詩を書いてみる 「誰か」
自分では何も決められない
自分の生きる人生すらも
誰かに決めてほしくて
無責任にこの手を引いて
未来へ置き去りにしてくれたらいい
どれだけ暗くても
冷たくても
空っぽでも
未来ならどこでも
想像出来るだけ描いてみようとした人生は
描き方が分からず透明なまま
誰か描いてよ
何もない人生を
余った絵の具
拾った筆を貸すからさ
立派なセンスは無くていいよ
色と形が欲しいだけ
そしていつか
誰かが描いた僕の人生を
誰かに飾ってほしいから
誰かの足跡辿っても
途中から増える他の足跡
どれを辿れば良いですか
どの足跡も立派に見えて
心なしかその先の道も明るい
どうしようもない程
やかましい
耳鳴りが
暖かい誰かの声をかき消して
足跡すら見えなくする
自分を綴りたくて引き出した言葉はどれも
嫌いな言葉で黒で塗りつぶした
誰か綴ってよ
何もない人生を
つまらない言葉
汚い言葉で良いからさ
僕の腕に書いてくれればいい
錆びた釘で彫ったりしてさ
そしていつか
誰かが綴った僕の人生を
誰かに歌ってほしいから
いい加減な時間で紡いだカレンダーの日付達を
ホチキスで無理矢理留めようとしたら
バラバラになって遠くへ消えてった
誰か見つけてくれよ
誰か繋ぎ合わせてくれよ
僕の人生を
誰か取り返してくれよ
誰か作ってよ
こんな僕の人生を
腐った流木
砕けた瓦礫で良いからさ
地獄にでも作ってくれたらいい
やくざな僕の人生を
そしていつか
誰かが作った僕の人生を
自分で忘れたいから
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