カート
あの子の姿を追いかけていたら随分遠くまで来てしまった。ここにはカート集めのおじさんも、児童基金の募金を募るアルバイトの学生もいない。冷たい牛乳の匂いもしないし、焼きたてパンの香りもしてこない。ずいぶん遠くまで来てしまった。
けれどここまで来る間の高揚感は今まで決して感じたことのないものだった。一生懸命体をゆすりながら、少しずつ少しずつこんなところまでたどり着いた。
あの子の姿を追いかけていたら随分遠くまで来てしまった。ここにはカート集めのおじさんも、児童基金の募金を募るアルバイトの学生もいない。冷たい牛乳の匂いもしないし、焼きたてパンの香りもしてこない。ずいぶん遠くまで来てしまった。
けれどここまで来る間の高揚感は今まで決して感じたことのないものだった。一生懸命体をゆすりながら、少しずつ少しずつこんなところまでたどり着いた。