01/24🇪🇺PMI

2025年1月24日 23:49

S&P Globalレポート📰

生産と需要

調査によると、2025年初月のユーロ圏の民間企業活動は再び上昇した。しかし需要の低迷が続く中、拡大率はわずかなものにとどまった。活動の改善の兆しは、ほぼ雇用の安定化につながった。一方、投入コストは急上昇し、インフレ率は21ヵ月ぶりの高水準を記録した。それに伴い、企業の販売価格も急ピッチで上昇した。

PMI総合は通常調査の約85％の回答に基づいてS&Pグローバルが集計したもので、1月に再び50.0を上回り、ユーロ圏の企業活動が2024年8月以来初めて上昇したことを示した。しかし同指数は50.2と、12月の49.6からわずかに上昇しただけで、民間部門の生産高のわずかな増加を示唆した。

製造業とサービス業を見ると、活動の全体的な拡大はサービス業が中心であった。1月のサービス業は2ヵ月連続で増加したが、その程度は小幅で、12月より若干低下した。一方、製造業の生産は引き続き減少した。縮小率は引き続き堅調であったが、昨年5月以来の低水準に緩和された。

ユーロ圏の主要経済国では改善の兆しが見られ、ドイツの企業活動は年明けに安定し、6ヶ月続いた減少に終止符が打たれた。フランスでは依然として縮小が続いているが、そのペースは2024年9月以来最も緩やかになった。ユーロ圏のその他の地域は、引き続き2大経済圏(ドイツとフランス)を上回り、生産高はさらに緩やかに拡大し、13カ月連続で増加した。とはいえ成長ペースは12月と比べると鈍化した。

ユーロ圏全体の生産高の回復ペースを制限しているのは、需要の低迷が続いていることである。新規受注は8ヵ月連続で減少したが、その程度は2024年8月以来最も緩やかな水準だった。生産と同様に、新規注文の増加はサービス業によるものであり、製造業の減少を相殺しました。

新規受注を確保するための努力は、国際市場における需要の低迷によって引き続き妨げられた。新規輸出受注（ユーロ圏内貿易を含む）はほぼ3年間、月次ベースで継続的に減少しており、減少率は6ヵ月ぶりの低水準まで緩和したものの、1月も引き続き堅調であった。国際新規受注は両部門とも減少した。

雇用

企業活動の改善の兆しにより、年初には雇用水準がほぼ安定化した。雇用者数は6ヵ月連続で減少したが、その減少幅はわずかだった。サービス部門の雇用者数がこの6ヵ月で最も急速に増加したことは、製造業の雇用者数の著しい減少を打ち消すのにほぼ十分であった。ドイツとフランスでは雇用がさらに減少したが、その他のユーロ圏では雇用創出が続いた。
2023年4月以降毎月のように見られたように、1月も受注残が減少した。企業は堅調なペースで受注残高を減少させたが、減少率は8ヵ月ぶりの低水準まで緩和した。

物価

1月は投入コストの急激かつ加速した上昇が記録されました。インフレ率は4ヵ月連続で急上昇し、2023年4月以来の急騰となった。また投入価格の上昇幅は調査期間全体の平均を上回る速さだった。

製造業の投入コストは5カ月ぶりに上昇に転じたものの、インフレ率はサービス業に比べると大幅に低い水準にとどまりました。特にサービス業における投入コストの上昇は過去9カ月で最も顕著なものでした。

コスト負担の増加が顧客に転嫁されたことで、年初の生産価格はさらに上昇した。ここでもインフレのペースは12月から加速し、5ヵ月ぶりの高水準となった。

ドイツでは、2024年2月以来最速の上昇ペースとなり、生産価格のインフレ率を主導しました。ユーロ圏全体でも生産価格の上昇ペースは加速しましたが、フランスでは販売価格がほぼ4年ぶりに初めて低下した。

在庫とサプライチェーン

製造業の業況悪化は、購買活動と在庫に関するデータにも反映された。企業は、昨年5月以来最も顕著ではないものの、投入資材の購入を31ヵ月連続で削減した。また、1月は仕入れ在庫と完成品在庫の両方が減少した。一方、サプライヤーの納期は引き続きわずかに長くなっている。

製造業のビジネス環境が悪化し続けていることは、購買活動や在庫に関するデータにも反映されていた。企業は31カ月連続で原材料の購入(投入資材の購入)を削減しましたが、その削減幅は昨年5月以来最も小さいものだった。

1月は仕入れ在庫と完成品在庫の両方が減少した。一方、サプライヤーの納期はわずかに延長し続けた。

見通し

ドイツの景況感は急上昇したが、フランス企業の景況感はプラス圏内にとどまった。ユーロ圏の他の地域では、強い楽観的な見方が示された。

2025年初頭のビジネスの信頼感(景況感)は概ね安定しており、企業は今後1年間で生産量が増加することに楽観的な見方を維持している。ただし、信頼感は調査期間全体の平均と比べると依然として弱い水準にとどまっています。

セクターごとに対照的な傾向が見られ、製造業の楽観度は7カ月ぶりの高水準に強化された一方、サービス業の信頼感は低下しました。

ドイツでは信頼感が大幅に上昇した一方、フランスの企業の信頼感はかろうじてプラス圏内にとどまりました。強い楽観的な見方が示された。

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/0268dc695f3545b19ae077ade020c5ab

ロイター📰英語版

ユーロ圏のビジネス活動、年初に緩やかに成長を再開 – PMI調査

要約

ドイツの民間部門は安定化、フランスのサービス業はさらに縮小
ユーロ圏の製造業の低迷は緩和し、PMIは45.1から46.1に上昇
政治的不安定や貿易戦争の脅威を背景にECBは利下げの可能性

ロンドン、1月24日（ロイター） - ユーロ圏のビジネス活動は年初に緩やかに成長を再開しました。1月のサービス業の安定した活動が、長引いていた製造業の低迷緩和によって補われた結果です。調査によると総合PMI は、12月の49.6から1月には50.2に上昇し、成長と収縮を分ける50をわずかに上回りました。

ロイターの調査では、49.7への小幅な上昇が予測されていました。

「ユーロ圏の総合PMIは50.2に改善し、12月の上昇に続いています。これにより、ユーロ圏の経済回復がついにスピードを増す可能性が示されています」とオックスフォード・エコノミクスのレオ・バランクー氏は述べました。

ドイツとフランスの対照的な動き

回復は地域によってばらつきがありました。ドイツでは民間部門の活動が1月に安定化し、6カ月間続いた収縮が終わりましたが、フランスではサービス業が弱い需要と政治的不確実性に直面し、さらに縮小しました。

一方、EUを離脱した英国では、2025年初頭に低調な成長がわずかに回復したものの、雇用と楽観度は再び低下し、力強い拡大や雇用市場の改善が見られない状況と一致しました。

成長の浮き沈み

ユーロ圏の主要なサービス業を測定する指数は51.6から51.4にわずかに低下しましたが、50の閾値を上回り、ロイターの予測値(51.5)に近い水準にとどまりました。一方で、大きな反発がすぐに起こることを示唆するような動きは見られず、新規受注の増加は控えめな状態が続いています。新規ビジネス指数は50.2から50.7に上昇しました。

木曜日に発表された公式データでは、消費者信頼感が今月改善したことが示されています。

製造業活動の低迷は2022年半ばから始まりましたが、1月には低迷が緩和され、見出しPMIは12月の45.1から46.1に急上昇しました。ロイターの調査では45.3への緩やかな上昇が予測されていました。生産指数(総合PMIに反映)は50未満のままでしたが、44.3から46.8に急上昇し、8カ月ぶりの高水準となりました。

製造業者は原材料コストの上昇に直面しましたが、請求価格は安定を維持しました。投入価格指数は50.0から51.6に上昇し、5カ月ぶりの高水準となりました。

インフレと金利の見通し

ユーロ圏のインフレ率は12月に2.4%と、欧州中央銀行（ECB）の目標である2.0%を上回りましたが、ECBは先月4回目の利下げを実施し、追加緩和の可能性を残しました。ECBは、国内の政治的不安定や米国の貿易戦争の脅威により引き下げが必要であると考えています。

ECBは木曜日に利下げをほぼ確約しており、政策立案者たちはさらなる利下げを支持しています。一方、FRBは1月29日に金利を据え置き、3月に再び利下げを再開すると、ロイター調査の経済学者の過半数が予測しています。

他の主要中央銀行とは対照的に、BOJは金曜日に金利を引き上げ、2008年の金融危機以来の最高水準にしました。

雇用の動向と貿易摩擦の影響

企業が活動の大きな拡大をすぐに見込んでいないことを示すように、1月には人員削減が続きましたが、その規模はわずかでした。総合雇用指数は49.2から49.8に上昇し、50の閾値に近づきました。

さらに見通しを複雑にする要因として、月曜日にホワイトハウスに戻ったドナルド・トランプ米大統領が、欧州連合(EU)からの輸入品に関税を課すと宣言したことが挙げられます。

https://www.reuters.com/markets/europe/euro-zone-businesses-start-2025-with-modest-return-growth-pmi-shows-2025-01-24/

ロイター📰日本語版

ユーロ圏総合ＰＭＩ、1月は予想外に50超え　製造業縮小ペース鈍化

[ロンドン 24日ロイター] - Ｓ＆Ｐグローバルがまとめた1月のユーロ総合ＰＭＩ速報値は50.2と、2024年12月の49.6から上昇し、好不況の分かれ目となる50を小幅に上回った。

サービス部門が安定する中、製造業の縮小ペースが和らいだ。

ロイター調査では49.7と見込まれていた。

サービス業ＰＭＩは51.6から51.4に低下したものの、引き続き50を上回った。市場予想は51.5だった。

新規ビジネス指数は50.2から50.7に上昇した。

製造部門PMIは45.1から46.1に上昇。市場予想(45.3)以上に上向いた。

生産指数は依然として50を下回っているものの、44.3から46.8に急上昇し、8カ月ぶりの高水準となった。

製造業は原材料のコスト上昇に直面したが、販売価格は安定的に推移。投入価格指数は50.0から51.6へと5カ月ぶりの高水準に上昇した。

総合雇用指数は49.2から49.8に上昇。企業は小幅ながら人員削減を進めた。