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「為替相場の不安定性理論」no.3-1

  古典的な加速的インフレ―ションモデルを幾つか取り上げて、開放マクロ経済モデルに拡張して、為替相場の不安定性を分析することにしょう。周知のようにこのモデルの最終均衡は、閉鎖経済モデルであっても、一般的には安定とはならない。閉鎖経済モデルの安定条件の経済的意味はよく知られている。この安定条件が導出されることは、決定的に次の仮定に依存している。政府の財政支出政策は、実質政府支出を政策変数としているが、中央銀行は名目貨幣供給を政策変数としている。政府は政策を実質する過程で貨幣錯覚を持たないが、中央銀行は貨幣錯覚に陥る(後に名目利子率決定のテイラー・ルールをLM曲線の代わりに接続する場合も同様の問題が生じる)。この非対称な取り扱いをなくせば、最終均衡は安定となるか、これが一つの重要な論点である。財政政策は名目政府支出が政策変数として、中央銀行の金融政策変数は実質貨幣供給とする、カウンター・アシンメトリーの場合、閉鎖経済モデルでは異なった安定条件が導出される。
 部分的な名目為替相場決定モデルを接合した加速的インフレ開放マクロ経済モデルでは、この閉鎖経済の安定条件にどのような条件が付けくわえられるであろうか、これが問題となるもう一つの論点である。

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