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ピアスのセグメント

「お疲れ様です。仕事を無事に終えられてよかったですね。報告書は私が引き継ぎますので、安心して休んでください」と、業務の打ち合わせを済ませて報告を終えようとしたその時、突然背後から「What are you doing? I wonder if the speaker is cured?」という声が聞こえてきた。振り返ると、少女がこちらに向かって来た。そして、彼女の耳にはピアスが光り、その印象的な姿が目に焼き付いた。彼女が直人に向かって歩いてくると、彼女の姿が窓から差し込む日差しに照らされていた。彼女の笑顔が一層輝いて見え、その光景はまるで絵画のように美しかった。

(どっちの子?右耳ピアスだから・・・)動揺と再会の喜びで、一瞬パソコンの画面から目を離していた。
そして、直人は応えた。「あっ、I'm sorry, I was repairing the speakers. I've fixed it, so I'll be back soon.」彼女がパソコンの画面に映り込んだ瞬間、直人は反射的にパソコンを閉じてしまった。

「明日はお休みだけど、どこか出かけるの?」そんな問いかけをメモにしたため、たかしはそれを実世に手渡した。しばらくして、実世からの返事がメモで戻ってきた。「友達とご飯を食べに行くよ」と書かれていた。たかしはその答えを見て、実世が友達と楽しい時間を過ごすことを想像しながら、自分も何か楽しい計画を立てようと思った。そして、たかしは実世に「楽しんできてね」と伝えた。

待ち合わせ場所の改札口で、実世は人混みをかき分けて少女に近づき、挨拶を交わした。両手の指を軽く曲げて胸の前で交差させると、少女も同じ動作で応える。その少女のピアスは光り輝き、実世に「うん」と元気よく返事をした後、両手の指先を合わせて胸の前でくるりと回した。彼女の顔には、会えた喜びが溢れていた。



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