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フルマラソンで3時間を切るということ。(アタック編)
どこよりも遅いBeyond2021振り返り。←
2021年最大の目標、フル3時間切り(サブ3)。
それを達成すべく、昨年末Beyond2021に参加してきました。
意気込みについては以下をご参照くんなさい。↓
2021年12月28日火曜日
Beyond前日。
夜勤を終え家路に着く。
地元新潟は折りしも大雪。
高速道路が通行止めにならない事を祈りつつ宿を取った水戸へ出発。
4時間半後無事到着。(雑)
ホテルは偕楽園のすぐそば。
思ったより早く着いたので偕楽園お隣りの千波湖で前日調整。
30'ジョグ(6k 5'00")+1000(4'05")
順調。
前日飯はこれまたホテルから目と鼻の先、蘭丸というラーメン屋さんへ。
餃子とアサヒ、そしてみぞれラーメン赤味噌大盛りを戴く。
フル前日にルービーなんて飲んでけしからんがいつも通りを心掛け。
ホテルに戻り、スペシャルドリンク作り。
ボトルはダイソー。2本のボトルをニコイチにした。細いバンセンを持ち手にその上からカラーモールを巻く。本体は絶縁テープ2色で目立つようにした。(見た目は悪いがとにかく目立てば良いのだ)
スペシャルドリンクの中身は
1. 白い方 molten drink mix 320
2. 赤い方 greenダカラ+amino vital クエン酸チャージ+レモンコンクたっぷり
moltenは胃酸以外の酸との相性が悪いとネットに書いてあったので、レース中盤までは1.のmolten単独で糖質の補給。後半から2.のクエン酸系を投入して筋疲労、攣り対策とした。(良いかどうかは知らんけど)
ジェルはアミノ酸系のやつとコムレケアを携行。
それの後はランシャツにゼッケンを付けたり装備の確認をしたり。
シューズはasicsメタスピードエッジ。
何でスカイじゃなくエッジなのかって?
それは今のおっさんのマラソンペース、フォーム、脚力、走力において、スカイの美味しい所(ストライド、フォアorミッドフット)では走れないため、意識しなくても良く足の回るエッジにしたというところです。(ハーフ以下ならスカイ履きます)
もうひとつ言うと何でヴェイパーじゃないの?と。
個人的に、ヴェイパーはクッションが良過ぎる(柔らか過ぎる)が故、「沈み込み→反発」までのタイムラグがほんの少し生まれる。
すると若干とはいえ脚に力を入れている時間が増えるため、それを3万回以上繰り返すマラソンでは筋疲労、攣りの観点から使いづらいと言うのが本音です。(ハーフ以下ならヴェイパーかスカイの二択ですが)
何となく分かって。←コレ
長くなりましたが、23時頃就寝。
12月29日水曜日
Beyond当日
朝6時起床。
ボチボチと準備を進めつつ7時に朝ごばん。
おにぎり、サンドイッチ、ホテルのパンを食べる。
部屋に戻り、脇、足、股にワセリン塗ったり着替えたり。
8時過ぎ、会場である日本自動車研究所城里テストセンターへ出発。9時頃到着。
おっさんの組は10時55分スタートなのでまだまだ時間に余裕有り。
スペシャルドリンクを提出したり、会場をぶらぶらしたり。
周りにはランチューバーさんがたくさん。
声を掛けたいのをグッと堪え、アップしたり準備したり。
トイレ対策として仮設用の男性用小便器が有るのは凄いと思った。
コースは昨年のコースとは違い、カーブにバンクが付いたインディー500も真っ青のオーバルトラックのテストコース。凄い。圧巻。真っ平ら。
で、走るとこはそのフラットのところのみ。
もう見えるところ全部平ら。
どれくらい平らかって?
そう、おっさんの後頭部くらい平ら!(それ絶壁やないか)
1周約5.5kでそれを7周と半分くらい走るんだって。こりゃータイム出るわー!間違いなく出ちゃうわー!
そしていよいよスタートへ。
10時50分。
大音量で唸る音楽、MCの煽り。そんなお祭り騒ぎの中、設定タイムの早いグループから続々とスタートしていく。
おっさんは2時間55分切りを目指すF1というグループ。
何とペーサーの1人は昨年の日本選手権800mの覇者、田母神選手が務めてくれるらしい。↑↑
そしていざスタート!
走り出すとチームF1は横4、5人の綺麗な縦列へ。
おっさんはその最後尾にゆったりと、でも離れすぎることなく付くことにした。
これは大迫選手が得意とした、集団を後方から俯瞰し、ペースの乱高下の影響を最小限にし、のらりくらりと走る戦法。(うるさい)
「加持リョウジ走法」と名付けることにした。(なにそれ)
最初の1キロは4'06"で通過。
ペースは順調も全くもってフワフワした感じ。まだ全然落ち着かない。
その後も4'07"、4'06"、4'07"と完璧なペースメイク。体も動く。
途中、田母神君と「横田コーチ走るんでしょ?どう?」「いや、あの人がゴールするとは思えません。笑笑」とかそんなやり取りをしながら超楽しく進む。
さて順調に滑り出したかと思いきや、5キロで4'04"、7キロ4'02"、10キロ4'02"と時折少し速くなる。
2時間55分切りは目指すが、あくまでもサブ3(3時間切り)がマスト。
昨年の教訓から、集団のペースにどう合わせるのか?そしてその集団にいつまで付くのか?この辺りが鍵になってくると思っていた。
そして時折食らうキロ4'02"というペースは、無理に合わせてはいけないと直感的に思った。
レースはまだ序盤10キロ。
さてどうしたものか?と周りを見ると、おっさんの後ろ20mくらいにF1集団の最後尾を守ってくれるピンクのヴェイパーを履いたケツ持ちペーサーさんがいた。
じわじわとそこまで下がっていって話をする。
おつ「体感的にちょっと速いときがあるんですよね。前回無理して付いて30キロで盛大に脚が終わったんで今回は少し余裕を持って行きたいんですけど…」
ピンクヴェイパーペーサーさん「集団のペース少し速いですもんね。この位置でも10キロで既に30秒近く貯金がありますから、このままあとは4'06"〜4'08"くらいで押せば十分ですし、そのくらいで行きますよ」「てか物凄い冷静ですね。僕で良ければ力になりますよ!」
おつ「あざっす!後ろ付かせてもらいます」
と、こんなやりとりをし、以降このペーサーさんに付いて行こうと決める。
『Beyond版おっさんモンスター 君にきめた!』(分かりにくいYo)
「おっさん専用ピンクヴェイパーペーサーさんゲットだぜ!」サトシ
以降彼をPPさんと呼ぶ事にする。(Vを抜かすな。てか敬意を表せ)
さてさて、おっさんは愛人PPさんを得て、俄然やる気。(そっちじゃない)
ラブラブ。そしてそれはもうヒタヒタとPPさんの後ろに付いていく。
まさしく順調。
王様ランキングの影かおっさんか?ってくらいPPさんのすぐ後ろにポジション。
場所が場所なら警察のお世話になっても仕方がないくらい真後ろにピタッと付く。
15キロ通過。順調。何これジョグ?
20キロ通過。超順調。超余裕。今なら地球の裏側までだって走れちゃう。
もう何が有ったって離れないんだから!!
もう好きなんだからPPさん!!
その刹那、横槍が入る。
「ビクんっ!ガクッ!!」
おっさんの右のふくらはぎに異変が…
攣る一歩手前のあのいやな疼きが…
「こんにち二キー!」 (^O^)
そう、何を隠そうこのおっさん、フルマラソンになると必ず足攣りを起こす、攣り攣りマッシーン1号なのだ!
今回の事象は攣りの一歩手前の単発のビクン。
おいまじか、まだ20キロだぞ…。来るにしても早過ぎんだろ…。練習のとき、こんな早く攣りたくなったことなんかなくなくなくなくなくsay yeah!
もう狼狽狼狽、おっさん狼狽。
以降キッカリ1キロに1回、「ビクんっ!ガクッ!」という、単発ビクンを喰らい神経をすり減らすことに。
一歩間違えば攣り攣りマッシーン2号。
原因は色々あるだろうけども、曲がり角も、ましてや坂もなにもない、おっさんの後頭部みたいに真っ平らなコースが、足への筋刺激を単調にさせ、それが早期に攣りを誘発させた?とか?
おっさんの絶壁のばか!
メイなんてもう知んない!
さあ困った。
とにかく攣らせてはいけない。
攣ったら終わり、攣らせたら終わりなのだ。
まずは心を無にする。賢者タイムばりに脱け殻になる。
そう、そして俺は山奥の湖面に漂う一匹のアメンボ。
静かに手脚を動かしスッと進む。
決して波を立ててはいけない。
そう俺はアメンボ、賢者タイムのアメンボ…。
しかし、その時は容赦なく訪れる…
「よろしく二キー!」 (^O^)
足攣りis come!!
He is just come! HA-HA!!
と言う訳で、
【悲報】おっさんの足25キロで無事タヒぬ!(早い)
脚をひのきの棒のように真っ直ぐにし、その場に立ちつくすおっさん。
それに気づいたPPさん。
「大丈夫ですかーー!」と、でも止まってくれるはずはなく、すぐに遠くにいってしまった。
悲c。超悲cy。
短かった二人の逢瀬はあえなく終わりを告げ、どんどん遠くなるその背中。それを呆然と見つめることしかできなかった。
そしてオーバルトラックにぽつんと1人残され途方に暮れる足をビクンビクンさせたスキンヘッドの無精髭46歳♂会社員。(情報量)
まじ何だよ!まだ25キロやぞ!17キロ以上残ってんのに…(当たり前)
その時の絶望感たら無かった。
幸い、攣り攣りまくりマクリスティーFes.には至っておらず、5秒程で症状は収まった。
これはラッキーとばかりにやおら走り出すが、すぐに元のペースでは走れないと悟る。
それをやったら攣る。Fes.開幕。
そう、ここで無理をすると取り返しが付かない。
という訳でプランBに変更だ!
そう!プランBとは去年の失敗から、2時間55分(キロ4'08")のペースで32キロまで行けたなら、残りはキロ4'30"のペースで3時間は切れるという作戦!
とにかくペースを落とす、でも3時間は絶対切る!!というもの。
しかしまだ25キロ。プランBですらない。←コレ
急遽作戦変更が必要なのに全然計算ができない。うん、それまでの貯金が何分有るとか、でも今走ってるし、気ぃ抜けば攣りそうだし、そんなん計算してらんない。
なので攣らないギリギリのペースまで落として走り、残り10キロでの残り時間を見て考える。ガンガル。という、やっつけプランCを立案し実行することにした。
脚が攣るだけで体力的にはまだ全然元気。
その周回のスペシャルドリンクテーブルでは2.のgreenダカラ+amino vital クエン酸チャージをそれはもうチューチュー飲んでやった。(遅ない?)
ペースは4'15"〜4'18"では何とか走れた。
もう、コムレケアやらアミノ酸系ジェルやらもありったけ流し込んだ(だから遅ない?)
ふぅ、このまま、このまま何とかゴールまd…
「ただいま二キーっ!!」 (^O^)
そう、30キロで本日2回目の脚攣り大当たり。
それでもまだ持ちこたえる。
しばし悶絶したが、じきに収まってくれた。
そして少し歩いた。
色々な事が頭を巡る。
ここまで来た、ここまでやってきたんだ。
新しいシューズを買ってはママンに怒られ、ニューシューズを買ってはママンに怒られた。
諦める訳にはいかない。
諦めて3時間切れなかったら地獄。帰ったら地獄のママンの地獄の罵倒地獄が待っているんだ地獄。
意を決して走り出す。
そんな30キロのラップは4'52"掛かっていた。
これ以上止まるのはまずい。
いくら前半の貯金が有るとはいえ、立ち止まってそれを大量に放出していてはすぐに尽きる。
そう、とにかく走ろう、走り続けよう。
31キロ4'24"、32キロ4'18"。
そして32.195キロ(残り10キロ)通過。
ガーミンは2時間15分を指していた。
よし、ここまで来た。残り10キロを45分(4'30"ペース)でおっさんの勝ちだ。これは計算ができた。
その後も4'18"、4'17"、4'21"と刻み、何とか35キロ到達。
しかし周回を重ねるごとに強くなった風は、ホームストレートで容赦なくこちらに向かってくる。体感で5〜6m/sec、心情的には10m/secは吹いていたと思う。(なにその心情て)
単独走なんです。風キツイんです。涙出てきた。
あと1周と少し、あと1周と少しなのに…。
そしてここでおっさんの体力が尽きてくる。
一気に重くなる体。
つらたん。胸突き八丁。
やっとこスペシャルドリンクのテーブルにたどり着き、クエン酸をチューっと補給してからエレンばりに「うぉーー!!」っと咆哮を上げた。とにかくキツイ。声でも上げなきゃやってらんない。
しかし向かい風は容赦なく体力を奪う。
ゴールの横を通過してラスト1周。あと5.5キロ。
みんなが物凄く応援してくれる。
ありがとう、ありがとう。苦しさと有り難さと心強さと。もう全然分かんないけどまた涙が出た。泣きながら走るスキンヘッド46歳♂以下略。(ひつこい)
36キロ4'41"、37キロ4'25"、38キロ4'25"…。
38キロのとこには大きなスピーカーが有ってZARDの負けないでが大音量で流れていた。
「負けないで、ほらそこにゴールは近づいてる♪」
「負けねぇ!!けどゴール全然近づいてこねぇ!!でも絶対3時間きーる!!」
人に聞こえないようにスピーカーの真下でまた叫んだ。
39キロ4'28"、40キロ4'24と来たところで最後の向かい風の直線。
「てか風さん一段と強なってないすか?」
もうキツイ、腕も脚ももう動かないよ…。フラフラだし。
少し休もう。そう思った。
32キロから頑張ったから1分位余裕あるろ?
そんな感じでもう全然計算立たないけど、このままじゃ完走すら危うい。
なので最後のスペシャルドリンクのテーブルで思い切って少し止まって、ありったけのmoltenとクエン酸をアレした。多分20秒位止まって休んだ。
スタッフが「ラストです!頑張って!!」と声を掛けてくれた。
「っしゃ!ラスト1キロやったらぁ!!!」(また叫んでんの)
でもここまでくると、苦しいとかキツイとかを超えて走るのが「怖い」の。
キツすぎて怖い。
怖いよママン。俺走るのが怖いんだよ。
でもそんな事言おうもんならやっぱり地獄のママンなんで、覚悟を決めて脚を振り出す。
でもすぐに、
ハァハァ、ハァハァ。
やっぱ重い、体重い。苦しい。やめたい…。
あかんあかん、やめたらあかん!
もうこの繰り返し、10秒エンドレスリピート。
その時、ゴールゲートが目に飛び込む!
「まだあんなにあるのか…」←コレ
あとは去年の第98回箱根駅伝予選会の中央学院大栗原君みたいにがむしゃらに走った。
「頑張れ!ラスト!おかえり!」
色んな声が聞こえてくる。
苦しいよ、俺苦しいんだよ。
でもありがとう。見ず知らずのスキンヘッドなのに応援してくれて本当にありがとう。
やがて周回コースを外れ花道へ。
ただがむしゃらに手脚を動かした。
ありがとう。
本当にありがとうございます。
そしてゴール。
生涯最高のガッツポーズをした。
(オールスポーツさんありがとうございます)
公式タイム2時間58分54秒。
サブ3達成じゃコラ!やったったわコラ!
こうして、おっさんの闘いは終わったんだ。
サブ3を成して何か得たか?とか、何か変わったか?と言われても分からない。
ただ、
「できるまでやればできる」
by田中龍之介
それは本当だと思った。
そして、最後に
「ありがとう、全てのBeyondゲリオン」
(台無し。あと最後雑じゃない?)
おわり
乱文、長文、最後まで読んでいただきありがとうございました。