンに恩恵をもたらしているとも言えるだろう。
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