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「一歩引く文化・謙遜する文化」
私はこのnoteでも度々外国人の友人が多いことを書かせて貰っているが、外国人と接する機会が多くなってから私が個人的に思う日本人の特徴として、「一歩引く文化・謙遜する文化」がすごく根付いているように思う。
言葉だけ聞くと納得する方も多くいるかもしれないが、これを言語化するとなると感覚的なものなので説明が難しいが、「大きく目立つ存在になる事を進んで望む人が少ない(拒否感を示す)、自分ができない事にチャレンジすることが嫌・恥ずかしいと思う人が多く、周囲と同じ存在になることを求める傾向にあるな」と感じる。
これは日本国民の行動を見るとわかりやすい。
最近韓国では戒厳令が起きたことによって、街中ではデモ活動が活発になっている。韓国に住んでいる韓国人の友達に「戒厳令が起きて大変って聞いたけど大丈夫?」と聞いた所、「特別街の雰囲気が違うわけではないけど・・」という文言と共に面白い動画が送られてきた。
これは釜山の”ソミョン”という弘大と似たような街に大学生がたくさん集まってデモをしている所らしい。
私がこの動画を見て驚いたのは「イメージしていたデモとは違う」ということ。バックで流れている歌もそうだが、ライブ会場で使うようなライトを持っていたり、デモのプラカードのデザインも可愛い感じだったり、「若者独自のデモ」が韓国で行なわれている現実をここで知ったのだった。
海外の友達を多く持つ事でネットで知る事はできない様々な現実を知る事が出来るのでやはり世界中に友達を持つ事は大切だなと感じるだけでなく、世界には「こうで無ければならない」という形を変えて行動に起こす若者が多くいる事実を理解したのだった。
日本では国民民主党による「103万円の壁」が話題となっているが、世界的に見ても税金が高く、インフレの影響を受けて物価高が継続中、経済的に見て社会主義国家である日本において、生活苦の声が非常に多いのにも関わらず「デモを起こそう」という動きは1ミリも見られない。
実際には103万円の壁における減税議論は時間がかかりそうな動きが見られる一方で、106万円の壁という実質的に国民負担増となる政策はすんなりと決定されている。この税金問題を理解している、ましてやこのような話題があること自体を知っている人々が日本にどれほどいるのかは知らないが、せいぜい起きている動きはSNS上でつぶやくか、友人知人と愚痴を言い合っているようなものだろう。
少し話がそれたが、私がここで言いたかったのは「日本人の特徴として、「一歩引く文化・謙遜する文化」がすごく根付いている」ということがこのような点からも言えるのではないか?ということだ。
「行動するにもそのやり方がわからない」「戦争が無く平和だからこそそのような動きは起きない」など理由はいくつもあるだろうが、この「一歩引く文化・謙遜する文化」は世界的に見ても「日本人が持つ1つの文化」として言えるのではないかと思う。
この文化、集団・組織で行動せざるを得ない場合であれば、「一つにまとまりが強くなる、すなわちより色が濃いものになる」というメリットがあるだろう。東日本大震災における日本人の対応が世界から尊敬されるように「良い方向」で働くならば最高だ。
一方で、「そうせざるを得ない場合でなければ「良さ」が光らない」とも言えるだろう。これは個人的に「良い意味でも悪い意味でも絶対的なリーダー」というか「大きな影響を与えられる人」が育ちにくい環境があると考えている。世間一般的に言われる「個性的・みんなと違う」人々に対して偏見の目がすごく強いということだ。
私が尊敬するエコノミスト・グローバルストラテジストにエミンユルマズという方がいるのだが、彼がXで一般人のつぶやきに対して面白い返答をしていた。それは「日本でクーデターが起きても倒すべき銅像が無い。これは困った。」というツイートに対するもの。
返答としては、「確かに。でもこれは昔から日本の良さだ。大戦の時であってもドイツとイタリアは絶対権力を持っている独裁者がいたが、日本はそれに相当する人はいない」としていた。
結局のところ、日本人が持つ「一歩引く文化・謙遜する文化」は可視化できないというか簡単に言語化できるものではないのだろう。
私としては、良い点よりも悪い点のほうがより明確に可視化できるからこそより問題視できるのではないかと感じた。
歴史を見ても外部的な影響を受けて初めて変化が起こる国だったことを踏まえても、国民の私達としては個人でどうにかして行動するしかないような気もする。日本人が持つ「一歩引く文化・謙遜する文化」が多方面に与える影響を鑑みた上で私達が取捨選択をしていくことこそ、ポジティブな結果を引き寄せていくとも捉えられるのではないだろうか。
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