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自死遺族になるまで③

「母さんが仕事に行っていないって連絡がきた。何か聞いてる?」

部活中に家族から連絡があり、そう尋ねられました。知らないと答えたのですが、今思うと胸騒ぎはこの時から強くなっていきました。

真面目な母が何も言わず仕事を休むとは思えない。
たぶん家族全員がわかっていたと思います。
ではどこに行ったのか、誰もそれは分かりませんでした。

状況が状況なので部活は早めに上がらせてもらい、家でずっと待っていました。
体が震えて何かメモみたいなのに怖いと書いて気を紛らわせていた気がします。
母はきっと戻って来る、何か連絡できない状態なだけできっとすぐ気づいて連絡が来ると思っていました。
そこから数時間後、母が亡くなった状態で見つかったことの連絡を受けました。



人間は驚きとショックを通りこすと本当に言葉が出ません。
これは現実か?と頭の中ではグルグル考えていました。

しかし父が今まで見たことがないぐらい泣いているのを見て「ああ、本当にダメなんだ」と実感しました。
そこからはぼんやりとしか覚えていません。
父から母が亡くなったことを説明され、そこからは親戚たちも集まって一気にお葬式の準備が始まります。

母方の祖父母や叔父叔母も集まり、祖母は私に「お母さん馬鹿なことしてごめんね」と泣きながら謝られました。
おばあちゃんは悪くないのにと思っていました、母がなにか悪いことをしたとも思えなかったので謝らないでと思いました。

この時、私は涙を流すことがほぼなかったため父を含め家族や親戚たちは私の気が狂ったと心配していたそうです。
本当に気は狂いかけていたんだと思います。








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