FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 098:フェスの季節に聴くライヴ盤特集アンコール
さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第98回(2023年8月11日(金)20時~
(再放送:8月13日(日)19時~)
清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。
今週はフェスの季節に聴くライヴ盤特集アンコールです。本来アメリカとイギリスに分けて2回でと考えておりましたが、選曲中にもっとかけたい曲があるということや、アメリカ・イギリス以外にもいいライヴがあるなあということになりまして、フェスの季節に聴くライヴ盤の第3回・アンコール編です。とにかくライヴ盤からシングル・カットされてヒットした曲というものもいくつかありまして、代表的なものも含め、ご紹介できなかったんです。それにジャズ・フェスというものもありまして、ジャズっぽいものもかけたいなとなってしまいました。
1曲目
「Tom Sawyer」Rush (2011)
まずはアメリカ・イギリス以外の国の連中の名盤ライヴをご紹介しました。最初はカナダ代表、ライヴが評判のスリー・ピース・バンド、ラッシュです。1981年の名盤「ムーヴィング・ピクチャーズ」の再現ライヴが30周年の2011年にリリースされまして、そのオープニングとなる一曲です。名ドラマー、ニール・パートが2020年1月に亡くなりまして、バンドとしての活動は終了してしまいましたが、惜しいですね。3人とも素晴らしいテクニシャンですし、最初期を除いて、1974年以降不動のメンバーでした。
2曲目
「Sunday Bloody Sunday」U2 (1983)
アイルランド代表、U2です。U2は1983年2月にリリースされた「WAR」が大ヒットを記録しまして、その年の11月末にクリスマス商戦向けというタイミングでリリースされた短めのライヴ・アルバム「アンダー・ア・ブラッド・スカイ」からお届けしました。U2のライヴ盤と言いますと、他には「ラトル・アンド・ハム」の一部分しかないわけで、意外にもこれしか公式のライヴ盤はありません。
3曲目
「Sylvia – Hocus Pocus」Focus (1974)
オランダ代表、フォーカスです。大名盤「フォーカス・アット・ザ・レインボウ」というレインボウ・シアターでのライヴ盤からお届けしました。変型ジャケットがなかなかに楽しいものでして、アナログ盤をご覧になっていただかないとこのよさはご理解いただけないかと思います。本当はこの前に「ホーカス・ポッカス」を8分30秒ほどやって、「シルヴィア」に流れ込み、また「ホーカス・ポッカス」に戻るわけですが、ちょいと長すぎるので、「ホーカス・ポッカス」の本体部分を省略しました。「ホーカス・ポッカス」の本体部分の終盤には、上手いことメンバー紹介が織り込んであり、好きなパートなんですけど残念でした。こういったメンバー紹介もライヴ盤ならではの面白さというヤツです。
4曲目
「Show Me The Way」Peter Frampton (1976)
前回前々回でアメリカとイギリスの名盤ライヴをご紹介してきましたが、ふと思うに、イギリスだっけ、アメリカだっけという、連中がいるんです。例えばフリートウッド・マックとか、ライヴ盤が大ヒットしたフォガットとかもそうなんですけど、イギリス人が活動拠点をアメリカに移して大ブレイクしていたりするものですから、どっちだっけとなるんですけど、そういった人の代表的なライヴ盤からのヒット曲がありまして、ピーター・フランプトン、1976年の「フランプトン・カムズ・アライヴ」は2枚組ライヴですが、ビルボードのアルバム・チャートでNo.1になり、1000万枚以上を売り上げた特大ヒットとなりました。そこからシングル・カットされた「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」はシングル・チャートで6位まで行くヒットとなりました。実を申しますと、「アメリカ、イギリスとわけでやっても、コレをかけてないのはいかがなものか」ということを、毎度聴いてくださっている常連さんからも言われまして、「アンコールを是非」となってしまった一曲です。
5曲目
「People Get Ready」Curtis Mayfield (1971)
手を広げ過ぎると収拾がつかなくなりますが、他にもレゲエのイベントなどもいろいろありますし、ジャズ・フェスもあります。今回は本当に選曲に苦労しましたが、せっかくアンコールでやるなら、違うタイプの音楽もと思ってしまいます。ブラック・ミュージック等も、いい盤があります。マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、カーティス・メイフィールドの「ライヴ」、いずれも甲乙つけがたい名盤です。ここでは1971年の大名盤、カーティス・メイフィールドの「カーティス・ライヴ」から「ピープル・ゲット・レディ」をご紹介しました。
6曲目
「The Cisco Kid」WAR (1980)
もう一つ、ファンク・バンドWAR、1980年の名盤ライヴ「ザ・ミュージック・バンド・ライヴ」から「ザ・シスコ・キッド」もご紹介しました。この盤は「Why Can’t We Be Friends?」がメインにフィーチャーされているような盤ですが、観客に歌わさせているようなパートもあって、長いこともあり、この曲になりました。「Low Rider」も捨て難かったんですけどね。
7曲目
「Travels」Pat Metheny Group (1983)
ジャズ系ですが、日本はまた世界でも有数のジャズ・フェスが多く開催される国でして、「フェスの季節に聴くライヴ盤」と銘打つからには、ジャズ/フュージョンもかけておいた方がというお声もいただいております。それこそ、ライヴ・アンダー・ザ・スカイとか、オーレックス・ジャズ・フェスティヴァルとかありましたし、ニュー・ポート・イン斑尾とかね。最近では東京ジャズもあります。墨田のすみジャズとかもありますしね。ジャズ/フュージョン界隈では、VSOPの「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」とか、エレクトリック・マイルスの「フィルモア・ライヴ」とか、やはり悩ましい名盤がいっぱいあります。今日はパット・メセニー・グループの「トラヴェルズ」からタイトルチューンの「トラヴェルズ」をご紹介しました。
8曲目
「Morning Dance」Spyro Gyra (1984)
斑尾といえばスパイロ・ジャイラというイメージでしたが、ジェイ・ベッケンスタインを中心にした、やはり非常に上手い人たちでした。ジャケット・アートもいいものが多かったです。フュージョン・ブームの頃は中心的な存在で、日本では非常に人気があったと思います。名盤ライヴ「アクセス・オール・エリアズ」から「モーニング・ダンス」をご紹介しました。
9曲目
「Adria」松岡直也& Wesing (1980)
ジャパンも忘れてはいけませんでした。ラテン・フュージョンの松岡直也&ウィシングには名盤ライヴがあります。彼らは1980年と83年の2度、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルで大歓迎を受けまして、日本のラテン・フュージョンのレベルの高さを世界に知らしめました。80年が「ライヴ・アット・モントルー・フェスティヴァル」、83年が「ウェルカム」として、ライヴ盤でリリースされております。どちらも素晴らしい内容です。ここでは、80年のライヴから「アドリア」をご紹介しました。
10曲目
「I’ll Be There」KYLYN (1980)
ラストもジャパンです。1980年、ホンの一時だけ活動したKYLYNというグループがありました。ギターの渡辺香津美さんとキーボードの坂本龍一教授を中心に、矢野顕子さんのヴォーカル・キーボード、村上ポンタ秀一さんのドラムス、ペッカーのパーカッション、ベースは小原礼さんです。ブラスも凄くて、向井滋春さん、清水靖晃さん、本多俊之さんといったあたりです。日本の凄腕代表を集めたようなグループでした。スタジオ・アルバムでは高橋幸宏さんがドラムスを叩いている曲もありました。ここではKYLYNの「アイル・ビー・ゼア」をお時間までということでご紹介しました。
次回はウッドストック・フェスティヴァル出演者特集です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp
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