見出し画像

田舎庵日日屋「鰻せいろ蒸し」 うなぎ藤田「うな重」

鰻好き。うな重好き。

思い返せばいろんな鰻屋でうな重を食してきたわけで。
湯島、根津、上野、中葛西、高田馬場、浦和と思い返せば幾らでも。
出雲にも、もちろん忘れられない名店あり、あとは浜松と北九州市か?

土用丑の日(7月30日)を前に、私の 忘れられない店 note

うなぎ藤田 浜松 駅前店


■ 黒崎「田舎庵いなかあん日日屋ひびや

北九州市へ帰ると、黒崎「田舎庵日日屋」へ行きたいと切に思う。
店の佇まいよし、何より絶品鰻せいろ蒸しが食べられる店!

黒崎駅の近く
趣のある店構え

この李朝箪笥に魅せられて何十年

店がオープンしたのが40年近く前ということだから、私たちも40年近く来ていることになる。
亡き義母のお気に入りのお店で、「いっちょ鰻食べに行かんとね」の一言で、みんなでよく来たものだ。

初めて訪れたとき、玄関を入ってすぐに目に飛び込んできたのがこの李朝箪笥で、それ以来私は李朝家具に魅せられている。 
結局李朝箪笥を買うことはなく、二本松箪笥を買ったのだけれど、いつ訪れてもこの李朝箪笥の美しさはちっとも変わっていない。

頼むのはもちろん「鰻のせいろ蒸し 竹」

年季の入った箱せいろ、漆塗りの外枠、日本の什器の美。

薄焼き玉子が幅広リボンのようです
湯気とともに供される

お吸い物も浮き実がいつもしゃれている
白菜漬けも旨い

鰻せいろ蒸しもうな重も
ほんの一息ついて少し湯気が落ち着いたころが
おいしいと思うのです

うなぎは外側は香ばしくかりっ 
中はふっくら

川魚は120%火を通す事で生くさみが取れるそうで、深く焼き込むのがこの店の特徴、タレは九州の蒲焼の中では甘さ控えめなのだそうだ。 

箱せいろの隅っこの米粒一粒残すことなく、味わう。

ああ、夫の故郷に帰って来たなと思う店


■ うなぎ藤田 浜松駅前店

2022年5月、アクトシティ浜松大ホールでの佐渡裕/反田恭平 新日本フィルハーモニー交響楽団 50周年記念演奏会を聴きに一人で浜松一泊二日のプチ旅、せっかく浜松に来たのだからと「うな重」を食べたのがこのお店。

創業明治25年の浜松の老舗うなぎ料理店「うなぎ藤田 浜松駅店」
駅前という地の利と食べログ参考にチョイス。
(木曜日は浜松は定休日が多い)

ビルの2F
落ち着いたモダンな和の店構え

うな重(花)4,565円 注文

奮発しちゃうぞ。浜松に来たんだもの。

店内は大盛況
予約していてよかった

少し待ってうな重(花)がテーブルに並べられた。

肝吸いと香の物付き

備長炭で焼かれた鰻がのったうな重!

思わず「わぁ~おいしそ~」と声が出る。

この焼き加減!絶妙です

ああ、贅沢させてもらいます、ではいただきます。

外は少しパリッ、お醤油の味がしっかり効いている?
甘すぎないのが何より。身は白くふぅわり、上品かつ鰻って白身の魚なのよねと感じさせるおいしさ。
小骨なんて全くなし、技あり。
ごはんもちょうどよい炊き具合。

関東風の蒸しが入った焼き方なので、脂っぽくもない。

うーーーん、これは素晴らしい
この美しい白身!

うなぎ、お米、たれの三味一体の成せる最高のうな重。

ほんのり昆布出汁の香りの肝吸いも、おいしくいただいた。

浜松満喫ひとり旅 

支払いを済ませ、エントランスでガラス越しに見える鰻の焼きを、じーーーっと見せてもらった。

(撮影許可をいただいています)

ごはんをよそったお茶碗と箸を持って
香ばしい匂いに包まれて焼きを見るだけで
白ごはんをモリモリ食べられると思う!

職人技に目が釘付け!


何度も焼き具合を確かめながらの 
丁寧な焼き


秘伝のたれ
”うなぎ藤田のたれは、50年以上の歴史がある継ぎ足しのたれで、
大切に毎日継ぎ足しながら伝承されてきた秘伝のたれ”


”一勤一休(一日使ったら、一日休ませること)により、
たれの旨みが凝縮されたたれは、
うなぎ藤田の歴史そのもの”


静かに熱を発す備長炭


これで仕上がり 
お重のごはんに盛り付けて
お客さんに供される

貴重な高級食材であるうなぎを大切にする心で、美味しさを追求した「素材と技のうなぎ」

堪能させていただきました。ごちそう様。


■ 出雲のうなぎ料理店

美食の町、出雲にもうなぎ専門店多く在り。

創業大正13年の出雲の老舗うなぎ屋「うなぎ専門店 料亭ひがしや」
落ち着いた雰囲気の大広間でいただくうな重は格別で、島根県神西湖産、宍道湖産の天然うなぎを主に扱っている天然うなぎ専門店。
(写真なし)


はたご小田温泉 「食事処茶寮清泉亭せいせんてい

創業は大正11年、自家源泉を有し、客室は大小あわせて六室という小さな宿、隣接する食事処、茶寮清泉亭では食事のみの利用もできるので、晩年の義母を連れてよく伺った。

島根県出雲市多伎町にあるはたご小田温泉


心地よく手入れされた庭屋敷
古き物たちが生かされたインテリア

義母の好物がうな重で、食の細くなった晩年もぺろりと完食。

神西湖は天然鰻の名産地
ただ安定供給できるほど獲れないため、浜名湖など静岡の鰻をお店でさばいて、
蒸さないで、秘伝のたれで焼いた鰻だそうだ

100年続くコクと旨みがしっかり詰まった秘伝のたれが人気のうな重

むちむちというほどではない、ちょうどよい触感の鰻の身と、外側のぱりっと香ばしく焼けた身とのバランスが、それはそれはおいしいうな重。


忘れられない店というのは、そこにそのときの心情と特別な思い出があるからだ。

ああ、うな重食べたくなりました。


いいなと思ったら応援しよう!