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ミケネコ探偵時代🕵️♂️京都不倫旅行編🛕
※探偵の時のエピソードは個人を特定されないよう、話の本筋に影響しない情報は変更して書いております。ご理解下さい
少し昔話をしたい。
今日はミケネコの探偵時代を話してみる。
京都の不倫旅行についてだ。
その時勤めていた探偵会社が倒産の危機にあり、調査員が自分とリーダーだけを残して全員解雇という結論にいたり、しかも辞める調査員の給料が払えないかもしれないという事態に陥った。
探偵業界はお金になる依頼とそうでない依頼の差がでかい。1番金になるのは不倫案件だ。離婚の慰謝料を想定した予算の組み方ができるからである。しかし、そういうでかい案件はなかなか会社には入ってこず経営難に陥っていた。
そんな時に久しぶりに入った不倫確定の案件だった。朝5時から調査スタート。前日から現場に行き、調査対象(依頼者の旦那さん)が家を出るタイミングを逃さないようカメラを仕掛けておく。
辞める調査員の給料がかかっている。失敗は許されない。
朝6時 対象が徒歩で家を出る
車の移動を後輩に任せ、自分が徒歩で尾行を開始。対象は電車を使い、目的と思われる駅へ到着する。
新幹線を使うようだ、後輩に連絡し2人で対象を追いかけ共に新幹線に無事乗車。これで一息つける。
社長からお金になる案件だし、みんなの給料がかかってるから失敗しないように気をつけてとの注意喚起がくる。もちろん、承知している。
必ず証拠を撮ってみせると気合を入れなおす
しばらくして対象が荷物をもち立ち上がる。
降りるのだな、そう思いこちらも立ち上がる。
ドアが開き降りる間際、対象が出口付近の喫煙室へ入る。
喫煙室近くで待機する選択肢もあったが、これからの長い調査に向けてまだ対象に姿は見られたくない。
仕方なく僕達は新幹線を降りて対象が降りるのを観ていた。
新幹線のベルが鳴りドアが閉まる。
あれ?
対象が降りてこない
新幹線を降りなかったのか?
いや、荷物を持っていたし降りるつもりだったはず。あわてて向かいの同じ方向の新幹線に乗り込み念の為対象を全車両探すがいない
まずい、降りなかったのか、
完全に見失ってしまった、、
やばい、、体中の血液が冷えるのを感じる、、
徹夜の眠気を消えていた
社長にまず連絡する。
とりあえず同じ進行方向の新幹線に乗りながら冷静になる。もう一度見つけるしかない。
幸いこちらは快速で、あちらは各駅
そして1度降りようとした事を考えると降りるのではなく、乗り換えだったと思われる。
乗り換え案内を調べると、各駅と快速が重なる駅は次は京都である。
京都へ向かう。
社長から助け船が出される、なんと対象の部屋に旅行の予定メモが置いてあったらしく、その画像が送られてきた。
この時は有り難いと思ったが、冷静に考えるとアホな対象である。残すかねそんなもの。
そんなもの探偵からすると未来日記である。
未来日記なんてなんだか純愛小説みたいな響きだがこいつのは不倫である。
きちゃない
京都 平等院鳳凰堂 二条城などの京都の名所が書きなぐってある。間違いない。京都だ。
先回りして京都駅にて対象を待つことにした。
この日は4月には珍しい炎天下の日差しが眩しかったのを覚えている。
そして…
京都駅にて人混みの中から
無事に対象を発見。
尾行を再開させる、立て直せてよかった。
胸をなで下ろす。前日からの前乗りで一睡もしてなかったが、おかげで完全に目が覚めた。
対象はメモにあるとおりに観光名所を回っていく。未来日記のおかげで尾行しながら僕達も観光を楽しむくらいには余裕がでてきた。
しかし気になることがある。目的の京都についたのに未だに1人である。女との合流はない。
もしや空振りか?心配になってくる。
だが目を離すわけにはいかない。1人で京都を徒歩と電車であちこち散策する対象。
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朝から何も食べずに来たからか、調査員達に疲労が伺える。対象が食事するタイミングで僕達も食べよう。そう決めてたがいっこうにその気配がない。
そしてやたら歩く。ホントに。ずっと歩く。食事も朝から取らずに。
尾行する方の気持ちを考えて旅行してほしいものだ。(疲れのせいか本気でそう思っていた笑)
結局食事のないまま対象は1人でホテルへチェックインをしてしまう。
あれ?女は?
空振りか、、
社長に伝えると念の為、明日の帰宅までは尾行してほしいとのことで仕方なく僕達も夕飯を食べ、近くの安いホテルに男3人で泊まり明日に備える。
少し旅行気分で楽しいものである。
おそらく対象は1人旅行、しかも1日尾行して移動手段がほぼ徒歩なのもわかった。こちらは3人で尾行できる。
そして手元には未来日記である。
明日は交代で観光しながら調査できると話し合いながら、ワクワクして眠りについた。
男3人で初めての土地で1泊。
気分は修学旅行である。
今あなたは少し油断しすぎなのではと考えたはずだ。(名推理)
その通りである。完全に油断していた。
次の日流した汗の量は、冷や汗を含め4月にもかかわらずその年1番だったかもしれない。
次の日
早朝に目を覚まし朝6時には監視体制に入る。
眠い、早くでてきてくれ
一緒に観光させてもらうから
未来日記には二条城が書かれている
行ってみたかったのよあそこ
そう3人で話しながら監視していると朝の9時頃に対象達がホテルを出てきた。
そう対象達である
横には昨日見たことない女と一緒だったのだ
なんで?いつ?
予想外の出来事にあわてながら尾行を始める。設置しておいたカメラを確認すると、対象がホテルを出てくる⑳分前にホテルに入る女が映っていた。
どうやら朝に合流したらしい。
社長に伝えると、必ず証拠を撮るように釘を刺される。緊張感がでてきた。
まぁ昨日よりも女がいる分歩くペースも落ちるだろう、なんてことはない。
その日はまず二条城へ向かっていった。
日記通りである。アホである。
しかしここで問題が起こる
二条城は広いため、潜入が必要だがチケットの売り場はかなり混んでいて対象達を見失ってしまった。
あわてて追いかけて二条城を捜索するが、見つからないまま出口に来てしまった。
まずい、また見失ってしまった、
だがもう二条城をでたということは考えにくい。観光に来ておきながら走って回った僕達よりも早く出ていくわけがない。
考える
二条城の入り口付近に追加料金を払わねば入場できない場所があった。おそらくあそこだ、あわてて戻り建物の下駄箱を確認すると対象達の靴を発見し、安堵する。(探偵はそういう身につけてる小物をしっかり把握してますよ。心当たりのある方はお気をつけて)
対象達が出てくる
対象達が二条城を後にすると次はバスと徒歩で観光地のお寺(名前は忘れた)に向かい、そこでものんびり観光している。
しかし、手も繋がない。証拠として価値がない動画ばかり。
なんだかこちらものんびりしてくる
昨日と同じようなパターンでまた気がゆるむ。
本当に悪いクセである。
この次はどこ行くんだろうなと3人で予想をしていた。
対象達が出口へ向かう。
離れた距離から尾行する。
出口手前で対象達がすぐ横のタクシー乗り場へ曲がる。
まずい
走って僕達もタクシーへ向かうが対象達が乗ったタクシーが発進してしまう。
僕達もタクシーを捕まえドライバーに事情説明する、急いでほしいと懇願する。
ドライバーはやんわりと落ち着いて発進する。
品があって素敵だ。土地柄だろうか。
のんびりすぎて目眩がしてくる
やられた。
女が合流したからか2日目にして初めてタクシーを使われた。油断していた。
だがなんとかしなければ、
タクシーの運転手に事情を話して、これまでの対象達の観光ルートを伝えて相談する。
ここからわざわざタクシーの距離となるとおそらく銀閣寺ではないかとの事。
僅かな可能性にかけて銀閣寺へ向かう。
タクシーが止まる。
ここからは車は進めず歩くしかないとの事、結局対象達が乗ったタクシーは確認できず仕方なくタクシーを降りる。
諦めムードのまま銀閣寺へと向かう
仮にここにいたとして、この人混みから探すのは困難である。
なかなか密集していて服装等はよく見えない、見えるとしたら頭だけである。そんな状況ではむz…
いた。
見覚えのあるスキンヘッドである。
対象はスキンヘッドにヒゲの強面なのだが、昨日からの長距離徒歩により日焼けをしている。
帽子をかぶらずにいたため
スキンヘッドの頭が真っ赤っ赤なのである。
人混みのなか対象達を僕が見つけることが出来たのは真っ赤なスキンヘッドだったからにほかならない。
これが普通の髪型なら見つからなかっただろう。
昨日が4月では異例の炎天下でなければ真っ赤な頭は生まれていない。
こちらには未来日記
そして、神が味方しているのだ。
神(髪)に見放された男が
逃げられるわけがないのだ。
こうして無事に尾行を再開する。
その後は見失わないように常にタクシーを準備しながら尾行をした。もうあんなヘマはできない。
その後はピタリと張り付いて尾行をこなす。
いよいよ対象達が帰宅するようだ。
まず新幹線で小田原まで戻ると2人は居酒屋へ。
もう終電も無くなる。間違いなくタクシーで帰るはずだ。
タクシー乗り場でタクシーを捕まえておいて待機。レンタカーを用意してタクシー乗り場で待機。1人は居酒屋の出口で待機。
盤石である。
ここからは対象は捨てる。
相手の女の素性を突き止める。つまりヤサ割りだ。住処が分かればポストを確認して(ポストを開けるのは犯罪なのでやめてくださいね、やり方は秘密です)郵便物から名前を割り出す。
2日間の調査の詰めの部分である
2人がでてきてタクシー乗り場で熱いハグをする。バッチリ動画に収める。
ようやく色っぽいシーンを撮れた。小さくガッツポーズをする。
男と別れ女がタクシーに乗り動き出す。
僕達も動きだす。2人で1台のレンタカーにて尾行。もう1人はタクシーにて尾行を開始する。
計2台の車でついていく。
いよいよラストスパートである。
時間は深夜1時
女を乗せたタクシーはものすごいスピードで走っていく。
僕達も離されないようについていく。
もう終わりが近いので、バレるリスクよりも見失うわけにいかなかった。おそらくあれは尾行はバレていたと思う。
女のタクシーは信号を無視して、違反速度で走っていく。
なんとか食らいつく。バレるとかを心配してる場合じゃない。
青は加速 黄色は進め 赤は注意して進め
こんな状態である。
本当に2度とこんな事はしないと誓う(すみませんでした)
女のタクシーが高速に乗りさらにスピードを上げる。調査員の乗ったタクシーはもうついてこれていない。どうやらETCカードがなく、料金所で完全においてかれたようだ。
念の為ゆっくりついては来ておくように指示を出す。
もう僕達2人しかいない。
必死で食らいつく。
車はほとんど走っていない
相手のスピードがガンガン上がっていく
常に130キロである
その後ろを同じスピードでずっとついていくのだから怪しいに決まっている
覚悟を決めて追う
1時間程走って女のタクシーがとある駅で無事停車した。
ようやくだ。終わりが近い。
ここからは徒歩で女が入った家を遠くから確認するだけでいい。調査の成功がもう目の前である。
乗ってきたレンタカーを離れた所へ隠す。
もうこの車は怪しすぎる、使えない。運転してくれた後輩に車で離れておくように伝える。
僕が電柱の影から女がタクシーから降りるのをいまかいまかと待つ。
もうすぐで終わる。
長かった。
この2日で寝れたのなんか何時間だろう
食べた食事はどれだけ少なかったろう
歩いた距離は何十キロになったろう
早く降りてこい
ヤサを突き止めて終わりだ
終わったらビール飲もう
焼きそば食べたい
なんかすごく考えちゃうな
ゾーンにでもはいったのか
まるで数分が何十分にも感じる
…
…
ん?
いやほんとに何十分もたってるよ?
まだ?
女がどうやら酒の飲み過ぎで降りれないようだ。時間がかかっている。
最後まで手間をかけるやつらだ
そうこうしてるうちにもう1人の調査員の乗ったタクシーまで今更到着してしまう。
調査員が降りてきて合流する
徒歩が2人がかりになり、安心感がます。タクシーの運転手さんもお疲れ様。
早く降りてこい、ばっちり尾行しt…
目を疑った
女が降りないままタクシーが動き出したのだ。
酔いつぶれて家の前までタクシーで行くつもりだ。
夜中の3時、他にタクシーなんて待機してない
レンタカーは離れた所に置いてある…
あわてて走って追いかけるがもちろん間に合わない、これまでの苦労が水の泡だ…
もうダメだと思った…
その時である
レンタカーを遠くに置いてきた後輩が機転をきかし、先程遅れて到着した調査員の乗ってきていたタクシーを捕まえていた!
どうやら調査員のお金が持ち合わせがなかったらしく、免許証を預けて調査が終わったら払うつもりで待ってもらっていたらしい。
迷惑かけてすみませんでした!
だがナイス!
タクシーの運転手も事情をすぐさま察する。
かっこよかったです!
そうして無事に女のヤサを確認
こうしてまる2日の不倫旅行調査が終わった。
ヘトヘトになりながら3人で祝杯を交わした。
これからまた頑張って会社を立て直そうぜ!
そう3人で奮起して飲んだあの時のレッドブル
美味しかったな
とても刺激的な経験をさせてもらった
でも結局会社は倒産して、僕はペット探偵の業界へ足を踏み入れる。
そのおかげでさらにいろんな出会いや経験をさせてもらった。
少し昔を思い出した
ミケネコでした
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