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自己査定1

■自己査定(1)

金融機関が決算期ごとに行う自己査定は、重要な意味がある。
また、融資担当者としても、自己査定は重要な業務である。

□自己査定とは

金融機関が保有する資産(債権等)の一つ一つを、回収の危険性や価値の毀損きそんの危険性の度合いによって区分することを「資産査定」という。
資産査定により、預金者の預金などがどの程度の危険にさらされているかを判定する。「自己査定」とは、金融機関自らが資産査定を行うことを指す。

□自己査定の目的

自己査定は、資産の健全性を確保し、資産内容を客観的に反映した適切な償却・引当を行うことにより、財務諸表の正確性を確保する目的とする。
自己査定の対象となる資産としては、金融機関が保有している「債権」「有価証券」「デリバティブ取引」「その他の資産」がある。
その中でも、割合が大きく、金融機関の経営に影響を及ぼす資産が貸出金等の債権となる。

□貸出金の自己査定の流れ

信用格付と債務者区分

信用格付とは、債務者の財務内容、格付機関や信用調査機関の情報等に基づいて、債務者の信用リスクに応じて行うランク付けのこと。
信用格付の基準は金融機関が独自に策定し、格付ランクは通常10段階に分かれている。

債務者区分とは、債務者の財務業況、資金繰り、収益力等による返済能力の判定に加え、業種の特性や事業の継続性等を総合的に勘案し、債務者を区分すること。

<信用格付と債務者区分の対応表の例>

分類区分

分類区分とは、返済能力に加え、貸出金ごとに担保・保証による保全状況も評価して、貸出金を分類すること。
同一債務者に対する貸出金であっても分類区分が異なる場合がある。

  Ex)
債務者区分:要注意先

貸出金:計50百万円

担保:不動産・抵当権20百万円

非分類:20百万円(優良担保でカバーされている貸出金) ※不動産担保等

Ⅱ分類:30百万円(無担保の貸出金)

【参考書籍】

「融資業務超入門第2版」https://a.r10.to/hkBgaq 

「融資業務180基礎知識第3版」https://a.r10.to/hDDin9 

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