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タイムリープ
『時をかける少女』という映画を見て、私が体験したのはもしかしたらタイムリープというものなのか?と思う経験が2つある。
1つ目は、高校の時。
4人で登校していて、だいたい毎日二人ずつ前後に分かれて歩いていた。
その日わたしは後ろ側にいて、前を歩く二人と途中からかなり距離の差が出た。
でもまあ、行くとこは一緒だからと気にせずに私達はマイペースに歩いた。
広くもない道で、お決まりのルートを歩く。
校舎に入り教室のある三階に上がりきると、とっくに到着してるはずであろう前の二人が階段を下から上がって来ていた。
『あれ?!』
4人とも顔を合わせてびっくりした。
前の二人が『いつの間に抜かしたん?』と言った。
私達は『いやいや、抜かしてないよ』と、絶対ふざけてると思って『途中で隠れとったんじゃろ~?』と前を歩いていた二人に言った。
だけど前の二人は『隠れてないよ!普通に歩いてたよ!』と言い張った。
全員がキツネにつままれたような顔になっていたので、謎のまま終わったのだった。
2回目のタイムリープらしきものは、人生で一番感謝している。
仕事場に自転車で通勤していた時のこと。
大通りに面した細い歩道で、人もわりとごちゃついてる道を通っていた。
自転車が2台すれ違えるくらいの道。
右手は飲食店や色んな店が立ち並び、左手は道路に面して植木が続いている。
わたしはその日、遅刻しそうだったので結構なスピードを出して自転車で走ってしまっていた。
右手に文房具屋さんが見えて来た時の事だった。
左手に止まっていた数台の自転車の陰から小さな女の子が文房具屋さんに入って行こうと駆け出す姿が見えた。
わたしはその女の子に全く気づいてなかったので、女の子に気づいたのは私の自転車が差し掛かるのと同じタイミングで一瞬だった。
スピードが出ていなくてもぶつかるタイミング。
ましてやスピードが出ている状態で思い切りぶつかることになるのを一瞬で察して私は、
『うああああ‼️』
と、絶叫した。
人生終わったと思った。
だって避けようがない、確実に女の子を轢いてしまうタイミングだったから。
女の子を殺してしまったかもしれない…………。
私は震えながら振り向いた。
すると、そこには最初に見た『女の子が文房具屋さんに駆け出していく姿』が見えた。
え………?
呆然とした。
誰も私を見ていない。
女の子の表情から、自転車がぶつかりそうになったけどギリギリ避けたという感じもなかった。
そんな瞬発力があるような年齢の女の子でもない。3歳くらいの小さな小さな女の子だ。
子供は周りを確認せずに盲目的な行動をする。
その子も文房具屋にいるであろう母親しか目に入っていない表情で周りを見ずに駆け出していたのを私は最初見たが、
振り向いた時も全く同じ表情で、同じ動作で、文房具屋に入って行ったのだった。
巻き戻しでコマを見たようだった。
私は冷や汗と、漠上がりの脈を持て余しながら『ど、どうなったんだ…』と立ち尽くした。
でも、とにかく女の子を轢いてなくて良かったと、失禁するくらい安心したのだった………。
しばらく私は顔面蒼白だったと思う。
本当に救われた。
私も女の子も両方。
お互いの守護霊が全力で守ってくれたのかもしれない。
とにかくあの瞬間の事を思い出すと、今だに肝が縮むし、何事もなくて良かったと心底思う。