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ファシリテーター

※この物語はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係がありません。

今日は、派遣先でサポートを提供してくれる元自動車関連の営業マン、滝本 清(愛称:タッキー、50歳)と、伊東れなの上司であり、最近お腹周りが気になり始めた清本 司(愛称:つっちー、45歳)との三者面談の日である。形式的なこの面談に多少の戸惑いを覚えつつも、聡子はリラックスしている。彼らは聡子の最近の様子や、意見を交換する。

タッキーは元気いっぱいの声で聡子に声をかけた。
「伊藤さん、最近どうですか?仕事はどんな感じですか?」
聡子は落ち着いて答えた。「はい、大丈夫です。伊東さんが親切に指導してくれるので、本当に助かり・・・。」と話していたところ、タッキーが割り込んできた。
「へえ、それはいいね!”いとうさん”は有能だから心配ないよ。」
聡子は内心で微笑みながら、「はい、感謝しています」と返答した。タッキーは得意げに続けた。「それは何よりだ。これからもがんばってね。何か困ったことがあれば、ないに越したことはないけど、いつでも連絡ください。」と、自分の送り込んだ人材がうまくやっていることに満足していた。

面談が思いのほか早く終わり、上司のつっちーと歩きながら、彼はホッとした様子で言葉を交わした。「”いとう”さ、私にはやる気がないような言い方をするんだよね、だから、もっとコミュニケーションとってもいいですからね」と、温かくアドバイスをくれた。

席に戻ると、伊東が近寄ってきて、「私の評価、良かったですよね?」と自信満々に尋ねた。微笑みながら「ええ、その通りです」と応じると、聡子は「これからは下の名前で呼び合いましょう」と提案した。伊藤は目を丸くして驚いた。タッキーはにやけ顔で遠くからその様子を静かに見守っていた。

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