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11種のハーブ酒

 私の子供にはジブリ映画(イタリア語版)ばかりを見せているのだけれども、一番好きなのはどうも「魔女の宅急便」続いて「紅の豚」「崖の上のポニョ」。一番楽しそうなのはダントツ「魔女の宅急便」。もう始まった途端、あの緑いっぱいの草原でキキが頭の後ろに手を組んで座っているところから、表情が晴れる。そしてキキが実家から飛び立って、ユーミンが歌う「ルージュの伝言」が流れる出すと満面の笑顔で見始める。小さい体をリズムにのせながら。

 私の知人のイタリア人は結構の確率で

「キキの街は絶対イタリアのどこかを舞台にしている!」

と強く言い張る。実際にはいろいろな国を混ぜて作った想像上の街のようだが、「宮崎駿はイタリアが好きだから」と主張するイタリア人は私のまわりには多い。

 「日本はどこに行っても宅急便が送れるようになっていて、この感覚がイタリアでは信じられない」

と夫はこの映画を見るといつもいう。宅急便がパン屋さんで頼めるという設定のことである。つまり酒屋さんで買ったら宅急便のサービスがついている、というものではなく、日本だとコンビニやお米屋さんなど、そのお店の製品と関係ないものの配達を持ち込みで委託できるシステムがすごいというのだ。確かにそう。日本はとにかく宅配システムが便利だから、コロナ下もイタリアほど苦労しなかったと思う。イタリアでは宅配サービスも1週間待ちとか、よくわからないことを言っていた。

 あと、イタリアのお土産屋さんなどにいくとかなり頻繁に「Gatto nero」のマークを見ることができる。黒猫の宅配業者はいかにも日本的痒いところに手が届くサービスを世界にも徹底していて行っている。彼らは映画「魔女の宅急便」のスポンサーにもなっているから、ジブリも面白いところに目をつけたものだ。

 息子が大笑いするのは、トンボがキキと自転車で飛ぶシーン。落ちるまで終始大爆笑である。子供のツボが良くわからない時が多いけれど、こういう時は何故かこっちまで可笑しくて笑ってしまう。

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 とにかく息子が大好きなシーンは、全部キキが飛んでいるシーン。本当に目を輝かせて見ている。なぜだろう、人間はこうして飛ぶことに憧れを持っていくのだろうか。宮崎駿の空への憧れが、映像を通して子供にも伝わっているのかもしれない。これは、魔女の宅急便の原作では味わえないポイントである。理由なき空への憧れ。

 ところで私が大好きなのはキキの実家。キキのお母さんのコキリさんが色とりどりの魔法の薬を作っているところなんて子供ながらに憧れていた。それにトトロの栖とか、ナウシカの地下の秘密の部屋とか、私はこういう緑でくまなく覆われているところに不思議と憧れを抱いている。

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 先日家に生えているハーブを10種もぎとって、90%のアルコールに漬けてリキュールを作ったら、こんなにいろんなハーブが雑多に入っているにも関わらず、意外や意外、鮮やかな緑色になって驚いた。なんだか、コキリさんになった気持ちになって久しぶりのわくわく感を味わえたのである。子供はこういうワクワクが普段からたくさん湧き出ているのだろうか。羨ましい限りである。大人でもいつもワクワクできる人になりたい。

◉Ricetta

Liquore delle 11 erbe

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<材料>

・ミント

・セイジ

・ローリエ

・フェンネル

・バジル

・イタリアンパセリ

・オレガノ

・カモミール

・レモンの葉

・ローズマリー

・チャイブ

・スピリタス 500ml

・シナモン 1本

・アニキス 3つ

・クローブ 10こ

・砂糖  500g

・お湯 500g

<作り方>

1.  スピリタスにハーブとシナモンをすべて漬けて3日おく

2. シロップをお湯とお砂糖を混ぜて作る

3. 冷めたら1に混ぜまた1週間おくとできあがり!

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消化にいいので、食後にどうぞ!Buon appetito!

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