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ソロ旅 北海道一周旅行記 前編 〜 稚内・網走編

はじめに

2024年9月、7日間かけて北海道を旅行してきました。厳密には一周とは言えませんが、今まで行けなかった道北、道東、そして函館方面を巡ってきました。 (当初は新千歳空港を発着地点にして北海道一周を目指していましたが、どう考えても1週間では足りないと判断し、計画を変更しました。また、富良野や美瑛にも行きたかったのですが、オフシーズンということもあり、今回は優先度を下げることにしました。)

ちょうどお盆や正月以外で1週間の休暇を取れる機会があり、元々は東北一周か中国・四国巡りのどちらかを計画していました。しかし、北海道の鉄道路線の多くがいつ廃線になってもおかしくない状況であり、特に北海道新幹線の並行在来線はほぼ廃線が決まっています。そうした状況を踏まえると、普段行きづらい道北や道東を電車で巡るのはこれが最後のチャンスかもしれないと思い、北海道旅行を決行しました。

もう一つの理由として、非常にお得な「北海道フリーパス」の存在があります。このフリーパスは、連続する7日間、JR北海道の全線が乗り放題で、さらに指定席も6回まで無料で利用でき、価格は3万円以下という破格の切符です。このフリーパスがなければ、北海道一周を計画することはなかったでしょう。まとまった休みが取れた今、そしてこのお得な切符が廃止される前に、北海道を巡る決意を固めたのです。
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006980/

余談ですが、旅行前に予習として、『ゴールデンカムイ』のアニメを第4期まで観ました。とても面白かったので、皆さんも北海道を一周する機会があれば是非観てください。

1日目 〜 東京から最北端へ!

羽田空港から稚内空港へのANA直行便に乗りました。この便は1日1便しかありません。
当日の朝は強風で条件付き運行とのことで、到着できるか不安でしたが、結果的に無事到着し一安心。

羽田空港で飛行機を待っている時の写真
燦然と輝く稚内行きの文字
最北端への旅立ちを想うと胸が弾みます

後で知ったのですが、稚内は風が強く、風力発電が盛んに行われているそうです。

稚内には至る所に風力発電機が設置されていました

稚内空港は、これまで利用した空港の中で最も小さな空港でした。次点で鹿児島空港ですが、それでも大きな差がありますね。

想像の3倍くらい小さかった稚内空港

空港から「てっぺんアクティブバス」に乗り、宗谷岬へ向かいました。このバスがなければ宗谷岬は諦めていたかもしれません。

宗谷岬行きのてっぺんアクティブバス
行きは3人、帰りは1人しか乗っていませんでした

途中、宗谷丘陵にも寄りました。氷河の名残でできた小さな谷があり、珍しい地形だそうです。日本ではここだけで見られる風景とのこと。

ちょっと難し目のゴルフコースみたいな宗谷丘陵の周氷河地形

その後、宗谷岬と近くの宗谷公園を散策しました。ここは現在、日本で私たちが自由に行き来できる最北端の地です。

最北端の記念碑
この記念碑は見たことがあるという人も多いのではないでしょうか

天気が良ければ樺太が見えるそうですが、残念ながらこの日は見えませんでした。稚内は樺太に近いこともあり、戦争や平和をテーマにした展示が多く、そうした歴史を感じさせる場所でした。

記念碑のすぐ裏手にある宗谷公園
平和を願うモニュメントがいくつもありました
日本最北端の自販機
近くには日本最北端のガソリンスタンドもありました

その後、バスで稚内駅へ移動し、徒歩数分の「ゲストハウス モシリパ」に宿泊しました。1泊5000円とリーズナブルで、立地も良く、観光の拠点として最適でした。

ゲストハウス モシリパ
レンタサイクルを貸し出していたり、翌日の観光時も昼過ぎまで荷物を預かってもらったりと、拠点としてかなりお世話になりました
日本最北端の駅・稚内駅
ここから鹿児島の枕崎駅まで、ずっと列車が敷かれています
最北端の道路
昔はこの先に稚内港駅があったり、樺太を経てユーラシア大陸に路線を繋げる計画があったそうですが、今や絶望的です
防波堤ドーム
稚内-樺太大泊間の旧稚泊航路整備の一環として、冬季の北西越波防止のために建設された半アーチ式ドームです

夕食はエゾシカのステーキをいただきました。食感は牛肉に近く、後からジビエ特有の風味が広がります。ジビエの臭みが苦手な方もいるかもしれませんが、私は気になりませんでした。近くのスーパーでもエゾシカ肉が普通に売られていて、地域特有の食文化を感じました。

エゾシカのステーキ

疲れたので1日目はここで就寝しました。

2日目 〜 稚内市内観光と7時間の大移動

朝ごはんはエゾシカカレー。バターでじっくり炒めた玉ねぎがアクセントとなり、めちゃくちゃ美味しいカレーでした。昨晩とは違い、ジビエ特有の臭みはほとんど感じられませんでした。

エゾシカカレー

本日は快晴。宿でレンタサイクルを借りて、稚内市内を自転車で観光することにしました。

4時間で1000円、電動アシストなしの普通のママチャリでした

まず、自転車で20分かけてノシャップ岬へ向かいました。ノシャップ岬からは利尻富士と礼文島が美しく見えました。

後ろに見える綺麗な山が利尻島の利尻富士、右に見える薄い島が礼文島です

近くにあった「わっかりうむ」(水族館・科学館)を見学。南極関連の展示があり、樺太犬のタロとジロにまつわる展示もありました。『ゴールデンカムイ』でも樺太は犬ぞりで移動していましたね。

わっかりうむのペンギン
クトゥルフ神話に出てきそうな怖いヒトデ
南極関連の展示

その後、自転車で「樺太記念館」へ行き、樺太の開拓史や資料を見ました。いつか樺太へ手軽に行けるようになったら、ぜひ訪れてみたいです。

樺太の歴史が展示されていました

お昼は「海鮮炉端 うろこ亭」で稚内名物のたこしゃぶとムラサキウニをいただきました。たこしゃぶは湯通しすることで味が引き締まり、出汁の旨味と相まって美味しかったです。ミズダコが柔らかく味が薄いため、美味しく食べる方法として考案された料理とのこと。湯通しの時間によって食感が変わるので、食べ比べるのが楽しかったです。ムラサキウニは濃厚で、ウニが苦手な人でも食べやすいかもしれません。

海鮮炉端 うろこ亭
人気店らしいですが、微妙にオフシーズンなので閑散としていました
たこしゃぶ定食とムラサキウニ
たこしゃぶは桃鉄で見て気になっていたので、無事食べられてよかったです

その後、「ヤムワッカナイ温泉 港のゆ」でのんびり。680円でサウナ付き露天風呂が楽しめる天然温泉でした。アルカリ性で、肌がぬるぬるする感じのお湯でした。海風が心地よく、サウナでととのいやすい環境だったのもGood。個人的には今回の旅のベスト温泉でした。

ヤムワッカナイ温泉 港のゆ
港の綺麗な景色が見えるいい温泉でした

レンタサイクルを返却して稚内に別れを告げ、特急「サロベツ」に乗車。日本最北端の駅を通過し、旭川へ向かいました。旭川で特急「大雪」に乗り換え、7時間以上の大移動。網走駅に到着した時にはすっかり夜になっていました。網走は、稚内に比べてかなり肌寒く感じました。

稚内駅構内
特急サロベツ
稚内から天塩中川、音威子府、名寄、和寒などを経て旭川までを繋ぐ特急列車です
途中に、日本海に浮かぶ利尻富士が見えました
途中の旭川駅では、「旭豆」を購入
旭川以外にはほとんど売っていない地元土産なので、ちょっと多めに買いました
特急大雪(たいせつ)
旭川から遠軽駅でスイッチバックして網走まで運行する特急列車です
21時頃の網走駅
降りる客も少なく、ほとんど誰もいませんでした

宿泊は「ドーミーイン」1泊9000円。充実したサービスと天然温泉が魅力のビジネスホテルです。以前から泊まってみたかったので良い機会でした。

ドーミーイン

夜も遅いので急いで夕食。
網走といえば網走ビール!ということで、飲み比べができるこちらのお店を訪問。
注文したのは、網走ビール4種飲み比べ(1100円)です。
流氷ドラフトは柑橘系のフルーティな味で、その見た目も相まって女性人気も高そうです。
ホワイトエールは口当たりだけで他と区別が付くほどに飲み口がまろやかでした。
監獄の黒はハードでビターな味な反面、決して雑な味ではなくコクがあって、丁寧に作られているのを感じました。
網走プレミアムは一番スタンダードなビールといった印象でした。

網走ビール館
時間が遅かったため、入店した時はラストオーダー直前でした
網走ビール4点セット
ラム肉はしっかり下味がついていて、ビールのアテとして最高でした

ドーミーイン名物の夜鳴きそばをいただき、サービススイーツも楽しんでから、洗濯をして就寝しました。

続く

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