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2024事務年度金融行政方針の焦点
金融庁は、8 月30 日に2024 事務年度金融行政方針を公表した。金融行政方針を策定・公表するようになってから10 年目の節目となる。また、井藤長官が誕生し、新体制下での金融行政の方向性が注目されるところである。
そこで、本稿では、本事務年度の金融行政方針の特徴、着眼点等について概
説したい。
株式会社 クニエ マネージングディレクター 牧野 明弘
コンサルタント 石塚 啓
1 井藤新長官体制となる本事務年度金融行政方針の特徴
金融庁は、これまで掲げてきた、「①金融システムの安定/金融仲介機能の発揮、②利用者保護/利用者利便、③市場の公正性・透明性/市場の活力のそれぞれを両立させることを通じ、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指す」というミッションを引き続き追求するとしている。
そして、「今後、これらのミッションの実現に向けて、これまでの取組を着実に実施・継続することに加え、国内外の経済社会の構造上の変化や不確実性の高まりを展望し、金融行政の施策・手法を不断に見直し、こうした改革を通じ、我が国経済の成長力を高めつつ、国民一人一人が豊かさを実感できる持続的な未来の構築に貢献する」とのことである。
以上を踏まえ、2024事務年度は、以下の3つを柱として取り組むとしている。
⑴ 金融のメカニズムを通じた持続的な経済成長への貢献
●インベストメント・チェーン全体の活性化に向けて、資産運用立国実現プランに掲げられた施策等を着実に進める。
具体的には、新NISAの適切な活用促進・金融経済教育の充実、コーポレートガバナンス改革の推進、資産運用やアセットオーナーの機能強化、スタートアップへの成長資金の供給促進等に取り組む。
●デジタル技術を用いた金融サービスの変革への対応、サステナブルファイナンスの推進等、様々な社会課題の解決が新たな市場創造につながるよう環境整備を進める。
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