片思いが終了した
2年弱前だろうか。
地元も同じ、趣味も同じ、年齢も同じ、住んでる沿線も同じ、出身予備校も同じ、出身高校も近い...
こんな人いるんだあと、そう思ったのは記憶に新しい。
当時、私の前回の失恋から1年半が経過していた。
出会ってから、こういう女性と付き合うというのが理想的なのではないかと、そう思った。
見た目じゃない、中身。本当に似たもの同士。
実際、2人でよく話した。
終業後に2人で出掛けたこともあった。
休日2人で一緒に出掛けたこともあった。
毎週のようにLINEしていた時期もあった。
とにかく色々試した。
とにかく価値観が合う。
私はずっと片想いをしていた。
昨年は私が忙しく、なかなかプライベートに目を向けることができなかったが、それでも常に視界に入っていた。
もう気がついたら2年が経過しようとしていた。あまりにも長くなってしまっていたので、実は今年度中には告白するつもりでもいた。
そして、年末のとある日。
一緒にランチに行った時のこと。
「実は報告がありまして...私、今月結婚したんです!」
実際のところ、かなり平常心だった。
目の前が真っ白になるとか、そんなことはなかった。
当たり前のようにそこから話を続けた。
ただ、何を話したのかは全く覚えていないのだが。
これまでの人生、片思いが終わったことは別に一度や二度ではない。
ただ、これまでは比較的凹むことが多かった。
ご飯が食べられない、力が入らない、自分の行動を制御できない...こんなことばかり起こった。
しかし、今回は違った。
慣れてしまったのだろうか。
「ああ、またそれね」そう思った。
そして、むしろ安心すら覚えてしまった。
「これでもう、この子を気に留めなくて良いんだ」と。
食欲がなくなることもなく、仕事に手がつかなくなることもなく、その後もただ終電と戦う当たり前の日常がそこにあった。
何で泣かないんだ...。家に帰って布団に伏せたら泣くのかな...。そう思っていたが、泣けなかった。
不思議だった。
私は男性にしては珍しく(?)結婚願望が強い。
ただ、恐らく恋愛は向いてないのだろう。
昔から人間関係が苦手なのだ。人間関係の最たるものが恋愛だろう。つまり、私にとっては縁のないものなのかもしれない。
もう終わった。今後は恋愛を気にかけなくていいんだ。そう感じ、解放感すら味わってしまった。
こんなんで終わりではないと思われるかもしれないが、私にもう恋のアテはない。
アプリも私には向いてないだろうし、はや社会人5年目。転職する気もないし、もうこれ以上、人間関係を広げるのも難しい。また、そもそも人と出会う場所は私にとっては疲れるだけだ。
とりあえず、少し休もうかなと思う。
もう、恋とか愛とか、そういうのはいいや。
私は仕事が好き。
変わってると思われるかもしれないが、仕事はやっていればいいもの。プライベートでの人間関係のなさに悩むことも無くなるもの。
ぶっちゃけ、ずっと仕事しててもいい。
ただ、仕事ができるわけではない。昇任試験は落ちるし、評価は下から数えた方が早い。
ただそれでも、とりあえず何も考えず、今後は仕事だけやってようと思う。
多分、私にはそれが一番合ってる。
自分の中で、何かが消え去り、呪縛から解放されたように視界が明るくなった。
この年末は、家に篭って一人でベース弾いたり、音楽の勉強したり、YouTube見たりしてまったりしようかなと思っていた。
ただ、何故か急に実家に帰ろうかなと思いはじめた。
私は親が好きではない。実家は電車で1時間くらいにも関わらず、年に1回帰るかどうかというレベル。
でも、それでも私よりかは充実したプライベートを送ってきた人たちなのは間違いないと思った。
私が頑張っても手に入れられない生活を送っている。私の親は、普通に結婚して普通に子育てをし、普通に子供の自立まで見送る人生を、さぞ当たり前のように手に入れている人たちだ。
一般的には普通の生活だと考えられることかもしれない。でも、私にとってはそれはアンノウンレベルの難易度だ。
もう、私にとっては親は雲の上の存在と言っても過言ではないかもしれない。
実は、すごい人たちだったのだと思いはじめた。
会えば、何か分かることがないだろうか。
もう何も残されていない私に、何かをくれないかなと、そう思った。
普段は嫌ってるくせに、何を都合の良いことを言ってるのだろうか。
そして、私は非恋愛体質。
人には個人差があり、ある人には簡単にできることも、別の人にはとてつもなく難しいこともある。
私には恋愛は難しいのだろう。
繰り返しになるが、とりあえず、休もう。
もう何も考えなくていい。そう言い聞かせて。
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