小正月は小豆粥で 一汁五菜
小正月の朝、小豆粥をいただく。
一月十五日の朝、朝といっても少し遅めの朝ごはんといった時間ではありますが。
元旦を大正月と呼ぶのに対して一月十五日(旧暦では満月の日)を小正月、女正月などと呼び、中国で古くから赤い色の食べ物は邪気を祓うと考えられていた小豆を入れた小豆粥を、一年間の無病息災を願って食べます。
前夜、小豆をゆでておき、糠漬けを漬け、精進煮を作り、鰤を醤油麹と梅酒でマリネしておきます。
十五日の朝、小豆粥を炊き、お味噌汁とブロッコリーの一品を作り、小豆粥が炊けるのに合わせて鰤を焼きます。
小豆粥の穏やかでやさしい味わいに、ほっこり。
五目精進煮もお出汁は干し椎茸と昆布だけ、調味料も醤油とお塩、純米酒だけなのに、油揚げも人参もどれも自然の甘さでおいしいことといったら!
スプラウトまみれのブロッコリーはお醤油味が多い献立の中で、粒マスタードとオリーブオイルという調味で、献立の息抜きになってくれます。
小豆粥にはお塩を加えないで炊き、いただくときによそった小豆粥に自分でおいしいお塩をぱらりと振ります。
私が小豆ごはんのことを知ったのは、昭和五十五年発刊されてすぐに買って読んだ「大村しげの京のおばんざい」に記載されていたからです。
小豆粥ではありませんが、京のおばんざいでは毎月一日と十五日は小豆ごはんと副菜が決められているお決まり料理があるということを知り、早速私も真似をしてみたのでした。
それから二十四節気のことを知り、日本の行事食に興味を持ち、自分なりの二十四節気の献立を作って楽しんだものです。そして今でも、すべてではありませんが、気が向くと行事食などを作って暮らしを楽しんでいます。
それが私のささやかな生活の張りなのかもしれません。
スーパーでは節分の恵方巻きのポスターがデデーンと目立ちます。
いや、だけどそんなにせかさないでほしい!
そう思う一月中旬。
*作り方などはレシピに詳しく記してあります。