ロシア大統領側近の「サウナ政治」


政治というとあなたはどのような光景を思い浮かべるだろうか。

政治家が国会で答弁をしている光景、要人同士で開かれる会合・会談の光景

あるいは報道されない時間と場所で政治的決断を行っているかもしれないと少し思ってしまう人もいるかもしれない。


たしかに公の場で最終決断を行うことが普通であるが、それ以上にどれだけ話し相手と適切な距離感の関係を築けているかも重要な要素の一つだといえる。


いまから25年ほど前の1994年前後のロシアでは興味深い政治的決断の方法が行われていたという。


それが、サウナ外交である。



1994年当時、ロシア要人が利用するサウナには食堂が併設されており、ウオトカ(ロシアの代表的な酒)を飲みながら宴会を5~6時間続けていたという。サウナでは新陳代謝が進むため、アルコールが抜けやすくいくらでもウオトカを飲みながら楽しむことができるのだ。当時のロシア大統領エリツィンの側近はよくこのサウナ外交を行っていた。


ではなぜサウナ外交と呼ばれる手法を使っていたのか。


 ロシアの酒飲み政治家は酒を飲まない者を信用しない。酒を飲んだときと素面のときの発言や態度の変化をよく観察して人物を見極めるのである。 〈中略〉 (大統領が上機嫌になり宴会がお開きになるころに)側近たちは、大統領に懸案となっている人事や大統領令について相談する。もちろん大統領は宴会の雰囲気を壊したくないので、信頼する側近の見解を尊重する。このようにして、サウナ・パーティーの数日後には、数多くの人事や大統領令が発表されるのである。(pp.237-238)


読んでいて少し恐ろしさを感じるほど、頭がいいというかずる賢い手法だといえる。ただ、当時のロシア政治においてある程度早く決断を下さなければならないこともあったのだろう。


ひとつの懸案にしっかりと時間をかけて取り組むことと、最終意思決定者が責任を負ったうえで速やかに決断を行い、実行に移すこと。

どちらにも良し悪しがあるとわかったうえで適切な方法をとることが必要だろう。


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思い出したが、ビジネスでサウナを利用する特集を先日テレビ番組で行っていた。いま公式ホームページに文字を起こした記事があることに驚愕しているのだが、気になる方が見ていただければと思う。




...noteもあることを知った。即フォロー。



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