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宇都宮へ~ピアノ・リサイタルとカフェ

出足が遅れ、東京オペラシティ・コンサートホールもサントリーホールもすでにチケット完売。
亀井聖矢凱旋ピアノリサイタルツァーのスケジュールを見ていたら、宇都宮市文化会館小ホールというのがあった。

座席数500 使用ピアノはカワイフルコンサートピアノ(SK-EX)
しかもチケット代 2,500円!
行くっきゃないでしょ。
亀井聖矢くんの ラ・ヴァルスと「ペトルーシュカ」からの3楽章 をぜひ聴きたい。

固定電話とスマホでチケット発売開始時間から10分間電話をかけ続け、繋がり、チケットget!

宇都宮へのプチ旅、決定。


旅とコンサート@宇都宮 Again!

前回2月のコンサート は午後2時開演だったから新幹線往復で日帰り。
今回は午後6時30分開演、最終新幹線に乗れば日帰りはできるけれど、「石の蔵」でランチをしたいから一泊二日。

新幹線ではなく在来線で2時間30分かけてのプチ旅

千葉県ー埼玉県ー栃木県と電車は走る。
曇天の長閑な田畑の風景を眺めているうちにJR宇都宮駅着。

宇都宮というとやはり餃子 
大谷石で作られた、餃子の皮に包まれた
餃子のビーナス」

駅前のホテルにチェックイン

ゆっくりしてから、大谷石の蔵をリノベーションしたカフェに立ち寄ろう。

どこがいいだろうかとスマホで検索、決める。
ここなら徒歩圏だからゆっくりカフェオレでも飲んでからリサイタル会場に行けばいい。

カフェギャラリー柚 cafe gallery yuzu

川にかかる橋を渡ったらすぐ、街中の住宅街に古民家があった。

植え込みのコンクリートに埋め込まれたお皿がぱっと目に飛び込んできた

ここだけがタイムスリップしたような雰囲気。
間口は狭いけれど、京都の町屋のように奥へと広がっている。

甕に生けられた6月の花あしらい
「アナベルですね」
「今朝友だちが持って来てくれたんです」とマダム

築70年の蔵をリノベーションした店内

高い天井と梁が生かされたインテリア 
白壁と木とランプシェードが醸す雰囲気に懐かしさを抱く
大谷石の蔵がここにも息づいている

「ここに座ってもいいですか?」
と長い一枚板を使ったテーブル席を選ぶ。

一枚板の長いテーブル 大好きなテーブル!

メニューを見るとまだ 柚のおまかせプレートランチ¥1,280 があったのでかなり早めの夕飯をいただくことにした。
「家庭料理をいろいろ盛り付けたランチです」とおっしゃる。

最初にお茶と煮物
次に日替りの旬の揚げ物と彩り豊かな小鉢3種
ご飯(豆ごはん)とお味噌汁

野菜もたくさん摂れて、迷うぐらい色々な料理が盛り付けてあって、嬉しくなる。

食後にミニみつ豆と+料金でカフェオレ

たっぷりの温かいカフェオレにほぉ~っと息をつき、リラックス。


午後4時半 歩いて会場へ向かった。

一度来ているから道順は大体わかる。
午後5時前に着く。

わぁ、冬と比べて欅が見事な緑!

それにしてもどうもリサイタルがあるような様子じゃない…ような。

今日のポスターはどこにもない

おかしいなと思い、訊ねてみる。

「ここは栃木県総合文化センターでございます」

宇都宮市文化会館ではないですと?
宇都宮市のホール=ここ!という思い込み。

「バスはここからはありません。車で20分はかかります」ですと!
メイン道路に出てタクシーを捕まえ、会場にむかい、午後5時5分着。
(今回は交通費をとことん節約、のつもりがタクシー代1,500円也)

すごい人の列!(これは前の席は取れないかな)と思ったら、列は大ホールのスピッツのコンサート客、安心。
午後6時開場、5列目の席に座れ、ほっと一息。

ショパンコンクール入賞の 反田恭平凱旋コンサート を聴きに行って以来、凱旋コンサート(リサイタル)はチケットが手に入るのであれば聴きに行きたい。
ピアニストの若くほとばしる熱量とピアニストへの深い思いが詰まった聴衆とが作り上げるライブ感は、心に刻まれるからだ。

ロン=ティボー国際音楽コンクール第一位&聴衆賞&評論家賞受賞の凱旋ピアノ・リサイタル!21歳の若きピアニスト亀井聖矢。
「世界が注目しはじめたばかりの、大いなる原石」というキャッチコピーを思い浮かべる。

SKーEX

午後6時30分開演

満席のホールに拍手、背も高くルックスにも恵まれた亀井くん登場、演奏が始まる。

Program
ショパン  
マズルカ Op.59
幻想曲
アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ Op.22

ラヴェル       
ラ・ヴァルス
亡き王女のためのパヴァーヌ
ストラヴィンスキー 
「ペトルーシュカ」からの3楽章

大きなホールのように音群が天井から降り注ぎホールに充ちるという音体感ではなく、ダイレクトに音がまっすぐ伝わってくる。
表情、タッチ、高い位置からの大胆なペダル使い、恵まれた大きな手、それらがはっきりと見て取れる。
前半と後半では全く違うニュアンスのプログラム構成。
デリケートなニュアンスから、うねり重なり響くジャジーな音。
幻想曲 に魅せられた。

後半「ペトルーシュカ」からの3楽章 は身震い。
出だしのリズム、緊張感から、特に2楽章からはペトルーシュカが憑依したのではないかというぐらいの鬼気迫る演奏。
彼はリズムをガンガン刻む、ペダルの踏み方も独特でアクションが大きく、左足は床を打つ、そうすると背は高い、腕は長い、手は大きいからすさまじいパワーとなる。
若いそのエネルギーたるや、圧巻。
スタンディングオベーション。


アンコールは リストのラ・カンパネラ 
予想通り、誰もが聴きたかったアンコール曲。
演奏後半3分過ぎるころからの荒ぶる鐘の如きピアノ演奏に、心を鷲掴みにされ、リサイタルは終わる。

宇都宮市文化会館小ホール

バス停からバスでJR宇都宮駅まで乗る。220円!
おそらく乗客のほとんどが首都圏からの観客。
コンビニで翌朝のカフェオレ用の牛乳を買って、ホテルへ直帰。

翌朝 ドリップコーヒを淹れてカフェオレ

昨夜のリサイタルを反芻する。至福の時間。

ホテルは18平米以上&シモンズベッドで快適な眠り

ゆっくり過ごしてから午前11時にチェックアウト。

「石の蔵」へ向かう。

蔦が大谷石の外壁をグリーンに彩る。

まぁまぁの青空
期待通りのおいしいランチ


ああ、すべてが心地よい。
さて電車に揺られて帰りましょうかね。

なんてステキな宇都宮プチ旅


(前回訪れたカトリック松が峰教会)

大谷石建築としては現存最大級のロマネスク・リヴァイヴァル建築であり、1998年に国の登録有形文化財に登録されたカトリック松が峯教会。

枝垂れ白梅が清ら

次回は大谷石資料館を是が非でも訪れよう。
(平日の開館すぐ、まだ誰もいない時間に)


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