『ばあ様が倒れた日』の神秘体験
ばあ様が突然、ドスン、と玄関先で倒れた。年の瀬も押し迫った寒い日の夕暮れだった。
救急車で救急病院に搬送された後、一定の処置を終え、容体急変時はまた救急車を呼ぶようにとのことで、一旦、翌日入院の準備のため帰宅した。
その日の深夜、ばあ様の寝顔がかつて見たことのない、血の気の引いた死人のような顔色だった。
医師から聞いた時の記憶では、重度の血圧低下と脈拍数40前後まで落ちていたのだ。
僕の心は不安の嵐であふれかえっていた。どうか死なないでほしい。死なないでくれ、死なない