旅行に行くと、家族との関係が見つめなおせる

移住プロジェクト

夫が転勤になるかも?ということになり、旅行をかねて家族4人で候補の土地に来てみている。転勤といっても強制的なものではなく、手を挙げたら行けそう、ということだったので、いろいろと自分たちで決める余地もありそうで、子どもが小さいときはもう少し自然が多いところで育てたい、と考えている私たちのライフスタイルに合っていそう、という軽い気持ちで始まった小さなプロジェクトだ。二週間の旅程で、今日が5日目。

事前準備の保育園さがし

ひとまず長女が小学校にあがる前まで、と考えているので小学校区は考えなくてもいいか、となり、子どもの保育園から探し始めた。保育園が決まったらその近隣に住もうかと。私がリサーチを始めるよりも先に「よさそうなモンテッソーリ園があるんだよね〜」などと夫。ほお、ちゃっちゃと保育園を探しているんだな、と感心した。引っ越したところで子どもたちが保育園に入れなければ育休中の私も復職できなくて困るので保育園決めは大仕事。せっかくその地域を見に行くのならいくつか園見学もしたいねと話していた。

夫の役割、私の役割

でも私がリサーチし始めるといろいろなことがわかった。すごく基本的なことだけど、空きはあるのか?そもそもそこは保育園なのか(幼稚園という名称のこども園だったり、保育園という名称の習い事的なスクールだったりいろいろあった)?兄弟で申し込むと加点が付くか、それによって入りやすさがどのくらい異なるのか…。夫は何やら素敵なデザインの保育園のウェブサイトを眺めているが、それだけでは分からないことって山ほどある。そしてそういう情報をひとつひとつ施設に電話しながら集めるのはすべて私。出発前の一週間、ほぼ家にこもって各施設や市役所の保育課などに電話をかけまくった。通話記録には50件くらい残っていたかな。可哀想に、家にいる次女の相手を全然してやれなかった。

実は候補地が県をまたいだ全く別の二都市あった。だから二つの市の保育園を調べ、それぞれの自治体の保育園入所申し込みの仕組みを調べ、電話をかけまくり、などしていて出発前からへとへとだった。A市に一週間、B市に一週間、それぞれ短期滞在しながら平日は保育園見学、週末は車を借りてちょっとドライブして温泉に一泊しようか、とそんな旅の予定だった。ちなみに、行き帰りの航空券と温泉宿は夫が取った。泊まるところを見つけるセンスもこだわりも私には無いし、逆に夫はそういうのが好きなので夫に任せた。

保育園見学開始するも、夫は仕事!?

さて、A市に着いたのは土曜日。日曜日に車で遠出をして、月曜日、午前中に一園、午後に二園見学した。夕方サービスアパートメントに帰ってきて、まだまだ翌日からも毎日保育園の見学、ひと仕事だなぁ、と深呼吸していた。知らない土地、ヤイヤイ言う子ふたり(3歳9か月と1歳2か月)、新型コロナウイルスの感染予防、さらにそんな時期に遠方から移動してきて園見学させてくださいとお願いしている肩身の狭さ…。いろんな壁が目の前に立ちはだかっているし、一日だけ、夫は参加しないといけないオンライン会議があるというので私が子ふたりを連れて見学に行かなければならない日があって、楽しい旅行というよりも「こなさなければならない仕事」という感覚だった。ところが、「毎日有休を取る予定にはしていなかった」と夫。えっ!?よくよく聞いてみると、翌日からの火曜、水曜、木曜は滞在先のサービスアパートメントで仕事をするという。

いやいや。長女15キロはベビーカーの耐荷重を超えているがイヤイヤで歩かないのでベビーカーに乗せ、まだよちよち歩きの次女9キロを抱っこしなければならない。これで知らない土地の公共交通機関を乗り継ぎ園見学?説明を聞く間もちょろちょろ動き回るのでまともに話も聞けないだろうし、子ふたり分の水分補給、その他いろいろな荷物、大変だよ…。予定を決めようとすると、夫はいつも「状況次第」「まあ、調整かな」などと言葉を濁す。だから直前までどうすればいいか分からない。そう言う夫の提案に乗って楽しいこともある(こんな風に!)し、表面的なことでぐるぐる迷っている私よりもずっと深いところで夫が最善策を練っている、ということも多々ある。けれど、けれどー!一人で見学行くのはしんどいよ。

保育園見学の予定は、びっしり入れたら疲れるかな、と思ってところどころ空きの予定を作りながら入れていた。それで、「あと興味があるのはこことこことこことここだけど、行ってみたいところある?」と夫に聞いたが返事がない。「住みやすそうなエリアで絞ったらこことここになるけど、どう?」と聞いても返事がない。見学に行く当日になって、よりによってサービスアパートメントから徒歩で行ける範囲の園のときに「一緒に行くね〜」と言ってきたので、「えっ今日!?むしろ今日は私ひとりで子ども連れて行けるけど?明日の園はちょっと遠いから一緒に行ってくれると助かるけど」と言った。「明日は仕事が。でも動かせるかも」「じゃあ仕事の調整ついたら、園には電話してね。私はもう知らないから!」こんな感じでドタバタと決まっていく。私は、直前になって園見学の予定を変更したくない。稚拙だけど「せっかく私が予約したのに!」という思いもあるし、予定してくださっている先方に失礼だと思うからだ。でも夫はその場その場の状況で予定を変えて行く人。ぎりぎりで調整をかけたり、あとからうまくいかなかった事態を収拾したりする。そういう時、「それみろ」と思ってしまうことが多いが、夫はそこはあまり気にしないらしい。いろいろな状況の中でベストを尽くした、と思うみたい。それに、結局私の希望を叶えるために調整してくれているわけなので、そこに感謝はしているのだけど…。

いろいろありがながらも、この人が夫で良かったなと思えた

結局、夫が仕事をすると言っていた平日の3日間、一日は次女を見ながら仕事をしてくれたので私は長女だけを連れて見学に行き、もう一日は午前、午後とあった二件の見学のうち午後は一緒に着いてきてくれた。それが今日。明日はまた私が長女・次女のふたりを連れて一件見学に行かなければならないが、もう一息、と思うと頑張れる気がしてきた。

夫よ、予定を調整してくれてありがとう、という話ではなくて。心配性の私としては、事前に予定を立てて、荷物も心も準備万端にして出かけたいが、こうやって直前にいろいろ決まったり変更があったりしてそれをこなしていくのは、小さな挑戦を少しずつ経験するようで、終わったあと爽快な気分になる。なんや、夫にいらいらしつつも結構楽しいな〜。と、ようやく思えてきた、そんな旅の5日目。旅行に行くと、家族の新しい一面が見えたり家族と新しい関係が築けるようで楽しい。

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