詩を書いてみる 「怠惰」

黒く塗りつぶした手帳の今日
意味もなく
怠惰だけの器
狭い部屋に漂う薄気味悪さ
床に転がる孤独感
耳鳴りの話はいつも愚痴ばかり
手土産も持たずに満足するまで居座る
耳掻きで引っ張り出そうとしても
少し、痛い

怠惰を極めてもう何年
陰湿溜め込み陽捨てて
湿度のゴミ屋敷
耳鳴りが巣食う
何かが生まれるこの部屋
今日は新たな耳鳴りの産声
高い
高い


黒く塗りつぶした手帳の明日
意味もなく
時間も塗りつぶす
広い暇を覆い尽くす狭い部屋
自己の可能性を転がす
姿を見せずに纏わりつく退屈
未来の気配は過去に挟み撃ち
四面楚歌

怠惰に捕らわれもう何年
暗闇と間違え光捨てて
光の焼却炉
煙は闇に変わる
何かが埋もれるこの部屋
土に還った祈りの言の葉
戻らない
戻らない

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