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年々駄目な人間になっていると思う。どこが駄目なのかというのがなかなか難しいが体調にしかり…
浮遊霊を始めて半年が過ぎた。街はクリスマスに彩られている。 イケメンは撮影の仕事が重なっ…
赤黒く照らされた鍾乳洞に流れる川の上を小さな舟に揺られている。 あぁ、ここはなんか来たこ…
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姉が身請されてからもう五年が経とうとしている。商家の年末は忙しい。その間、旦那さんは暫く…
その朝は凍てつく寒さだった。 花街の朝は存外に早い。煎餅布団から抜け出した私はあさげの支…
ほんのり甘い粉の匂いのするおしろいを塗って眉を引いて紅をさす。 襖から顔を覗かせた僕の姿は鏡台に座る姉からは見えているはずだ。それでも表情を崩すことなく、黙々と化粧を施していく、化けていく。体が折れてしまいそうに細い事は開かれた後襟の首でわかる。だけど本当はねぇねが家の中で一番強い事を僕は知っていた。 時折背後から聞こえてくる父様の呻き声。