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ありがとう、クワガタくんたち
今年の夏は3頭のノコギリクワガタを飼った。
今日、その中でも最も長く一緒に過ごした個体(最初に出会ったので1号、と呼んでいた)が死んでしまった。
出会った頃に比べたら動きは鈍く、力も弱くなっていたのは感じていたとはいえ
昨日まで活発に活動していたから、年は越せると思っていたんだけど。
1月2日で出会ってから半年だったから、そこまでは一緒に過ごしたかったな。
昆虫の命はとても短い。
イヌやネコのような哺乳類と違って、昆虫をペットにするのは人間のエゴである側面が大きいと、ぼくは思っている。
たとえ寿命は短くとも、大自然の中でのびのびと生を全うしたほうが幸せだったかもしれない。
だからこそ、他のクワガタにできないことをもっとたくさんさせてあげたかった。
雪が降ったら見せようと思っていたし、
春風が吹くころには外に連れて行ってあげたかった。
残念ながらその願いはかなわなかった。
それでも、真冬になるまで生きてくれたことはとてもありがたかったし、先に死んでしまった2号、3号も含めて
「楽しい日々をありがとう」と言いたい。
今年飼ったクワガタくん達との日々は、BlueSkyでたくさんの人に見てもらうことができた。
普段は昆虫が苦手だという人にも多少、親しみを感じてもらえたかもしれない。
そう思えるのも、クワガタくん達のおかげだ。
他の2頭と同じように、1号くんも標本にして大切に残そうと思う。
標本づくりをみてもらうのもまた好きだし。
今年の夏はとても暑かった。
残業して帰ってきた夜、部屋の明かりに寄せられたのかマンションの廊下に落ちていたのを見つけたのが1号との出会い。
甲虫を飼うなんて20年ぶりくらいのことだったけれど
立派な大あごがかっこよくて、次の日にはケージとゼリーを買いに行っていた。
結局この夏は同じ場所で計3頭のノコギリクワガタと同じ場所で出会い、楽しい時間を過ごさせてもらった。
気付けば季節も夏から秋へ、秋から冬へと変わって、昆虫たちを見かけることも少なくなった。
クワガタくんたちがいなくなって、残りの冬は少し寂しくなるけれど、ぼくは頑張るよ。
この冬を越せば、暖かい春が、
そしてまた夏がやってくるのだから。
暑い暑い、あの夏が。