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ケトルベルスポーツの2022〜23年を振り返る
あけましておめでとうございます!読者の皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします!
2022年は世界的に大きな変化がたくさん起こった年でした。ケトルベルスポーツの世界でも同様にたくさんの変化がありました。そんなケトルベルスポーツの2022〜2023年の変化を振り返ってみましょう!
インド・デリーで初のワールドチャンピオンシップ開催!
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まず2022年のワールドチャンピオンシップの開催地はロシアのサンクトペテルブルクとなっておりましたが、昨今のロシア・ウクライナ情勢を理由に開催地がインドのデリーへと変更されました。
デリーは2019年のアジアチャンピオンの開催地でもあります。僅か3年の間にワールドチャンピオンシップとアジアチャンピオンシップが2度開催されるとはすごいですね。
2019年のアジアチャンピオンシップの時は、インドの選手はお世辞にも成熟していたとは言えず、ロングサイクルのフォームもクリーン&プレスになっていたり、ケトルベルを持たない手が体に触れてしまうファールなども多く見受けられました。しかし、それも「ケトルベルスポーツ新興国だから」といった感じでファールも取らない"甘い"ジャッジでした。またケトルベルの重さも男性で12kg、女性で8kgという、まさに"初心者のための催し物"という雰囲気が強かったです。
しかし今年2022年の大会では、インドの選手は皆、厳格なルールに則り競技を行い、また選手の皆様は本当に素晴らしい試技をされていました。特に後述のサムラット・センはプロクラスでワールドチャンピオンシップに挑む快挙を成し遂げました!今後もインドの躍進に目が離せません!
サムラット・センがプロクラスで銀メダルを獲得
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サムラット・セン(インド)が2022年のワールドチャンピオンシップにおいて、ジャークのプロクラスで銀メダルを獲得しました!おそらくインド勢で初のプロクラスでの出場、そして初のメダル獲得です!インドのケトルベルスポーツを牽引する彼の活躍に今後も目が離せません!
シッダールス・サルポダルがバイアスロンで優勝
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シッダールス・サルポダル(インド)がバイアスロン(アマチュアクラス、ベテランクラス40〜49歳)で金メダルを獲得しました!ワールドチャンピオンシップでの金メダル獲得はインド初のことです!すごいですね!ベテランクラスの選手層も厚いインドから今後も目が離せません!
イワン・マルコフ、ジャークの世界新記録を達成
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言わずと知れたジャーク、スナッチの世界記録保持者であるイワン・マルコフ(ロシア)がこの年のワールドチャンピオンシップでなんと181回という世界新記録を達成しました!600秒という競技時間の中でなんと181回。平均すると約3.3秒に1回ジャークを行なっていることになります。本当にとんでもない大記録ですね!
イワン・マルコフ、スナッチの世界新記録を達成
イワン・マルコフはこの年、スナッチでも同じく世界記録を達成しました。なんと回数は236回!平均すると約2.5秒に1回のペースです!しかもこの記録はバイアスロン種目の中のスナッチでの記録です。この記録を出す前にジャーク(169回)を10分間行った後の疲労している中での記録です。2023年にはスナッチの単独種目が新たに正式種目となります。もし仮に彼がこの単独種目を行った場合、236回という記録を更に上回ることはほぼ間違いないでしょう!毎年のように記録を更新する彼ですが、ますます目が離せなくなりますね!
バルバコワ・アレクサンドラ、ロングサイクルの世界新記録を達成
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バルバコワ・アレクサンドラ(ロシア)がこの年の11月に開催された独立国家共同体大会でロングサイクル70回の世界新記録を達成しました!女子選手でロングサイクル70回を達成したのはおそらく彼女が4人目ですが、驚くのはなんと彼女の年齢。彼女はなんと18歳なのです!競技歴もそこまで長くないはずなのにすごいですよね。年齢を考慮しても彼女が更なる世界新記録を達成するのは間違いないでしょう!これから益々楽しみになりますね!
パク・スンミン、ヨーロッパチャンピオンシップで銀メダル獲得
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パク・スンミン(韓国)が12月に開催されたヨーロッパチャンピオンシップでバイアスロン(アマチュアクラス)で銀メダルを獲得しました!これは韓国はおろかアジア勢で初の大偉業です。彼は今日の韓国ケトルベルスポーツ界を牽引する存在です。今後も彼の躍進から目が離せません!
2023年、バイアスロンが無くなる!?
2023年のレギュレーションが発表されました。競技種目一覧にはバイアスロンの文字はなく新たにオールアラウンドの文字が。またこの他にも男子のジャーク、スナッチのそれぞれの単独種目、そして女子のジャークの単独種目が新たに創設されるようです。
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2022年のレギュレーションではバイアスロンの欄に「2022年は移行期間で、この年だけ開催します」といったような旨の記載がありましたが、どうやら2023年から本当にバイアスロンがなくなるようです。ただ2022年にはこの他にも様々な変更やルールの変更の検討がされては元のルールに戻ったりというようなことがたくさん起こったので、2024年以降またバイアスロンが復活ということも大いに考えられます。個人的にはバイアスロンはスナッチでの大逆転劇などが見れてとても観戦していて面白かったので無くなるのは惜しいと思います。
2023年、ウズベキスタン・サマルカンドでワールドチャンピオンシップ開催
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2023年のワールドチャンピオンシップの開催地がウズベキスタンのサマルカンドに決定しました。おそらくこの地での開催は初です。
2023年、台湾・新北でアジアオープンカップ開催
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2023年8月に、台湾で初のアジアオープンカップが開催されます。おそらくIUKLが台湾で大会を開催するのも初めてのことだと思いますし、またアジアチャンピオンシップではなくアジアオープンカップという大会自体が初の開催だと思います。まだレギュレーションが発表されていませんが、おそらく初心者でも参加しやすいようなレギュレーションに改定されてい?のではないかと筆者は考察しております!
初のダブルハーフスナッチ、クリーン&プレス種目の開催
今まで公式競技種目ではなかったダブルハーフスナッチとクリーン&プレスの公式種目が、この年の独立国家共同体大会で初めて公式開催されました。今回はおそらく試験的な開催だと思われますが、今後ワールドチャンピオンシップの正式種目となる確率はかなり高いと思われます!
こちらの記事は以上となります。2022年はとても変革の多い年でした。おそらく2023年は、その変革を試験する年になると思います。選手目線から見ればとても大変な年に見えると思いますが、逆に考えれば変化の瞬間に立ち会うことのできる貴重な一年になると思います!トライアスロンもといオールアラウンドももしかしたら今年が最後の開催になるかもしれません。また日本人選手からしたらその最後のメダルを台湾もしくはウズベキスタンというアジア国で獲得できる最後のチャンスかもしれません!是非、日本の皆様にはメダル獲得を目指して今後頑張って頂けたら幸いと思う所存であります!
最後に結びにはなりますが、今後の日本のケトルベルスポーツの発展を祈念したいと思います!今後ともよろしくお願いいたします!