少女都市

劇作家・葭本未織の劇団Note。『聖女』で第60回岸田國士戯曲賞推薦。『リアの跡地』で北海道戯曲賞大賞受賞。http://girlsmetropolis.com/ https://pagedou.com/

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劇作家・葭本未織の劇団Note。『聖女』で第60回岸田國士戯曲賞推薦。『リアの跡地』で北海道戯曲賞大賞受賞。http://girlsmetropolis.com/ https://pagedou.com/

マガジン

  • また劇場で会いましょう(少女都市)

    100パックの紅茶を買いました。100日後の世界を信じて、つづります。

  • わたしのお気に入り

    好きなものを好きなときに好きなだけ

  • 少女都市生活

    兵庫県と東京都で活動する、少女のための劇団 【 少女都市 】がお送りします、5分で読める、小さな物語。他 http://girlsmetropolis.com/

最近の記事

女が女に送る叙事詩(田中美津さん死去に寄せて)

田中美津さんが亡くなった。私は2023年のお正月に、一度だけお会いした。田中美津さんを被写体にした吉峯監督のドキュメンタリーが、女性文化賞を獲られたので、授与式が行われたからだった。(石川優実さんに連れていっていただいた) 一目見て、すごい人だと思った。パワーに圧倒されて、どう接せればいいのか分からなかった。だから伝説になったし、だから孤高の人だったのかもしれないと思った。彼女なしには日本のウーマンリブ、それからのちの女性学、そして2020年からのフェミニズムブームは到来し

    • 四代目左翼が思うこと

      わたしは19〜29歳まで、「才能を発揮している私」のことは大好きだが、「そうでない日常生活の私」には酷いぐらい興味が無く、攻撃する男とばかり付き合ってきた。 あるタイミングで、親がそうだったから、男選びもそうだったんだなと気がついた。私は親に似た、私に愛情のない人に、愛情を欲していた。愛犬だけが、何も才能を発揮しない私を好きになってくれた。犬からの愛情を、この上なくありがたい奇跡で、この愛情一つあれば生きていける幸せな恵みだと思っていた。 けれど、なんか目が覚めた。そこじ

      • トゥゲッターを拡散されたフェミニストの方々へ

        先日、トゥゲッターにまとめられました。 このまとめは多くの情報が抜け落ち悪意をもって編集されているため、私どもとしては法的措置を考えています。 この件でいくつもの言葉が私のところへ届き、この人ならと思った方にのみリプライをしました。 トゥゲッターを拡散されたフェミニストの方々へ、同じことをお伝えしたいと思い、リプライに書きました。このnoteはその引用および編集を咥えたものです。ご覧ください。 * * * * * * * * * * * * * * *  まず「四代

        • もっともっとしあわせになる

          珍しく〆切より早く原稿を上げられたので連休らしい連休を過ごしたシルバーウィークだった。一週間ぐらいパソコンに触れなかったせいか、文章をつくるのに時間がかかっている。「3日サボると取り戻すのに一週間かかる」みたいな言説は高圧的で嫌いだけど、ちょっとそれを思い出す。ひさしぶりの感覚で、頭がゆっくりと回転しているかんじがする。端的に言うと、肩に力が入りすぎている。 さて働き始めてから早いもので3週間で、だいぶ慣れてきた。働き始めて思うのは、場所があるってすごいことだな、強制力があ

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        • また劇場で会いましょう(少女都市)
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        記事

          つまんない話なんか書きたくない(『アンナ・カレーニナ』を全員読め)

          つまんない話なんか書きたくない。見たことのある話も書きたくない。わたしはそういうの欲しくない。人生を変えるような話にしか出会いたくない。誰のためでもないわたしのために。書き手がそう思ってなきゃ、書き手にとって意義ある執筆活動にはならない。 ということで(?)絶不調である。 気持ちが高ぶっていて。だから言葉はポンポンポンと出てくるのだが、それに見合った、ううん、正しくは「全然違った」ストーリーのアイディアが出てこない。 恋愛の話をただ恋愛の話ベースにしてやってもつまんない

          つまんない話なんか書きたくない(『アンナ・カレーニナ』を全員読め)

          わたしは期待に弱い(プロダクションノートその②)

          どうせ誰も見てないんだけどやる、というメンタリティが自分には一番合っていると感じる。そういうときはのびのびと自分らしく、多少の反骨精神を持って、物事にとりくめる。だけど「あ、今わたし期待されてるぞ」と感じると、てんでダメになる。手も足も頭も氷のように固くなって動かなくなる。わたしは期待に弱い。人からの期待を察知すると、それに100パーセント応えたくなる。そして「期待に応えたい」ということだけが脳みそをしめ、本来期待されているだろう作品づくりやなんやらにまったく集中できなくなる

          わたしは期待に弱い(プロダクションノートその②)

          安い邦画でよくある田舎の小洒落た喫茶店とそこに入り浸る女は実在する

          10月の目標は一日一回更新、と言っておきながら、あやうく更新しないところだった。あぶないあぶない。それでも9月の間は(3日間だけとは言え)毎日けっこうな分量を書いて連続更新できていたのに、10月に入った途端これだ。うっかり更新を忘れていた。いや本当はうっかりじゃなくて、「うわー面倒くさいなーやだなー」と思いながら、やらなかった。わたしにはこういうクセがある。事前準備はがんばるんだけど、それで燃え尽きて、本番はバテバテ。もしくは棄権、というやつ。 今日は一日ちょっとパソコンか

          安い邦画でよくある田舎の小洒落た喫茶店とそこに入り浸る女は実在する

          関西人の8割はびっくりすると椅子から転げ落ちる(吉本新喜劇についての所感)

          昨日は朝一番に犬がわたしを書斎につれていってくれた。そんなファンタジックなことあるかい!と思われるかもしれないが、本当にあった。朝、目が覚めて部屋を出ると、廊下でひなたぼっこしている犬がいた。パタパタパタとしっぽを振って「なでて」とおねだりする犬の、その腹を右手で撫でると、犬は満足気にわたしの左手をなめた。しばらくすると体を起こし、「ねえあけて」と廊下の突き当りの(と書くとやたら広い家のように思うがその実、犬のひなたぼっこスペースからは50センチぐらいしか離れてない)書斎のド

          関西人の8割はびっくりすると椅子から転げ落ちる(吉本新喜劇についての所感)

          久しぶりのプロダクションノート(愛という名の支配)

          今やりたいと思っていることが明確になった。ので、プロダクションノートをつける。「暴力とは、そしてその連鎖を断ち切るには」という、22歳の頃からずっとやっているテーマに昨日、新しい発見があった。そのことを物語にしたい。ここで書いてしまうと満足してしまうので、今は書かない。(それはプロダクションノートなのか?!と言われそうだけど) さて、田嶋陽子先生の『愛という名の支配』を今、読んでいる。一文、一文に傷つく。だけどもう喉元まで追い詰められてるって事実は、目をそらさずに認識すると

          久しぶりのプロダクションノート(愛という名の支配)

          小学生の時、隣のクラスの担任にいじめられてた話

          もう9月が終わる。一年が早すぎるよ!8~9月は色んなことがあってなかなかnoteを書く時間が取れなかった。10月の目標は一日一回ツイッター更新です。ツイ廃だった昔の自分が読んだらびっくりしそうだな。 本当はnoteのほうを毎日更新したいけど、なかなかそれはむつかしいんだよなあ。note、必要とされてる文量多いんだもん。わたしには140字でnoteを更新する度胸が無い。ついつい、1000字ぐらい書かなくちゃね…!とキーボードの前で身構えてしまう。誰もnoteは1000字から!

          小学生の時、隣のクラスの担任にいじめられてた話

          推敲が何よりも大事

          前回言っていた〆切を無事に守ったものの、できたものは惨憺たるものだった。提出してから一日半、病んで寝た。できることと言ったら弟が子どもの頃買ったらしい、我が家に数年あるが一度も読んでいなかった『ギャグマンガ日和』第15巻を読むことぐらいだった。 なんとか復活して今日、仕事のスケジュールを書いている手帳の6月のページを開くと、締め切り!と書かれた日付の下にこう書いてあった。 「もっと推敲の回数を重ねるべきだったし、そのためには完成を早くして、直す……って工程が必要」 わ~

          推敲が何よりも大事

          「若さ」とはいったい何なのかということを10年近く考えてきた。

          お元気ですか、わたしはめっちゃ元気です。元気です、ということを伝えたいのでひさしぶりにnoteにやってきました。うそです、締め切りに追われて現実逃避にnoteにきました。という態度を神様が知ってか知らずか、この文章を書いている間にwifiが落ちました。3度目の正直で投稿します。(だからこっから先の文で、語尾がちがうのはゆるしてね) * 新しい締め切り嬉しい♡なんて二日前の態度を忘れたかの如く、締め切りに追われて泣いている。どうせ直しが入るのだ、ダメで元々なんだから、気にせ

          「若さ」とはいったい何なのかということを10年近く考えてきた。

          5perfect films,5tags②新宿泥棒日記

          昨日に引き続き、好きな映画BEST5の残り4つについて書いていきます~。 好きな映画②『新宿泥棒日記』大島渚 この映画のオマージュをやりたくて演劇やってるところある。(2回目) いやオマージュというのはちょっとちがうな。自分にとって、都市と物語の結合の必然性、つまり「その場所だから、そのストーリーになる」ということにこだわりはじめたきっかけになったのがこの映画です。 まあまずは座ってキャスト欄を見てくださいよ!(wiki参照) 岡ノ上鳥男 と名のる青年 - 横尾忠則

          5perfect films,5tags②新宿泥棒日記

          今更ながら5perfect films,5tags①永遠と一日

          前原麻希さんからバトンが回ってきたのは4月の終わりだったろうか。 皆さん覚えてますか、4月のはじめ、めっちゃバトンがはやってましたよね。いろ~んなバトンが乱立して、その盛り上がりっぷりがなんだか00年代のmixiやデコログを思い出させ、「うわ~なつかしい~」とノスタルジーにひたるとともに、「けっ、どうせわたしには回ってこないんでしょ」とすねた目で人々を見ていたのが、どうも、わたしです。気分はさながらスクールカーストに憎悪を燃やしている女子中学生でした。 そんなある日、人生

          今更ながら5perfect films,5tags①永遠と一日

          「エトセトラ 特集:私の私による私のための身体」を読んで

          待ちに待っていた雑誌が発売された。エトセトラブックスから発売されたフェミマガジン『エトセトラ』だ。今回の号は責任編集長が長田杏奈さん。愛読、というか、ほとんど日記のように書き込みを続けている本『自尊心は心の筋トレ』を書かれた美容ライターさんだ。(わたしは買った本に尋常じゃないほど書き込みをするくせがある。これについてもまた書きたい) 今回の特集は「私の私による私のための身体」。事前に行われたアンケートに1300人を超える人が参加していた。わたしもその一人だった。アンケートの

          「エトセトラ 特集:私の私による私のための身体」を読んで

          お知らせ

          個人ツイッターを休止し、劇団ツイッターのみとすることになりました。個人ツイッターは次回公演の目処が立ちましたら復活させます。 ▽交流の場としてInstagramをはじめます(ストーリーに気軽にコメントどうぞ~) 劇団ツイッターは個別返信ができないので、個人ツイッターを閉じるのは迷いがあったのですが、Instagramやnoteにコメントいただければとても嬉しいです! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。