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7インチ盤専門店雑記878「Clarksdale Moan」

1930年5月28日、ウィスコンシン州グラフトンにあるパラマウント・スタジオで録音されたサン・ハウスの音源集です。

Side1に「Dry Spell Blues」と「Preachin' The Blues」という2曲のpart 1とpart2が収録されております。

Side2に「My Black Mama」2テイク、「Clarksdale Moan」「Mississippi County Farm Blues」「Walking Blues」の5曲です。

分かる方には分かる話、…つまり1930年録音が全部入ってます。

Eddie James “Son” House (1902-1988)、ブルースの巨人の一人です。1942年にアラン・ロマックスに発見されて国立国会図書館のために録音した音源でも有名でしょうが、やはりロバート・ジョンソンに影響を与えた人物としての方が有名でしょうか。個人的には1964年に工事現場で再発見され、60年代のブルース・ブームで大騒ぎになってからの「Death Letter Blues」や「John The Revelator」といった音源でノックアウトされたクチです。

そしてこれ、手元にある10インチ盤は、いつリリースされたのかはよく分かりません。英国盤です。相棒のウィリー・ブラウンと1930年に旅してパラマウントに録音したという記録があり、その次に存在が確認されている音源は1941年8月、1942年7月、そしてもう次は1964年以降の録音になるかと思われます。

この盤に収録されている音源が歴史的価値のあるものであることは間違いないのですが、まあ私のような素人が語っても語り尽くせるものではありません。ただこういった音源ですら、手軽に耳にすることができる現代の音楽環境は驚かされます。

サブスクだのYouTubeだのというものが非常に有り難いとは思いますが、その中でも衆合知的にここまで捕捉することができることには、もう感謝するしかないでしょうね。


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