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在宅勤務を導入して〈工夫したこと〉まとめ【新型コロナウイルス対策】

今まで在宅勤務の導入をためらってきた企業や、制度はあったけどなかなか使うことができなかった人も、新型コロナウイルス対策としてこの機会に在宅勤務の導入が一気に進められていると思います。

自分の勤務先でも割と早い段階の2月下旬には在宅勤務命令が出ました。周りの評判を聞いていると、「在宅勤務の方が捗る」という声の方が多いような気もしますが、やはりオフィスから在宅に移行することで発生する課題はでてきます。

在宅勤務の3週間歴の中で、それらの課題を解決するために工夫したことをまとめてみました。結論、「在宅勤務の方が捗る」と思います。新型コロナの影響が弱まってきたとしても、週3~4日は在宅がいいな、という感覚値です。

前提:Web系開発がメインの業務
まずは前提の共有ですが、自社でプロダクトを開発していて、自分は5人程の開発チームのマネジメントをしています。また、小規模な会社のため、便利なツールとかあれば、割と自分の権限でフレキシブルに導入することができるような環境で働いています。

在宅勤務で発生する課題の分類

在宅勤務で工夫したこととしては、メンバーと物理的距離が離れてしまうチームコラボレーションの課題と、人の目がなくなることでの自制心の緩みや、会話量が減ることなどから来る孤独などの自分の精神面に関する課題、設備による制約の課題、そして給与計算の元になる業務時間管理の課題とに分かれました。

・チームコラボレーションの課題
・自分の精神面の課題
・設備による制約の課題
・給与計算のための業務時間管理の課題

#チームコラボレーションの課題

チームメンバーとオフィスが離れてしまうことによって、他のメンバーの作業が見えにくくなります。あるところでつまずいていたのに、リリースの直前で蓋を開けてみたら全く開発が終わっていなかった、ということがないようにしないといけません。

個々のタスクを全て登録してタスクの見える化

個々のメンバーが自分の1日単位の短期タスク、リリースまでの中長期タスクを意識しながら推進できるようにします。そのために、BacklogやJIRAなどのタスク管理ツールでリリースまでの自分のタスクを予定時間含めて登録してもらっています。

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タスクの大きさは6時間以下に分割

ここで気をつけているのは、タスクの大きさをなるべく1日以下(6時間以下)に分割することです。

例えば「2週間かけてこの1機能を開発します」として1つのタスクを置いてしまうと、2週間の間、この開発は遅れているのか、進んでいるのかよくわからないし、担当者も「今日ここまでやったら終わり」という目処が立ちません。

また、日々の進捗を把握する真の目的は、「誰かがサボらないか」を見張ることではなく、メンバーが自分から報連相できない黄色信号だとしても他の人が気づいて、リカバリープランを早めに立てられるようにして、チーム全体の生産性を高めることです。

そのためには、コスト(作業時間)をつぎ込み過ぎる前に、まだ成果物の価値が低い状態で問題点を見つけて、リカバリーをすることが必要です。その確認するサイクルが1日がちょうど良いぐらいです。

社内チャットで毎朝タスクの予実報告

そのために、以下のテキストを社内チャットツールにbotが朝9:00に投稿して、各自が10:00までに各メンバーがタスク管理ツールの登録を元に報告するというフローにしています。

本日の朝会での報告予定内容を10:00までに返信をお願いします。
Backlogのチケットキーをコピーして報告をお願いします。

-昨日予定していたタスクの完了状況

-本日予定しているタスク

-困っていること、共有したいこと(任意)

チャットでコミュニケーションの量を落とさない

また、これも物理的距離に影響されることですが、隣の席にいたら「すぐに声をかけて聞いちゃった方が効率が良い」ということが、気軽にコミュニケーションが取りにくくなってしまうので、コミュニケーションの量が減って、効率が悪くなるということも考えられます。

これはSlackやTeamsなどの業務用チャットツールを普段から使っていることによって、余分な定型句が入ったメール文を起こす手間や、相手の手を止めてしまう電話といった手段を使わないで、各々のタイミングで気軽にコミュニケーションが取れました。

テレビ会議では、ビデオONとこまめな相槌

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在宅勤務を進める中で、一番ネックと思われているのがテレビ会議だと思います。実際に一堂に会するミーティングの方が、確かにコミュニケーションのハードルは低いですし、途中で映像や音が途切れることもありません。視覚的、聴覚的解像度は会ってする会議の方が間違いなく高いです。

ですが、移動時間のコストを省ける恩恵の方が大きいところまで今のテレビ会議ツールは技術が進んでいると思います。社内だと全員アカウント持っているMicrosoft Teamsで、社外メンバーとの会議ではアカウントがなくてもすぐ使えるzoomを使うことが多いです。

テレビ会議をするときに気をつけていることは、音声だけでなく、なるべくビデオで繋ぐようにしています。同じ場にいないので、相手に理解してもらえてそうなのか、何か言いたげなのか、どんな表情で話しているのか、お互いに雰囲気を感じ取れることで同期が取りやすいです。表情は重要な情報の一つです。

女性の場合、在宅勤務だと化粧をあまりしていないという理由からビデオを切る人が多い印象ですが、ビデオをオンにすることでコミュニケーションが取りやすくなると思います。

また、一方がしゃべる時間が長くなると、本当に聞こえているのか、どっかで音声が途切れてしまっているのではないかと心配になるものなので、聞いている方は、こまめにうなずき声を含めた相槌で聞こえてますよアピールをすることで、一々「聞こえてますか?大丈夫ですか?」を挟まなくて良くなります。

#自分の精神面の課題

在宅勤務のもう一つの課題は、自制心との闘いです。自宅には誘惑がいっぱいです。人の目がないので、見ようと思えばテレビ見ながらでも、スマホをいじりながらでも作業ができてしまいます。

家でも必ず身なりを整えてから業務開始

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これはもう、気持ちの作り方の問題なのですが、必ず始業前にそのまま外行きもできるような身支度をするようにしています。服を着替えて、髪も整え、コンタクトもはめると、「よし、やるぞ~」という気持ちになれるのです。

意識して会議を1日ひとつ入れる

あと、自分は一人暮らしなので、オフィス勤務のときと比べると圧倒的に人との会話量と運動量が減ります。

会話量を一定量確保するためにも、毎朝15分の朝会とテレビ会議を1つ入れるなどしています。

昼はおいしいランチを求めて外に出る

また、運動不足というか、家に引きこもりっきりにならないように、オフィス勤務時代には行くことができなかった自宅周りのランチ開拓をしに出歩くようにしています。

今までは早くても夜の8時とかにしか家に帰ることがなかったので、開いてる店の多さに驚くのと同時に、こんなグルメな店がこんな近くにあったのかと嬉しい日々です。

#設備による制約の課題

捺印が必要な紙類(請求書、契約書等)はクラウドサービスへ

必ずハードルとして上がってくるのが紙ですね。ペーパレス化が進んでいても最後まで残ってくるのが、捺印が必要な紙類の請求書や契約書です。使用者やタイムスタンプの情報を含めることのできる電子印鑑などを導入してもなかなかうまく進みません。

請求書や契約書の難しいところは、自社が完全にペーパレス化を推し進めたくても、取引先が「うちのフォーマットでやってもらわないと困る」「原本を送ってもらうのが規則なので」となってしまうと従わざるを得ない状況になってしまうんですよね。

この辺を解決するためのサービスは既にあって、オンライン上で請求書のやりとりをして、必要であれば従量課金的に請求書の郵送も代行してくれるようなクラウド請求管理サービスというのがあります。有名なところで言うと、misocaマネーフォワードのクラウド請求書なんかがあります。

これの契約書版のサービスだと、CLOUDSIGNがあります。

一方が紙で管理する会社だったとしても、捺印の効力や意味合いが受け入れられて、あの朱肉につけた捺印がなくても問題ないようになってどんどんこういったクラウド管理系が受け入れられていけばいいのにな、と思っています。

電話はチャットツールでの通話機能か個人携帯に集約

社内とのコミュニケーションはもうMicrosoftのTeamsに集約しています。通話機能もあるので、電話もテレビ会議も繋ぐことも可能です。 昔は電話番号を聞いたり、それを登録するのが手間でしたが、それもなくなりました。今は他の社員の携帯番号はほとんど知らない状態です。

社外に関しては、同じプロジェクトに入ってもらっているような人にはTeamsに招待したりして、そこでコミュニケーションをとってもらっていますが、まだ一緒に働くかわからない人や開発関連でないような方はメールか、電話は嫌いですが、電話だとしても携帯に連絡をもらうようにしています。最悪折り返せばいいので。

会社という体裁上、まだまだ代表電話を設けておく必要がありますが、それがかかってくることで電話番が必要になったり、電話のコール音によって関係のないメンバーまで集中を遮断されてしまうので、電話を一次受けしてくれるような代行サービスがあります。fondeskのようなサービスだと、電話で受けた内容をTeamsやSlackに投稿してもらえます。

郵便、荷物受け取りはオフィスがある限り逃れられない

これが一番代替サービス見つからなかったです。郵便や荷物の受け取りが、オフィスに全く人がいないとなると困ります。受け先の住所を登録しておいたら、日本郵便やヤマトなどから、不在通知のようなものが電子で受け付けられて、実際に郵便や荷物を転送してくれるサービスがあると良いのですが、現時点ではあまりよい代替サービスが見つかりませんでした。

私設私書箱というのがあって、そこを会社のバーチャル住所的に使うと、管理会社が通知してくれたり、従量課金で転送してくれたりするそうですが、こうなるともう恒久的にオフィスを持たないときの対応案かなと思います。

#給与計算のための業務時間管理の課題

多くの企業はまだ基本給+残業代で従業員の給料が支払われていて、しかも所得において残業代の占める割合が多いところも少なくないのではないでしょうか。

残業時間による給与への影響度を下げる

うちの会社では、在宅勤務になると、業務時間の計算が見なし時間になります。実際に時間管理しきれない、というのが会社の言い分です。その見なし業務時間は、基本は定時勤務を前提として見なされるので、給料へのインパクトが大きいです。

だからといって、会社のモバイルPCのログをとって稼働時間を算出してもらって時間単位計算して欲しいって訳でもないです。

給料の構成として、時間単位計算の残業代の占める割合を少なくし、成果物主義に切り替えるしかないのかなと思っています。売上主義になると、担当領域によってはそこの変数を自分でいじれないでしょ、ってことは必ず発生してきますが、成果物のない仕事など仕事ではないと思うので、その質とボリューム、インパクトで計算していくしかないのでしょうね。

「担当業務が違うから公平に評価しきれない」というのはいつまでも言われ続けることだとは思いますが、高付加価値を生み出してる従業員が納得、満足できる評価制度を作らないとその人達が会社から逃げていくだけなので、フォーカスすべきは公平であることではなく、高付加価値を生み出す社員の満足であるべきだと思います。

在宅勤務での〈工夫したこと〉まとめ

・チームコラボレーションの課題
 └ 個々のタスクを全て登録してタスクの見える化
 └ タスクの大きさは6時間以下に分割
 └ 社内チャットで毎朝タスクの予実報告
 └ チャットでコミュニケーションの量を落とさない
 └ テレビ会議では、ビデオONとこまめな相槌

・自分の精神面の課題
 └ 家でも必ず身なりを整えてから業務開始
 └ 意識して会議を1日ひとつ入れる
 └ 昼はおいしいランチを求めて外に出る

・設備による制約の課題
 └ 捺印が必要な紙類(請求書、契約書等)はクラウドサービスへ
 └ 電話はチャットツールでの通話機能か個人携帯に集約
 └ 郵便、荷物受け取りはオフィスがある限り逃れられない

・給与計算のための業務時間管理の課題
 └ 残業時間による給与への影響度を下げる

在宅勤務を初めて3週間で以上のことを工夫してきましたが、まだまだ解決しきれているわけではないので、これからも自分たちにあった、生産性をあげて満足度の高いベストプラクティスを探していきたいと思います。


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