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普通のシングルマザーがフェスを夢にする-音楽と共に歩んできた no.12
琴浦町
わたしが向かった先は鳥取県の中部にある、
琴浦町という町だった。
鳥取県は横に長い。
西側に米子市、東側に鳥取市があり、
琴浦町はちょうどその真ん中で、
日本海の海沿いに位置する場所だ。
送られてきた位置情報によると、
本当に海沿いにあるところだった。
到着したのは夜の19時頃。
到着してすぐにミーティングをした。
元々建築事務所だった場所で、
事務所を移転するのでここを
シェアスペースとして活用したいんだ、と。
その中でフードが必要になってくるので
それも含めて
会社として運営を引き受けてみないか?
という話だった。
「遠いし、わたしに出来るのか。」
I氏は前向きだった。
「この場所にいなくても、いろんな形で
携わってもらうことができる。」
そうか、当たり前に厨房に立ち続ける
だけではないよな。
飲食店を長く続けてきて、
違う関わり方というのが出来るのは
魅力的だった。
コンセプトややりたいイメージなんかを
聞いて、
しばらくしてから私はまた関西に戻った。
「これはチャレンジだ!」
私はI氏の会社で働くことを決めた。
新しい会社での仕事
いくつかの仕事をもらった。
シェアスペースの立ち上げ、
フードのケータリングや出店、
イベント制作、
会場装飾、
マネージャー業の手伝い、
大物アーティストのライブグッズ作成・・・
PC作業に慣れない私は苦戦した。
テレビの向こう側にいた有名人との
仕事もいくつかあった。
やった事ない長距離移動や
仕事に何度もめげそうになったが、
どれも新鮮で楽しかった。
あの日の正解
そんな中、
奈良で中止の決断をしたイベントの
出演者の方から、
その日に絶対やりたいんだと
連絡をもらった。
ダンスホールレゲエが
日本で最高潮に沸いていた時に、
全国で活躍していた
レゲエダンサーの女性。
奈良で、子供たちに向けてダンス教室を
主催されている。
一緒に手を組んで、
その日にイベントを開催することを決めた。
場所は市内の百貨店の屋上にある
砂浜のようになったBBQ場でステージがあった。
演者や音響は彼女を慕う方が集まり、
形になっていった。
たくさん話し合いを重ねて、
家族で来れること、
レゲエを楽しむ!こと。
そんなキーワードを
もってやったこのイベントには、
その方の力が大きく作用して
300人ほどの人が集まった。
ダンサーの出演者がメイン
だったこともあり、
たくさんの人が踊っていた。
レゲエダンスに馴染みのない人も
本気のレゲエダンスに触れて、
楽しんでいたように思う。
とてもいい空間だった。
この日、わたしは大きなフェスを開催
するのが正解じゃなかった、
これが正解だった。
そう思えた。
共同主催した方の力で私は
その光景を垣間見ることができたんだ。
人がたくさんいるからいいわけじゃなく、
「いい顔してる人に溢れている」場所
「みんなが楽しもうとしてる」場所は
最高の空間だ!
こんな風に、
自然に集まって
引き寄せあって
おこるようなイベントを
わたしはしたいと思った。
あとがき
実家と仲がいいので、
近畿圏から出るなんて考えにもなかった
自分が、あちこちに仕事に行くようになり、
運転に慣れたことで人生の幅が広がりました。
知り合いも爆発的に増え、
会うたびに話をし、
小さな規模で生きていたら気づかなかった
自分を知ることができた。
行動するって大事。
「無理」ってまず言わなくなった。
「できる方法」を考えるようになった。
それだけでも、きっと大きな成長が
できたように思います。