19世紀のレズビアンと美術のジェンダートラブル いつだって百合(卒業論文)
この論文では、ロートレックの作品を通して、19世紀の女性同性愛者(レズビアンという言葉はまだ一般的ではんかった)たちの姿を、美術史の中に浮かび上がらせようとした。
本文中にもある通り、ロートレックは19世紀の男性という枠の中にとどまっている。その作品の受容の在り方は、ひどく差別的なものだった。
しかし、彼の作品の中にいた女性たちは力強く、彼の作品の在り方を破壊する。私は、彼女たちと、百年以上前のまだ生まれて間もない同性愛者たちと連帯したかった。彼女たちと、言葉を交わしたかった。私は従来の画家や研究者によって「所有」された女性同性愛者たちを解放したかった。そうした女性の姿を美術史の中に取り戻し未来につなげることが、この論文の思惑だった。
レズビアンやトランスといったマイノリティは時に女性の抱える課題の中から周縁化される。この論文は本当に小さなものだけど、男性の中から女性という主体を回復するものである。
東京芸術大学芸術学科西洋美術史専攻の卒業論文。
本文PDF
本論
https://drive.google.com/open?id=1XTSm8-PLYvApRHN3ant8a8ZVTfOfTEWb
図版
https://drive.google.com/open?id=1cgFPhvFt-AdniPdfFMwJhRaWFJYftnNR
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