秋田聖母マリア出現、シスター笹川さんが死去(完結編)
秋田聖体奉仕会でシスター笹川さんに出現した聖母マリアについては、すでに二件の記事をアップしていますが、それをまとめた記事を作りましたので、是非ご覧ください。
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昨年(2024年)8月15日、聖母被昇天の祝日に秋田聖体奉仕会のシスター笹川カツ子さんが亡くなった。
聖体奉仕会からは、「かねて療養中であったシスター笹川カツ子が老衰により天に召されました。93歳でした。遺体は本人の希望により医大に献体となりました。葬儀ミサも会員のみで本部修道院で捧げられました。」という発表があった。
1983年に韓国で秋田の聖母マリアの取次ぎにより脳腫瘍が完治した事例(既にアップ済みの「秋田の聖母マリアの取次ぎによる奇跡」参照)に加え、現在、生き証人から証言を得ることが可能であることを考えると、シスター笹川に対して列福・列聖へ向けての調査が速やかに開始されることを切に望むものである。遺体は献体されたとあるから、もし腐敗を免れていることが将来証明されれば、列聖調査を大きく前進させることなるかもしれない(⇒聖人の遺体は神の御業によって腐敗しないとされるため「不朽体」であるとされる)。
シスター笹川は、幼少のころから病弱で、病気が悪化し意識不明の状態に陥った時、「ルルドの水」を口に含ませた所、即座に意識が戻り、麻痺した手足も動くようになったという。その後、彼女は在俗で修道生活を送ることができる聖体奉仕会の存在を知り、1973年5月12日に奉仕会に入った。
1973年6月12日、彼女が42歳の時、聖母マリアが現れ、お告げや聖痕を始め、後にマリア像からの落涙や掌からの出血、等の出来事が次々と起こった。
シスター笹川に起こった聖母出現に関連する一連の現象については、当初、日本のカトリック上層部は懐疑的であり、超能力によるものだとしてその超自然性を否定した。また未だに教皇庁から正式な承認が無いとして、Wikipediaでも「教皇庁未公認の出現」として扱われている。しかし、世界では真正なマリア出現として信じる人が多く、それは聖体奉仕会を訪れる外国人の多さによっても頷ける。
ところで、約30年前の1992年11月、秋田で国際聖母マリア会議が開催された。その会議に参加した、ある世界的に有名なカトリック教徒であるバッスーラ・リディン(Vassula Ryden)氏は、同会議に参加していた、聖体奉仕会の所轄教区長である伊藤庄治郎司教から直接次のような証言を得たということである。
「私(伊藤司教)は、1983年10月、ローマの教皇庁まで直接赴き、シスター笹川から発せられたお告げをラッツィンガー枢機卿(後のベネディクト16世)に提出して、聖母出現に関する正式な調査を要請しました。しかし枢機卿は『調査団は送らない、調査の必要はない』と言われたので、その理由を問い正したところ、枢機卿から、『それはファティマの第三の予言と一字一句同じだからである』との回答を得ました。」
ファティマの第三の予言とは、1917年5月13日、ポルトガルのファティマで三人の子供の前に現れた聖母マリアから告げられた予言の三つ目であるが、これまで100年以上にわたり秘匿扱いされており、その内容が世間に与える影響の重大さからか、未だにヴァチカンは正式な発表をしていない。
伊藤司教は、ラッツィンガー枢機卿からの回答を基に、1984年5月、「秋田の聖母像に関する司教書簡」を発表し、その中で「聖母像に関する一連の現象に超自然性が無いと否定することはできない」としてシスター笹川のマリア出現を承認した。その後1988年に教皇庁ヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿は、伊藤司教の判断をそのまま静観する(見守る)とした。
教皇庁は、ラッツィンガー枢機卿が、秋田の聖母出現を認めているのにも関わらず、それを正式に発表できない理由が何かあるのだろうか?私見であるが、日本ではキリスト教の中心地といえば、幾多の殉教者の血が流れ、潜伏キリシタンが明治期まで信仰を維持していた長崎である。しかし、秋田に聖母が正式に出現したとなれば、キリスト教の中心地である地位を奪われかねない。一般に、ファティマやルルドでもそうであるが、聖母マリアの出現地には様々な商業施設や教会ができ、世界各国から多くの人々が巡礼に訪れるため、出現地一帯に莫大な経済的効果をもたらす。これは日本におけるキリスト教の中心地を任ずる長崎にとっては不都合である。このような事情を慮ってバチカンは正式な承認の発表をできないでいるのかもしれない。(参考:シスター笹川に告げたメッセージの中に、聖母マリアはわざわざ秋田を選んで現れたとあることに注意。秋田では1624年に32人の殉教があり、これは「秋田の地に先に蒔かれたていた恩恵の種」とされている。)
シスター笹川は、生前最後の聖母からのお告げとして、2019年10月に「灰をかぶって悔い改めのロザリオを毎日祈ってください。幼子のようになって、毎日犠牲を捧げてください」等のメッセージを受けた。この時、シスター笹川は、「時が近いと感じた」ということを側近に漏らしたという。
聖母マリアからのお告げは主として三つある。
①第一のお告げ
「恐れおののくことはない。あなたの罪のみでなく、すべての人の償いのために祈ってください。今の世は、忘恩と侮辱で主の聖心を傷付けております。あなたの傷よりマリア様の御手の傷は深く、痛んでおります。さあ行きましょう。わたしはあなたに付いていて、あなたを守る守護天使です。わたしの娘(シスター笹川)よ、わたしの修練女よ、すべてを捨てて、よく従ってくれました。耳の不自由は苦しいですか?きっと治りますよ。忍耐してください。ここの一人一人がわたしのかけがえのない娘です。聖体奉仕会の祈りを心して祈ってますか?さあ、一緒に唱えましょう。教皇、司教、司祭のためにたくさん祈ってください。あなたは洗礼を受けてから今日まで、教皇、司教、司祭のために祈りを忘れないで、よく唱えてくれましたね。これからもたくさん、たくさん唱えてください。今日のことをあなたの長上(司教、司祭)に話して、長上のおっしゃるままに従ってください。あなたの長上は、いま熱心に祈りを求めていますよ。」
②第二のお告げ
「私の娘よ。私の修練女よ、主を愛し奉っていますか。主をお愛しするなら、私の話を聞きなさい。これは大事なことです。そしてあなたの長上に告げなさい。世の多くの人々は主を悲しませております。私は主を慰めるものを望んでおります。天のおん父のお怒りをやわらげるために、罪人や忘恩者に代わって苦しみ、貧しさをもってこれを償う霊魂を、おん子とともに望んでおります。おん父がこの世に対して怒り給うておられることを知らせるために、おん父は全人類の上に大いなる罰をくだそうとしておられます。おん子とともに何度もそのお怒りをやわらげるよう努めました。おん子の十字架の苦しみ、おん血を示して、おん父をお慰めする至愛なる霊魂、その犠牲者となる集まりを捧げて、お引きとめしてきました。祈り、苦行、貧しさ、勇気ある犠牲的行為は、おん父のお怒りをやわらげることができます。あなたの会にも私はそれを望んでいます。貧しさを尊び、貧しさの中にあって、多くの人々の忘恩、侮辱の償いのために、回心して祈って下さい。聖体奉仕会の祈りを心して祈り、実践して、贖罪のために捧げて下さい。各自の能力、持ち場を大切にして、そのすべてをもって捧げるように。在俗会であっても祈りが必要です。もはやすでに祈ろうとする霊魂が集められています。形にこだわらず、熱心をもって、ひたすら聖主をお慰めするために祈って下さい。あなたが心の中で思っていることは、まことか?まことに捨て石になる覚悟がありますか。主の浄配になろうとしている私の修練女よ。花嫁がその花婿にふさわしいものとなるために、3つの釘で十字架につけられる心をもって誓願をたてなさい。清貧、貞潔、従順の三つの釘です。その中でも基は従順です。全き服従をもって、あなたの長上に従いなさい。あなたの長上はよき理解者となって、導いてくれるでしょうから。」
③第三のお告げ
「愛する私の娘よ、これから私の話すことをよく聞きなさい。そしてあなたの長上に告げなさい。もし人々が悔い改めないなら、おん父は全人類の上に大いなる罰をくだそうとしておられます。そのときおん父は、大洪水よりも重い、いままでにない罰を下されるに違いありません。火が天から下り、その災いによって人類の多くの人々が死ぬでしょう。良い人も悪い人と共に、司祭も信者とともに死ぬでしょう。生き残った人々には、死んだ人々を羨むほどの苦難があるでしょう。その時わたしたちに残る武器は、ロザリオとおん子の残された印だけです。毎日ロザリオの祈りを唱えてください。ロザリオの祈りをもって、司教、司祭のために祈ってください。悪魔の働きが、教会の中にまで入り込み、カルジナル(枢機卿)はカルジナルに、司教は司教に対立するでしょう。わたしを敬う司祭は、同僚から軽蔑され、攻撃されるでしょう。祭壇や教会が荒されて、教会は妥協する者でいっぱいになり、悪魔の誘惑によって多くの司祭、司教がやめるでしょう。特に悪魔はおん父に捧げられた霊魂に働きかけております。たくさんの霊魂が失われることがわたしの悲しみです。これ以上罪が続くなら、もはや罪の赦しはなくなるでしょう。あなたの声を通して伝えるのは今日が最後ですよ。これからはあなたに遣わされている者と、あなたの長上に従いなさい。ロザリオの祈りをたくさん唱えてください。迫っている災難から助けることができるのはわたしだけです。わたしに寄りすがる者は、助けられるでしょう。」
聖母像を通して聖母がシスター笹川に与えられたお告げは、三回にわたり、これが最後となった。ファティマの聖母出現は10月13日が最後であった。秋田の聖母のお告げも10月13日をもって終わっている。これは単なる偶然の一致ではない。
聖母はファティマの出現においても、同様のことを再三強調されたにも関わらず人々はこれを無視した。このたびは聖母は秋田の地を選び、マリア像とシスター笹川を通してこの重大な警告を繰り返したのであった。
ウクライナ・ロシア戦争の拡大が懸念され、ロシアと隣接する北欧の一部の国では戦争に備えるよう国民に呼びかけを行なうような事態となっている現在、シスター笹川の「時が近いと感じた」という警告は心に重く響く。
マタイ福音書:24.3-14「世の終わりの前兆と迫害」イエスがオリーブ山で座っておられると、弟子たちが密かにみもとに来て言った。「お話ください。いつそのようなこと(世の終わりの前兆と迫害)が起こるのでしょう。あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」そこでイエスは彼らに答えて言われた。人に惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗るものが大勢現れ、「私こそキリストだ」と言って、多くの人を惑わすでしょう。また戦争や戦争の噂を聞くでしょうが、気をつけて慌てないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし終わりが来た訳ではありません。民族は民族に、国家は国家に敵対して立上がり、方々に飢饉と地震が起こります。しかしそのようなことは皆、産みの苦しみの初めなのです。その時、人々はあなた方を苦しい目に会わせ、殺します。またわたしの名のためにあなた方は、すべての国の人々に憎まれます。またその時は人々が大勢つまづき、互いに裏切り、憎み合います。また偽預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。不法がはびこるので多くの人たちの愛は冷たくなります。しかし最後まで耐え忍ぶ者は救われます。この御国の福音は全世界で宣べ伝えられて、全ての国民に証され、それから終わりの日が来ます。