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最も嗚咽し悶えたドラマ。今年もドラマで寿命を削ったわたしより。

今年は、下半期ほぼ毎日、1日5時間ドラマを観ていた。家にいる間は風呂でも飯でも睡眠でもドラマと一緒だった。ドラマに使った寿命。そんなわたしのベストドラマを、ベストムービー投稿にならって記録しておこうと思う。

Photo by Game of Thrones /Final Season #FOR THE THRONE


今年シーズンまるごと観終わったドラマ一覧

この他、シーズンを観終わるに至らなかったものも結構ある。ブラック・ミラーとか、ストレンジャー・シングスは、体力の関係で来年に持ち越し。あとデビルマンクライベイビーとかははまらなくて途中離脱。デアデビルもS2で飽きた。まあそれはいいとして。

1位:ジ・アメリカンズ

今年、最も泣いたコンテンツが何かと言えば、もうこれだ。何回も嗚咽した、慟哭さえした。家で、深夜に、33歳の独身女が一人で、おいおい言って泣いていた。

愛する人が、慈しみをこめて、首筋を撫でてくれている、その手が、絶望したくなるくらい冷たい。そんなドラマなのだ。

上記リンクは町山先生の解説。もうね、相変わらず町山先生の解説がキレキレで最高で、あと町山先生もこのドラマ好きなんだ!!とわかったときは本当にうれしかった。観て欲しい。みんなに。

冷戦後期のアメリカという国の日常生活と政治的緊張、そしてソヴィエトという国家の晩期の混迷。そういった政治的背景も相当緻密に描かれていて、これをきっかけにわたしはロシア史と、地政学の勉強を始めたくらいだ。

スパイものとしての完成度も高く、当然ボーンシリーズ的なスパイアクションもある、が、こちらは知性戦争・イデオロギー戦争の色合いが濃いため、よりインテリジェントである。

そして何より人間性の描写!!!複雑な人間ばかりなのだ。複雑で、葛藤と傷を抱えて、使命を背負って、なんとか生き抜こうとする人々。特に主人公が「夫婦」でスパイである、という設定がもたらす愛と使命の終わりなき葛藤。この夫婦二人は主義主張で頻繁にすれ違い、対立し、それでもやはり、愛し合っている。使命と愛の間で葛藤するこの二人の、身体が引きちぎれるような苦悩に、何度身もだえしたか。

お向かいの家に引っ越してくるFBIのスタンにも、何度も心を引き裂かれるような思いをした。彼の目。彼の目ですよ。戸惑いと悲しみと沈黙を混ぜて目に宿したらあんな色だろう、という目をするんだ、彼は。スタン・・愛してるよ・・あなたの心は本当に引き裂かれっぱなしだったよな。観客はみんなあなたを愛しているよ。他にもね・・複雑で味わい深いキャラクターがあまりにも多い。

二周目、観てるけど、ちょっと辛くて続かないかも、っていうくらい観るのしんどい。けど、日本人は特に観るべき。世界の様相が違って見える。

2位:ゲーム・オブ・スローンズ

このドラマが流行っていないのは日本と北朝鮮だけだ!!と、ある友人に、北米人が言ったそうだ。そうだろう、そうだろう、全世界が熱狂する言わずもがなのドラマ、ゲーム・オブ・スローンズだ。

まもなく最終章公開である。そのためにスター・チャンネル契約である。

ジ・アメリカンズはめちゃくちゃ好きでも、1日に3話程度が限界だった。が、GOTの中毒性はすごいのだ。1日5話がデフォルトだった。つまり2日で1シーズン観終わっていた。なんだこの中毒性は。

ハウス・オブ・カードも現代ドラマなのにまあまあ人死ぬけど、GOTの死亡率は半端ではない。バッタバッタ主要人物死ぬんですよ。物語的な面白さなどに拘らず、当時の世情から合理的に判断して、死ぬ登場人物を選んでいる、サイコパスめいた感じがある。このキャラクターは人気的にもう少し残した方が・・とかそういう世俗的な判断、一切ない。「この人は死にます。なぜならば世情がこうであるなかこの人はそれを読み間違ったから」みたいな、非情な預言者が物語を決定している感じ。そのドSでサイコパスな筋書きが好き。

あとは、これはネタバレになるけど、このご時世に、ここまで大々的に「女王最終決戦」の構図を呈示するあたりが面白いなとも思う。デナーリス・ターガリエンは”Born to Rule.”と自らを表現するが、シーズンを7つ跨いで徐々に、「支配者たる女」という物語の最終骨格が浮かび上がってくるのである。「女が支配者どうしとして対立する」「男はどっちの女につくかを迫られる」というクライマックス。非情な支配者となりうる女、という生き物を描く点で、ハウス・オブ・カードと同じ狙いを感じたりもする。

3位:Sense8

これも号泣した。1位2位の2作品が、タフなサバイバルを、”Life is hard.”の原則を描いた作品だとすれば、センス8はわたしにとって「愛」の物語だ。

LGBTQ+のムーヴメントは高まる一方だが、自らも性転換を行ったウォシャウスキー姉妹が魂を込めて送り出したこのドラマ。

物語の中心は「形はどうあれ、愛するということ」であるように思う。

他者を感じ、他者を愛するということの、比類ない美しさ。どんなに残酷な現実が待ち受けていても、燦然と輝く力強い愛の光。愛への信念。世界を、愛が変えていくことを信じて疑わない、本当に強い人々が作り出したドラマだと、心から思う。愛することに臆病でい続ける極東の一般人(33歳)の胸にぐさぐさ来るドラマだった。そりゃわたしだって愛したいさ。愛したこともあるさ。ただ”wrong person”だったというだけなのさ。

もちろん、8人が五感を共有する、という着想もウォシャウスキー姉妹らしい、唯一無二のSF設定である。相変わらず詩的だなと思う。マトリックスが人間の存在を問う哲学映画だったとすれば、センス8は、愛の力強さを示す人間賛歌だと思う。

いやーこれも泣いた。しかしS2で打ち切ろうとしたNETFIXってまじで怖いよね。こわこわ。最終話やってくれてよかったよ。

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他に、小作品でよかったのは「マニアック」。エマ・ストーンとジョナ・ヒルがドラマに!っていうキャストだったので、観てみたが、ちょっとウェス・アンダーソンを想起するようなストレンジで独自の世界設計、精神世界に言及するちょっとキワモノなプロットがツウ好みでありながら、骨格はとてもベーシックな「傷ついた人間同士のラヴ・ストーリー」である点が好感だった。

あとは「ザ・グッド・コップ」。巧いなあ~~って感じだった。1話完結のむかーしながらの刑事ものっぽい作りなのだが、ちょっとずつ、物語に通底する大きな謎を見せていく巧さに、「これはS2も観るなあ」と唸った。適当刑事のパパの役が、最初に思った以上に味わい深いキャラクターで。ついつい惹き込まれる。良い物語に派手な設定は必要ない、と思わせてくれる作品。

まあキリがないのでこのへんに・・・徒然なるままに書きすぎてなんのまとまりもなかったが。本当にドラマが好きだ。日本のドラマももうちょっと面白くなるといいんだけどなあ~。限られた脚本家のエスプリにしか興味が持てないんだよなあ~。

まあ2019はNETFIXで日本アニメが加速するでしょうから、来年は日本コンテンツとしてアニメも観ることになるのかもしれませぬ。

一番の話題は当然GOTファイナルシーズンですがね!!チャオ。

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