グラレコ配信で「ライブ感」を演出する3つの工夫 〜オンラインイベントを盛り上げよう〜
会場に足を運ばず全国各地から参加できる、オンラインのイベントや研修、ワークショップが増えてきました。グラグリッドでも、オンライン配信でのグラフィックレコーディング(グラレコ)実施についてのご相談が増えています。
本記事では、どのようにオンラインイベントでグラフィックレコーディングを取り入れたのか解説し、みなさんがどのようなことに悩んでいるのか、よくあるご質問にお答えしていきます。
コロナによる環境の変化
オンライン開催でも「ライブ感」を演出したい
登壇者も参加者も、離れた場所からアクセスすることができるオンラインイベント。全国どこにいてもつながることができますが、生身で感じる「ライブ感」が薄まっていることに課題を感じている方もいるようです。
先日も、『STEAM教育フォーラム』というオンライン配信イベントの担当者様から次のような相談をいただきました。
離れていても、会場で繰り広げられる未来の教育への熱い思いを多くの関係者に届けたい。そして、登壇者、閲覧者の双方向からのコミュニケーションが生まれる様子や、ライブ感を伝えたい。
そのためには、グラフィックレコーディングが使えるのではないか?
まさに、グラフィックレコーディングの価値である、「思いの可視化」「ライブ感の演出」がオンライン配信で必要とされています。
オンラインだからこその、丁寧な場づくり
実際に遠隔地からのグラフィックレコーディングの配信を検討してみると、人が集まる場で行うものとは違った問題が見えてきました。
遠隔地で描いていては、描き手の存在や、描くことで生まれるパワーが伝わりづらいのです。しかし、様々な立場で意見を交わすトークセッションでは、双方向のコミュニケーションを生み出す仕掛けづくりとして、グラフィックレコーディングを活用していかなくてはなりません。
そこでわたしたちは、リモートからライブ感を演出する3つの工夫を行いました。
①グラレコの役割を視覚的に説明する
事前のお打ち合わせで、目的にマッチするグラレコの活用法、トークセッションへの関わり方を明確にしていきました。
■事前のアナウンス
グラフィックレコーディングとは何か?閲覧者の中には、全く知らない方もいます。
そこで、休憩時間やディスカッション開始前に、グラフィックレコーディングの役割をアナウンスしてもらうようお願いしました。
また、テーマと登壇者の似顔絵を書いた1枚の絵を休憩中にも掲示しました。掲載することで、セッションの全体感がつかめるだけではなく、ワクワク感を演出することができます。
ディスカッションが始まる前に掲載していた画像
②閲覧者がディスカッションに集中できるよう配慮する
フォーラムは、第一線で活動する登壇者から話を聞ける貴重な機会です。
お打ち合わせの中では、描いている様子も演出の一部としてライブ配信をすることも検討しましたが、果たして閲覧者がディスカッションに集中できるのだろうか?という疑問が生まれました。
出来上がっていく過程はとてもワクワクします。
ですが、オンライン配信の視聴環境は人それぞれ。グラフィックレコーディングのライブ配信をすることで情報過多になり、集中力を欠いてしまう可能性があります。
休憩時間やふりかえりのタイミングなど、掲出のポイントを押さえつつ、ライブ感が伝わるよう途中経過のグラフィックレコーディングを発信していきました。
休憩の間にグラレコを掲出し進捗状況を伝える
③多様な視聴環境を意識した、画面構成
オンライン配信の場合、視聴環境はさまざまです。
パソコン、スマートフォン、タブレット…利用しているサイズはひとによって違いますし、配信するプラットフォームに合わせた最適な見せ方を検討する必要があります。
そこでわたしたちは、事前にどのように表示されるのかを想定しながら、画面構成を決めていきました。
事前の画面設計用に描いた1枚
事前の画面設計を行うに当たり、担当者にお願いして事前に別イベントを視聴させていただきました。
例えば、チャットコメントを表示させている時。グラフィックレコーディングが映し出せるエリアはどのくらいか?見やすい文字はどのくらいか?配慮します。
また、SNSでの発信で。配信先のメディアが対応している比率などを確認します。
そうして、画面に対しての文字の大きさや、描きとる内容のポイントを押さえながら画面を設計していきました。
▼完成したグラフィックレコーディング▼
▼SNSで発信していただきました▼
グラレコ配信の「よくある質問」にお答えします
ここからは、オンライン配信でグラフィックレコーディングの導入を検討されている方からいただく、よくある質問に答えていきます。
遠隔からグラレコを実施する場合、何を用意すればいいの?
ZoomやYouTubeライブなどで配信の様子が確認できれば、特別なツールをご用意いただく必要はございません。
グラフィックレコーダーが自宅または、弊社オフィスから視聴し、手元でiPadを利用してグラフィックレコーディングします。グラグリッドで所有しているiPadを利用するため、別途iPadをご用意いただく必要はございません。
現場に来て描いてもらうこともできる?
オンライン配信する現場に伺い描く場合は、iPadを用いて描ける環境づくりのために、延長ケーブル(電源タップ)や机、椅子のご用意をお願いしています。各種アダプターは、弊社から持参いたします。
事前に、資料を用意する必要はありますか?
当日、正確な文字情報を記載するために、事前にイベントの正式タイトルやテーマ、登壇者のお名前、ご所属・肩書など、必要な資料のご用意をお願いする場合がございます。
場合によっては、事前にタイトルやテーマを予め記載した状態まで準備を行うこともあります。
事前準備の様子
完成版のグラフィックレコードは、どのぐらいで共有してもらえるの?
セッション終了後、30分〜1時間程度仕上げの時間をいただいております。
完成後、pngまたはjpegに書き出し、即日で納品いたします。TwitterなどのSNS配信に効果的にご利用いただけます。
リモートと対面の良いとこ取りで効果的に
内容によっては対面でコミュニケーションを取りながら、グラフィックレコーディングを実施することもあります。最適な関わり方をご提案いたしますのでご相談ください!
(小野)
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