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再羅月 綾辭
2024年5月29日 23:12
1月はマックスの好きな月だった。時計が午後9時を打つ今、薄暗い部屋の片隅で彼は窓の外の雪を眺めていた。 エアコンは動いていたが、彼の好みでそこまで部屋を暖めることはなかった。部屋の明かりは、彼がつい先ほどその殆どを消した。その方が、外をよく眺められると彼は考えていたためである。薄ら暗い部屋、オレンジ色の灯りが一つ、仄かな光をサラサラとダイニングテーブルの上に落としていた。 彼はかれこれ、30