名もなき文士の独り言 (要約:暇人の雑談) Ⅳ
最近noteの投稿をしていない男、再羅月。彼は新人賞を虎視眈々と狙い、応募用の原稿を作っていた。
彼自身、そのことを言い訳に投稿頻度の減少を許してもらおうと考えていたのだが、そもそも毎回読んでくれる読者が一人だけなので怒られることもないし、その原稿自体もこの1〜2ヶ月でたったの6ページしか書けていない。
言い訳など必要なかった上、言い訳も言い訳として成り立っていなかったのである。
そんな訳で今回もどうしようもないアルティメット☆怠惰マンの独り言を書き流していこうと思います。
話題① 最近観た映画の話 (3)
もはやレギュラー化したこの話題。今回は「ゴジラ -1.0」、「2001年 宇宙の旅」、「ブレードランナー」、「セッション」についてです。
まずは「セッション」から。
最初の映画館で受付の女の子に告白したシーンから、なんとなく『プラダを着た悪魔』の主人公が仕事と彼氏で悩んだようなことが起こるんじゃないのかなぁ〜と考えましたね。ドラマーとしての技術の向上のために練習する時間が必要、だけど彼女との時間も要る、みたいなね。最終的に主人公がどっちを取るのかは、読者の皆さんが実際に見て確認してみてください。
それはそれとして、この映画に関して触れるべきは鬼教師・フレッチャーとラストのソロパフォーマンスでしょう。
フレッチャー先生は、私が結構苦手なタイプの先生ですね。ただ音楽の完全性といいますか、音楽を突き詰める姿勢というのは尊敬の念を抱くほどでした。しかしそれを奏者に求めるときにキツくなり過ぎるといいますかね…。ただその指導方法も伝説のジャズ奏者を育てるため、というしっかりとした理念を持っていたのでタチが悪い訳じゃないんですよ。最後のソロパフォーマンスで主人公のドラムセットがズレたときに直してあげるとか、演奏を中止しなかったところとか、そういう点から先生は信念を持って指導していたんだなぁ、と感じましたね。信念がなかったらただのキレやすい酷い教師ですよ。
そして最後のソロパフォーマンス。一度でもミスをすればもうオファーの声はかからないと言われる演奏会でフレッチャー先生に大恥をかかされ、一度舞台袖に逃げるのですが、何かを決意して再びドラムセットの前に腰を下ろします。そしてフレッチャー先生のスピーチを遮り、Caravanの演奏を始める…。カメラワークもあえてブラしたり、叩くドラムを追ったりすることで躍動感を表現するなど、演奏(音)をカメラワーク(映像)がより引き立たせている。見ていて興奮しましたね。あそこまで映画の世界を近く感じたのは久しぶりでしたよ。
まぁ最後のソロパフォーマンスを言葉だけで表現するのはナンセンス極まりないのでね。是非見てみてください。
「2001年 宇宙の旅」は各所で名作と言われていたので気になっていたんですよ。という訳で観てみたのですが、率直に感想を述べると「退屈」でしたね。話の盛り上がりがないんですよ。エンタメ的な映画というよりかは、画角とか画面構成とかに焦点を当てた芸術的な映画でした。
しかしこの映画で私が一番すごいと思った点は、撮影方法なんですよね。いまどき宇宙映画を撮ろうとしたら、まぁCGを使うじゃないですか。無重力空間も、遠心力を用いて擬似重力を作っている宇宙船も、CGを使えば一発で表現できますよね(ゼロ・グラビティとかオデッセイとか)。でもこの映画が撮影されたのは1968年。1968年ですよ?いまから55年前に撮影されたんですよ。
映画でCGが使われ始めたのが1980年代のことなので、この映画はCGが使われてない訳なんです。なのにまるでCGで撮影されているかのような映像が流れてくるんですよ!
たとえば木星探査に向かう宇宙船でのワンシーン。遠心力の擬似重力を使っている宇宙船なんですが、小さい宇宙船なのでハムスターの回し車みたいになってるんですよ。そんな宇宙船でランニングする船員のシーンなのですが、この表現がすごい。(注:以下の撮影方法は私の憶測にすぎません。ファクトチェックは各々でお願いします)巨大な回し車風宇宙船のセットを回転させ、セットに固定しているカメラの映像を流す。すると撮影中に演者が重力を無視してるんじゃないのって思うような映像になるんですよ。例えるなら、初代仮面ライダーのオープニングのバイクで走るシーンで、背景の木を動かすことで静止しているバイクが走っているように見える、みたいなね。動いているものが止まっているように見えて、止まっているものが動いているように見えるっていう、CGがない時代だったからこその工夫があって見ていて面白かったですね。
話自体は退屈(超失礼ですが、私はそう感じました)なんですが、芸術的な面とか撮影方法の工夫とかは目を見張るものがあるので、映画中堅者は「こういう映画がある」という経験を得るために観るのはどうでしょうか。
続いて「ブレードランナー」。この映画には本作と「ブレードランナー 2049」っていう2種類があって、今回見た作品は古いためなかなかサブスクに落ちてなかったんですよね。ゲオとかTSUTAYAに行かなきゃな〜と考えていたら、なんとU-NEXTにあったんですよ。ありがとよ、U-NEXT。
それはそうとして、この作品は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』というフィリップ・K・ディックの小説が原作になっていて、この本を読んだときに映画の存在を知ったんですよね。んでなんとな〜く気になっていたら、Cyberpunk2077の墓地にロイ・バッティ(小説、映画の登場人物)が映画の劇中に言ったセリフが書いてあったので、「これは観るしかないな」と。
映画を観て思った感想は「Cyberpunk2077、めちゃくちゃ影響受けてんじゃん」。ナイトシティを飛んでいる広告を載せている飛行船も、少し太ったやつが劇中出てきましたし、プリスという登場人物の見た目が思いっきりサイバーパンクのミスティなんですよね。まぁのばまんさんが「この世の創作物は何かしらの影響を受けており、完全なオリジナルは存在しない」と言ってますし、私もこれについてナンセンスなことをウダウダ言う気はありません。ただ観てて「このシーンとかからインスパイア受けてそうだな」みたいなことはよくありましたね。
この映画が撮影されたのがバック・トゥ・ザ・フューチャーの3年前、1982年なのですが、セットの作り込みがとにかくすごい。世界観を本気で作ってましたね。
そして極め付け。「ゴジラ -1.0」です。
前回か前々回くらいに私がゴジラファンであることを書いたのですが、まぁそういうわけで今回の映画も見に行ったんですよね。んでこの映画の私の感想は「これだよ、これこそゴジラだよ」です。
ここ最近のゴジラ、つまりハリウッド版のモンスターバースシリーズやアニメーション版、あとは庵野監督のゴジラとかは「ゴジラ」とはまた違ったものだったんですよ。それまで二十何作積み上げられてきたゴジラという歴史とは一味違う、言うならばゴジラっぽいやつなんですよね。もちろん、ハリウッド版の製作陣も日本のゴジラという一文化に対して敬意を持ってくれていることも知っていますし、庵野監督だって大の特撮好きということも知っています。
では、ハリウッド版ゴジラと庵野ゴジラが従来のゴジラとどう違ったのか。それを自分なりに解析してみました。
まずハリウッド版ゴジラ。これはなんというか、ゴジラが生物すぎた、といいますかね。鳴き声や動き、佇まいのどれをとっても「でかいトカゲ」か「でかい恐竜」みたいなんですよ。ゴジラというのは「神と生物の中間の存在」だと私は考えているので、この生物すぎるゴジラに少し違和感があったんです。神:生物=2:8くらいの割合ですかね。
続いて庵野ゴジラ。これはハリウッド版と逆で、神に近づきすぎた。神々しすぎるんですよね。悍ましい造形(生物らしくない造形)に、仏像などをモチーフにした上を向く手。何を考えているのか分からない顔と目。美しく恐ろしい熱線攻撃。黙示録的といいますかね。そしてこれは私の好みなのですが、熱線が紫色だったのがいただけない。しかし思い返せばエヴァも初号機のメインカラーが紫だったりしましたし、庵野監督は紫色が好きなのかもしれませんね。まぁそういうわけでゴジラにしてはゴジラらしくないゴジラでした。
では、今作のゴジラはどうだったのか。言わずもがな、最高です。生き物すぎず、神すぎない。従来のゴジラという感じがすごかったです。造形は平成ゴジラっぽく、背びれもそれに影響を受けつつアレンジを加えていてとても良かったです。そしてここ最近のゴジラ映画のヤマ、熱線シーンの演出は見どころでしたね。モンスターバースの一作目では尻尾から順番に青くなり全体が青くなると発射、シン・ゴジラは顎が二つに分かれ背びれが赤色から青色に変わるなど、ここ最近の作品ではこのワンシーンをこだわる傾向があります(超個人的視点)。では今作のゴジラはどうなのか。それは、是非劇場で確認してください。
そしてなにより、音楽です。ゴジラ ファイナルウォーズがゴジラシリーズの一区切りになるわけですが、それ以降の作品でぜんぜん使われなかったものがあります。それが、「ゴジラのテーマ」です。一応シン・ゴジラでは「キングコング対ゴジラ」が使われていますが、個人的にはマイナスワンのほうが効果的に使われていた気がしましたね。というのも、ここ最近の作品に全然登場しない楽曲でしたので不意打ち状態だったんです。モンスターバースシリーズではおそらくゴジラのテーマは一度も使われてないんじゃないんですかね。シン・ゴジラでの記憶が薄いのは、おそらく「Who will knows」のほうがインパクトがあったからだと思います。
そして最後、目線。今までのゴジラは街を破壊する存在だったのですが、今回はとにかく人間を殺しにきてる。というよりかは、殺される人間によりフォーカスを当てている気がします。この点に関してはやはりCG技術の発展でできた技なのかもしれないな、とも思っています。
まぁとりあえず、今作のゴジラはとにかくすごいので映画館で見れるうちに見に行ってください。あの咆哮は映画館の大音量で聞いたほうがずっと良いです。みんな、見に行けよな?
話題② 光陰矢の如し
もうすぐ12月ですね。というよりかは、もう12月ですね。
ついこの間夏休みの猛暑に頭を狂わせていたのに、いつの間にかマフラーを巻かないと寒く感じるようになりました。
最近時間が過ぎるのが早くなりましてね、嬉しい反面面倒なんですよ。なんでかって言うと課題が全然終わらないからですね。時間が過ぎていくのが早い、というのはよく「楽しい時間」とか「嬉しい時間」とかの喩えで使われますが、私の場合はつまらな過ぎる故のものなんですよ。
一学期ぐらいはあまりにも毎日が退屈すぎて地獄だったんですけど、しばらくするとオートモードの力を手に入れまして。一日(起床〜学校から家に帰ってくるまで)を無意識で過ごすことができるんです。哲学的ゾンビみたいな感じですね。
まぁそんなわけで一日のうち意識があるのは17:30から寝る前までのだいたい6、7時間なので時間が過ぎていくのが早いというわけですね。
さて、なんでこんなど〜でもいいことを書いたかというと、なにか二つ目の話題に関して書かないと雑談垂れ流しではなくただの映画感想になるからですね。そんなわけでこの話は以上です。
マトメ
もうすぐ12月ですね。みなさんはクリスマスをともにする彼氏・彼女がいますか?私は〜・・・。私は〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ということでみなさま、今年の終わりも楽しんでくださいね。そして来年もこの文士気取りのクソ野郎をどうぞよろしくお願いします。