FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 073:芋蔓トーク3
さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第73回(2023年2月17日(金)20時~
(再放送:2月19日(日)19時~)
清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。
今週は芋蔓トークの第3回です。昨年の夏頃2回続けてやらせていただいて、それなりにご好評いただいた企画の3回目です。ただのズルズルトークですけどね。
1曲目
「I Got The Fire」Montrose (1973)
先月、ヴァン・モリソンの「トゥペロ・ハニー」にギタリストのロニー・モントローズが参加しているということをご紹介しました。その続きみたいなところからです。まずはモントローズの代表曲「灼熱の大彗星」です。この時のメンツがなかなか凄いんです。Gギターがロニー・モントローズ、ヴォーカルがサミー・ヘイガー、ドラムスがデニー・カーマッシ、ベースは1枚目が「トゥペロ・ハニー」でも弾いていたビル・チャーチという人で、この2枚目からはアラン・フィッツジェラルドになります。サミー・ヘイガーはこの2枚目までで離脱します。
2曲目
「Heartbreak Hotel」Kathi McDonald (1972)
ハービー・ハンコックの「ムワンディシ」からスタートしたロニー・モントローズが参加した音源をザっと紹介し、ここでは「メイン・ストリートのならず者」などで歌っている女性歌手キャシー・マクドナルドの「ハートブレイク・ホテル」のカヴァーをご紹介しました。
3曲目
「Frankenstein」Edgar Winter Group (1972)
ロニー・モントローズは早速エドガー・ウィンター・グループに加入し、いきなり大ヒットをとばします。この曲、マーカス・ミラーがカヴァーしておりまして、「何考えているんだ」とか申しております。
4曲目
「Town Without The Pity」Ronnie Montrose (1976)
ロニー・モントローズのファースト・ソロのシングル・カットは「非情の街」のカヴァーでした。当時は意外でしたが、ハービー・ハンコックやヴァン・モリソンのアルバムで弾いていたと知ると、そでもないでしょうか。
5曲目
「Give To live」Sammy Hagar (1985)
モントローズのヴォーカルだったサミー・ヘイガーに関しては、エディ・ヴァン・ヘイレンがプロデュースし、ベースも弾いている「ギヴ・トゥ・リヴ」をご紹介しました。
6曲目
「Goodbye」Night Ranger (1985)
モントローズのベースだったアラン・フィッツジェラルドは、キーボードに転向し、ナイト・レンジャーに加入します。ヴァン・ヘイレンのツアー・サポートもやった人です。
7曲目
「Waiting On You」Coverdale Page (1993)
モントローズのドラマーだったデニー・カーマッシは80年代に大ヒットを連発したハート、ホワイトスネイクなどを経由し、90年代はカヴァーデイル・ペイジでも叩きます。
8曲目
「Never」Heart (1985)
デニー・カーマッシとベースのマーク・アンデスが参加してからいきなり売れ始めますが、この時期はメタル系のビジュアルで凄いことになっております。おそらくそういうキャラではなかったと思います。アンとナンシーにやれと言われればやりますかね?
9曲目
「Heartless」Heart (1977)
ハートは、実は60年代から存在するバンドです。立ち上げ時の6人のメンバーは80年代の売れた時には一人もおりません。1967年にスタートして、アン・ウィルソンが1971年に加入し、ナンシー・ウィルソンが73年に加入します。75年にファースト・アルバム「ドリームボート・アニー」でメジャー・デビューするわけですが、その時はウィルソン姉妹に加えて、ロジャー・フィッシャーとハワード・リースの2人のギタリストとスティーヴ・フォッセンというベーシストがおり、結構テクニック指向の強いバンドだったんです。ここでは1977年リリースしたものの、翌年に手直ししてリリースし直したアルバム「マガジン」からシングル・カットされた曲をご紹介しました。
10曲目
「Run Run Run」Jo Jo Gunne (1972)
80年代のハートのリズムを担ったのは、デニー・カーマッシとマーク・アンデスでした。マーク・アンデスは60年代末から70年代初頭にかけて存在したスピリットというバンドがプロ・デビューです。キャンド・ヒートにもおりましたが、レコード会社と契約する前に脱退してしまいます。高校の同級生にジェイ・ファーガソンがおりまして、一緒にスピリットを立ち上げます。アルバム4枚制作後解散、その後やはりジェイ・ファーガソンとジョ・ジョ・ガンを立ち上げ、いきなりヒットを飛ばして直ぐに抜けます。ジョ・ジョ・ガンは実兄マット・アンデスもいましたがアルバム3枚で解散、それからファイヤーフォールの立ち上げに加わります。全部創設メンバーというのがいいと申しております。ここでは、ジョ・ジョ・ガンのいきなりヒットした曲を聴きました。(後記:「マーク・アンデスは3枚目で脱退、バンドは4枚目で一旦解散」が正確な情報です)
11曲目
「Strange Way」Firefall (1978)
マーク・アンデスはジョ・ジョ・ガンの次にファイヤーフォールの立ち上げに参加します。最初の4枚のアルバムに参加して脱退します。その後ハートに加入しますが、それまでの間にはジェイ・ファーガソンのソロなんかにも参加しています。
番組内ではこのファイヤーフォールとハートの両方を同じイヴェントで観たということを話しております。江の島のヨットハーバーの特設会場で開催されたジャパン・ジャム・イン・江の島というものですが、ビーチ・ボーイズ、ハート、ファイヤーフォール、TKO、サザンオールスターズという面々が参加しておりました。「いとしのエリー」が売れているタイミングでしたから、場所も場所ですし、サザンオールスターズがいちばん盛り上がっていました。
12曲目
「Thunder Island」Jay Ferguson (1978)
ファイヤーフォールからハートに移籍したベーシストのマーク・アンデスと一緒にスピリットやジョジョ・ガンといったバンドをやっていたのが、ジェイ・ファーガソンです。映画のサントラやテレビ用の音楽の世界で活躍することになる人ですが、ここではこの人の1978年に全米9位まで行ったヒット曲を聴きました。
13曲目
「Walk Away (Live)」Joe Walsh (1976)
ラストはジェイ・ファーガソンの「サンダー・アイランド」でギターを弾いていたイーグルスのジョー・ウォルシュです。ジョー・ウォルシュに繋がったらもう芋蔓が無限に広がっていきます。芋蔓トークに相応しい人です。ここでキーボードを弾いているのもジェイ・ファーガソンです。
次回は女性パーカッショニスト、ボビー・ホール特集です。お楽しみに。
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