銀行員の「読んでほしい」

銀行員のための情報発信 ・基礎的な内容が中心 ・経営者や事業に関心の強い方に ・銀行と取引する方の参考に

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最近の記事

奨学金を借りて資産運用!?

理想型「奨学金を資産運用したい」 今回のテーマは「奨学金を使った資産運用の裏ワザ」です。 ■ポイント ・将来の教育費に備えたい世代向け ・子供に奨学金で苦労させたくない ・奨学金は借りる予定のなく余裕な設計 ■ご提案内容 返済義務のある「貸与型」奨学金を、卒業時に一括返済することで、金利負担なしで借入しつつ、その間に資産運用で増やすという仕組みをお伝えします。 ※返済しない方法も番外編で触れますが、金利以外に保証料負担があるので、トータルコストを考慮する必要が

¥500
    • 金融検査マニュアルの廃止と自己査定

      ■金融検査マニュアルの廃止と自己査定 金融機関は、健全性の維持のため、適切に融資の実行や管理を行わなければならない。 □金融検査マニュアルの廃止と自己査定 金融機関の「自己査定」は、従来から、金融機関自らが自らの自己査定マニュアル(内部規定)に基づいて資産査定を行うことになっていたが、実態として、金融庁の『金融検査マニュアル』に準拠した内容になっている。 金融庁の『金融検査マニュアル』は、金融危機時においては、自己査定、不良債権の償却・引当、リスク管理態勢確立等に役立

      • 自己査定2

        ■自己査定(2) □「信用格付」「債務者区分」「分類区分」 信用格付は、金融機関が独自に策定するもの。 ○正常先 正常先に対する債権全部 ○要注意先 ・優良担保の処分可能見込額または優良保証により保全された部分 ・上記以外の部分 ○破綻懸念先    ・優良担保の処分可能見込額または優良保証により保全された部分  ・一般担保の処分可能見込額または一般保証により保全された部分、経営破綻に陥った場合の清算配当等により回収可能な債権 ・上記以外の部分 ○実質破綻

        • 自己査定1

          ■自己査定(1) 金融機関が決算期ごとに行う自己査定は、重要な意味がある。 また、融資担当者としても、自己査定は重要な業務である。 □自己査定とは 金融機関が保有する資産(債権等)の一つ一つを、回収の危険性や価値の毀損きそんの危険性の度合いによって区分することを「資産査定」という。 資産査定により、預金者の預金などがどの程度の危険にさらされているかを判定する。「自己査定」とは、金融機関自らが資産査定を行うことを指す。 □自己査定の目的 自己査定は、資産の健全性を確保

          回収方法

          ■回収方法 融資先が倒産し、借入金の返済ができなくなった場合、まずは取引約定書に基づき期限の利益喪失の通知を発送し、金融機関は貸出金の回収を図ることになる。 融資先に対して有する貸付債権の回収を図ることから、これを債権回収という。 主な回収手段は次の通り。 1.任意回収 融資先の意思による返済のこと。回収は、任意回収を原則とし、できる限り任意回収を目指す。 任意回収の方が回収金額や回収にかかる期間の点で有利なことが多いため。 2.相殺による回収 融資先に対する貸出金

          回収手続き

          ■回収手続 融資先から契約に沿って貸出金が返済されている場合は問題ないものの、倒産等により契約に沿って返済されない場合、金融機関は回収を図る必要がある。 □倒産 一般に倒産とは、返済すべき借入金等の債務が払えなくなり、企業活動の続行が不可能になった状態のこと。 倒産には、大きく分けて次の3つの種類がある。 1.銀行取引停止処分 企業が資金不足や取引なしなどの理由で、6か月間以内に2回の 不渡(1号不渡・2号不渡)を出した場合、2年間にわたって金融機関からの借入れがで

          業績悪化を捉えた際の対応

          ■業態悪化を捉えた際の対応 □予想損失額の算出 貸出金等の与信額と、担保等の保全額を把握する。 与信額から保全額(=担保等の時価評価額から先順位債権額を差し引いた額)を差し引いた額が、予想損失額となる。 予想損失額=与信額-保全額 保全額=担保等の時価評価額-先順位債権額 □保全強化 予想損失額の算出に基づき、融資先の状況に応じて、保全強化を図る。 前提として、業態悪化時の保全強化については融資先の協力が得られにくいこともあり、融資実行時に十分な保全がなされてい

          業績悪化を捉えた際の対応

          業績悪化の予兆管理

          ■業態悪化の予兆管理 □業態悪化の兆候の捉え方 融資先の業態悪化の兆候を早い段階で察知できれば、債権保全の措置を講ずることができる。 融資先が業績不振に陥り、資金繰りが困難な場合に表れる兆候を、ヒト・モノ・カネの面から把握すると、次の通りである。 ・ヒトの面    経営者の変化    経営者の不在が頻繁な場合、資金調達に奔走している可能性がある。また経営者ができそうもないことをいう場合は、業績不振を隠そうとする態度の表れの可能性あり。 会議の増加    会議が増

          融資事後管理

          ■事後管理 □事後管理の必要性 融資の実行後、環境の変化などの影響により、融資先の業績が低迷し、借入金の返済ができなくなるといった事態が起こることがある。 このような変化に対し、適切な対応を取ることにより損失の発生を回避することが、事後管理の目的となる。 □事後管理の項目 事後管理は、次の3つの項目に分けられる。 1.融資先の管理 日常業務の中で、融資先の業況や取引状況を把握する。 2.融資条件の履行状況の管理 当初交わした融資条件の履行状況を確認する。 3

          融資契約〜融資実行

          ■融資の実務(契約〜実行) □融資契約の締結 融資実行の承認が下りたら、金融機関は融資先と融資契約や担保契約を結ぶこととなる。金融機関が融資先に融資を行うことにより、金融機関は融資先に対し債権を持つ債権者、融資先は債務者となる。 融資契約によって権利内容の具体的な取決めをする。 □融資契約書類の種類 融資の内容によって、融資先から受け入れる融資契約書類は異なり、主なものは以下の通り。 □取引約定書 金融機関と融資先との間で発生する融資取引に関する法律上の事項を規定

          稟議書作成

          ■稟議書作成のポイント □稟議期日の厳守  作成した稟議書が回覧されて決裁となるまでにはある程度の時間が必要になるため、融資先が資金を必要とする期日を考慮し、日数に余裕を持って稟議書を作成し、提出する。 そのために、いつ融資の申出を受けても対応できるように、日頃から融資先の実態把握に努めることが大切となる。 □記載方法 稟議書には、手続きに沿って、真実を、正確・簡潔・明瞭に記載する。 そのためには、箇条書きにしたり、計数や図表を用いた説明資料を添付したりする等の工夫が

          融資実行の承認手続き

          ■融資の実務 融資実行の承認手続き □決裁権限 融資実行の可否を決定する権限のこと。決裁権限が誰にあるかは、融資先の信用格付、融資金額、融資期間、担保の有無などによって異なり、それぞれの金融機関の規定等で定められているもの。 一般に、金融機関にとってリスクの小さな案件(例:優良な融資先に対する少額で短期間の貸出)は部長・支店長に決裁権限があることが多い。 他方、金融機関にとってリスクの大きな案件(例:経営状況に懸念のある融資先に対する貸出)は金融機関の本部(審査部門、役員

          融資実行の承認手続き

          信用保証協会制度

          □信用保証協会制度の流れ (1)保証申込 中小企業者は、協会または金融機関に保証付融資を申込。 (2)保証依頼 金融機関は、中小企業者の事業内容や経営計画などを審査し、保証付融資が適格であると判断した場合は保証協会に保証依頼。 保証依頼を受けた協会は当該中小企業者の保証審査を行い、保証承諾を決定した場合は、金融機関に信用保証書を交付。 (3)保証審査 (4)保証承諾 (5)融資 :金融機関は信用保証書に基づき、融資を行う。 このとき中小企業者は、金利とは別に、協会に

          担保の種類・特徴

          ■担保の種類と特徴 主な担保の種類とその特徴 □預金 ・担保価値が安定 ・取得や処分が比較的容易 ・本人確認や真の預金者の特定が必要 □有価証券    ・上場株式は処分や評価が容易 ・非上場株式等は処分や評価が困難 ・評価額が変動するため、定期的に評価の見直しが必要 □商業手形    ・処分や評価が比較的容易 ・手形要件の点検や手形支払先の信用照会が必要 □不動産    ・取得には 抵当権設定等の法的な手続きが必要 ・評価や管理に専門知識が必要

          保全

          ■融資の実務 保全 □保全面の検討手順 融資先が借入金を返済できない状態となっても回収を確実に行うために、担保や保証という制度がある。 担保や保証に過度に依存した融資は好ましくないものの、担保や保証は、融資を行ううえで不可欠となる。 □保全面の一般的な検討手順 1.担保となる資産の把握    融資先に、不動産や有価証券など、担保となる資産の有無を調査。 また、関連個人や関係企業(親会社、子会社等)の資産についても同様に調査。 2.担保設定状況の調査    1で

          返済方法の種類・特徴

          ■返済方法の種類と特徴 □元金均等返済 元金を均等に返済する方法。当初、利息を含めた毎回の返済額は大きくなるが、後半は小さくなる。 ケース:設備資金などの事業性資金、住宅ローンなどのローン □元利均等返済 元利金の合計を毎回均等に返済する方法。元金と利息の合計額が均等になるように返済するため、原則として、毎回の返済額は返済期間を通じて一定となる。 ケース:住宅ローンなどのローン □元利逓増返済 元利均等返済の一種で、一定期間毎に返済額が逓増するように返済する方

          返済方法の種類・特徴