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Bay City Rollersが僕にくれたもの

小学4年生のとき、友達の家でお姉さんのものだというBay City Rollersのレコードを聴いた。
胸が震えた。

レコードを買ってもらって、何度も聴いた。
歌詞を聞き取っては父にもらった大学ノートに、カタカナで書きつけた。
自分で歌いたくて外に出て大声で歌った。
ちっとも恥ずかしくなんてなかった。
胸はもっと大きく震えていた。

僕は今もあの時の胸の震えを探して音楽を聴き続けているのだと思う。

はじめて買ってもらったレコードはBay City Rollersの二枚のアルバムだった。
その時点での最新アルバム「青春に捧げるメロディー」とベスト盤である「ニュー・ベスト」の二枚。

この「青春に捧げるメロディー」というアルバムは本当に素晴らしかった。
名プロデューサー、ジミー・イエナーの仕掛けたポップの宝箱だ。

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一曲目がエリック・カルメンの在籍したラズベリーズの永遠の名曲「レッツ・プリテンド」。
そしてダスティ・スプリングフィールドのヒット曲「二人だけのデート」。
ビーチ・ボーイズのポップなラブソング「ドント・ウォリー・ベイビー」。

そしてオリジナル曲もなかなかいい。
「ロックン・ローラー」「イエスタデイズ・ヒーロー」の2曲をお聴きいただければ、このバンドのイメージがずいぶん変わるだろう。

実は僕も武道館でのコンサート映像を見て、「演奏してねえじゃん」と思ったものだが、2010年頃ふとしたことで知り合ったBCRファンから新潟公演をこっそり録音したテープを聴かせていただいて、かなり演奏力の高いバンドであったことを自分の耳で確認した。

僕はその素晴らしい歌をどうしても自分で歌ってみたくて、歌詞カードにレコードから聴き取った発音をカタカナで書き込んで英語で歌う練習をしたのだった。
歌うとますますその歌が好きになった。

学校の休み時間にもずっと歌を歌っていた。
街を歩いているときも。

小学校の遠足のバスで目的地につくまで歌合戦をしようということになった時も真っ先に手を上げてツイストの「燃えろいい女」を歌った。担任の先生が審査員のその歌合戦で僕は優勝して、賞品に500円の図書券をもらったのだ。
今思えばその図書券は先生の自腹だったのだろうなあ。

その担任の先生も2012年に亡くなってしまった。
遺品を整理していたら、「お葬式にかけて欲しい音楽」というメモがでてきて、さだまさしの「雨宿り」が僕の名前とともに書かれていたとお嬢さんから聞いた。
コミカルなのにじーんとくる名曲で、当時よく校庭で歌っていたお気に入りのレパートリーだ。
そんなことまで憶えていてくださったのかと思うと今でも涙が出てくる。

Bay City Rollersがくれた胸の震えと共に生きてきた。
その道のりを記していきます。よろしくお付き合いください。




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