LAnge

現代詩、SS小説、雑記。

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【現代詩】が趣味の女性が「大人の事情」を描きまくる”KIRINJI(キリンジ)”の歌詞を100%の想像力で好きに解釈してみた。

今回の記事は語りっち系になります。 残念なことに、わたしはKIRINJI(キリンジ)の古参のファンではありません。 より正確には、出会うのが遅かったのをくやしい!と思えるくらい、大好きな音楽アーティストではあるのですが、 どうやら元々兄と弟のユニットだったのが兄だけになって、だとか、弟は弟でソロ活動をしていて…とか、あなたは兄派?弟派?などなど… ファンならば当然のごとく理解し、整理されていて然るべきディスコグラフィー上の特徴の違いなども、 存分に理解しているとはいえ

    • 【洋楽翻訳】Me too (Megan Trainor)

      曲 Meghan Trainor, Jacob Kasher Hindlin, Jason Derulo, Peter Svensson, Rickey Reed “Thank you “(2016) Who's that sexy thing I see over there? 誰?そこのセクシーな、 ほらあっち側にいる? That's me, standin' in the mirror って、わたしか。 ただ鏡の前で立ってるだけだった。 What's that i

      • 【洋楽翻訳】I’m forever blowing bubbles

        I'm forever blowing bubbles, わたしはいつもしゃぼん玉を吹いている Pretty bubbles in the air, かわいくて小さな虚空の泡沫を They fly so high, nearly reach the sky, 空高く、限りなく近づいたかと思えば Then like my dreams they fade and die. 儚く消えていつのまにかいなくなってしまうの わたしの夢と同じね Fortune's always

        • 【SS小説】子ども部屋の26時

          「マッカラン。18年の」 瑞稀が確信を得たのは、どうもその瞬間らしかった。 店の奥に向かって細長く伸びるバーカウンターの、座席みっつ分をご丁度間に挟んだ絶妙な位置に、男は腰掛けていた。 暇を持て余している風情の、濃紺のジャケットにパンツスーツのスタイル。左腕の裾からチラリと覗くシルバーの時計は文字盤がやたらと大きく、磨かれた盤面は黒色。毛先が長くて襟足の短い髪をワックスで片側に流している。おまけにパンツは、膝上丈。 飲み終えたグラスの氷が、カランと溶けて回った。 瑞

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        【現代詩】が趣味の女性が「大人の事情」を描きまくる”KIRINJI(キリンジ)”の歌詞を100%の想像力で好きに解釈してみた。

          【SS小説】水槽の魚

          ——視界がひらくと青色の天井が見えた。 ぼんやりとした輪郭のまま、斜めに走る淡い光の筋のようなものをなんとなく捉えてたどると、どうやらカーテンの隙間がある。 午前5時14分。 眩しすぎる手首の小さな液晶画面を前に、片眼を閉じた。 それから持ち上げた腕ごと、覆い被せるかのように瞼にあてがうと、細く長いため息をついた。 仰向けの状態で、暗い木目地のヘッドボードを無闇に掴もうとすれば昨晩置いたと思ったベッドのその位置に、眼鏡はちゃんとレンズを天井側にして置いてあった。隣で寝

          【SS小説】水槽の魚

          【洋楽翻訳】Shape of You(Ed Sheeran)

          作詞作曲 Edward Christopher Sheeran The club isn't the best place to find a lover so the bar is where I go 恋人を見つけるのに「クラブ」が最適解とはいえない
だから行くのは「バー」の方 Me and my friends at the table doing shots drinking fast and then we talk slow テーブルでショットやってる俺たちは

          【洋楽翻訳】Shape of You(Ed Sheeran)

          【現代詩】1/4

          実家に対する想いは、どこか泥臭くて陰鬱たるものがあり、気恥ずかしいのに、懐かしさを覚えずにはいられない。 私は実家の混然とした居間が嫌いだ。古びて色褪せた電化製品や、部屋の雰囲気に合わない、どんな意味があるのかもわからない木彫りの置物や、まるで統一感のない柄物の衣類。そして増えすぎた食器が。 捨てればいいのに。 この感情は何か。 自分が大人になって洗練された気にでもなっているんだろうか。 白く雑念のない壁に、手間のかからない電子機器、的確な配置の必要最低限の小物、季

          【現代詩】1/4

          【SS小説】銀河鉄道マニアの夜

          「ではみなさんは、そういうふうにデゴイチだといわれたり、日本国有鉄道の前身である鉄道省が設計したのだといわれているこの素晴らしい型の蒸気機関車がほんとうは何かご承知ですか。」 会長は、白いきゅうりのごとき顔から吊り下げたびん底メガネを指先で摘んで持ち上げるようにしながら、狭くむさ苦しい部屋に密集する面々に問いかけました。 神居七吾(かむいしちご)が手をあげました。 それから一、二人手をあげました。 条谷尚(じょうたになお)はここにいる五人全員の中でただ一人手を上げられな

          【SS小説】銀河鉄道マニアの夜

          【洋楽翻訳】Moon River(ムーン•リバー 映画『ティファニーで朝食を』劇中歌

          Moon River (作詞 John Herndon Johnny Mercer、作曲 Henry Mancini) Moon river, wider than a mile 月を浮かべる川 向こう岸までは1マイルよりも広い 
I'm crossing you in style some day だけど、私はきれいに渡ってみせる いつかね Oh, dream maker 夢を見せてくれるあなたは 
You heart breaker わたしを傷つける人 
Wh

          【洋楽翻訳】Moon River(ムーン•リバー 映画『ティファニーで朝食を』劇中歌

          【SS小説】教授と桃子

          「単刀直入に言います。ーーわたしは丹下先生の事が好き。」 最初に口火を切ったのは桃子の方だった。 鎌倉市雪ノ下、鶴ヶ丘八幡宮に程近い蕎麦屋の席での出来事だった。昼時を少し過ぎた時刻でも客足が途切れず繁盛している様子で、賑やかな店内ではあった。ところが、その瞬間、黒檀のテーブルに向かい合い座る桃子の行儀良く閉じられた唇がおもむろに開かれたその瞬間だけ、周囲から音の一切がしんと消え失せてしまったかのように感じた。 私、こと丹下正明はわが耳を疑った。 「あんみつでも頼もうか。白玉

          【SS小説】教授と桃子