離島フェチの私が唸ったトカラ列島の話~平島・前編~
昨日の悪石島からハシゴで行った平島(たいらじま)のお話。
悪石島も離島フェチ心を十分すぎるほどくすぐる島でしたが、それを越えてきたのが平島。
ベストキングオブザ離島の栄冠を私の中で欲しいままにしています(嬉しくないか笑)
今日はそんな平島での出来事をご紹介します。
悪石島を出発する朝、フェリーの小宝島出発を知らせる放送を待った。
説明しよう!
トカラ列島は全部で7島あり(無人島を除く)、フェリーは
鹿児島→口之島→中之島→諏訪之瀬島→平島→悪石島→小宝島→宝島→奄美大島
と渡ったあと、奄美大島からターンして今度は逆に渡るのだ。
昨日悪石島に来るのに使った便が、今日奄美大島から戻ってくる。(上り便と言う)
そして、島の中では
「ただいまフェリーとしまは小宝島を出発しました。悪石島到着予定は何時何分です」
と言うような防災無線が、フェリーが島を発着する度に流れる。
定刻通りだとしたら6時頃「小宝島を出発し…」が流れるはずなのだが。全く流れない。
防災無線が流れたのは7時になってからだった。1時間遅れの運航…海がシケている証拠だ。
荷物をまとめて、港へ向かう。
港に向かう途中、ガジュマルで記念撮影!オレンジの斜めバッグを掛けてるのが私、分かるかな?(笑)
平島まで1時間…酔わないだろうか…
幸い今まで船酔いをしたのは対馬へ大シケの中で渡ったときだけだったので、弱い方ではないと思うが、それでも不安だった。
よし、ずっと甲板にいよう。風に当たってた方が酔わない気がするし。
船に乗り込むと甲板に座り込んだ。
軽めに波をかぶりながらなんとか酔わずに平島に着いた。顔がしょっぱい…(笑)
平島に着くと、昨日のトラックのおじさんの友達と言う宿のご主人が迎えに来ていた。
杖をついている。片方の足だけサンダルをはいてるところを見ると老化じゃなくてケガか。
話題にするのも変なので特に触れなかった。
平島は悪石島と比べてかなり小さい島で、標高も半分しかない。
歩いて回るにはぴったりの島だ。
そして、竹が繁りまくってることもないので、ほとんどの場所から海が見える。
後で知ったが、平島はトカラ列島で唯一、トカラ全島を肉眼で見られる島なのだそうだ。晴れてれば、だけど。
驚いたのは悪石島には全くなかった釣り船が何隻も港に泊まっていたことだ。
宿に向かう車の中で「悪石島は畜産と観光が9割と聞きましたけど、平島は漁業も盛んなんですねー」と発言したが
宿について後悔。宿の廊下一面に魚拓や魚獲ったどー的な写真が貼られていた(笑)
すみません漁業もじゃなくて漁業メインの島だったんですね本当にすみません
お昼まで二時間ほどあったのでブラブラお散歩へ。
歩いてみて、地図の縮尺が悪石島と全く違うことがわかった(笑)歩きやすい!
午前の2時間ほどで、だいたい島全体の感覚はつかめた。
これなら2日あれば全部回れる!…むしろ余るかも(笑)
お昼。宿のご主人の「お昼できたよー」の声で食堂に行く。
「おぉ…これは…すみません!スマホ取ってきます!」
食べる前にパシャリ。飛び魚の天丼なんてまさに「島メシ」って感じだ!
私以外に宿泊してる人は水道工事の人や看護師さん、そして釣り客。観光客は私だけだった。
「やっぱり東京の人は食べる前に写真撮るんかい(笑)」と周りの人たちにいじられながら
「美味しそうだから撮るんです!いつも撮るわけじゃないです!(笑)」となぜか言い訳をしたりして(笑)
美味しいご飯を食べて満足、そして午後はトカラ列島全島が見えると言う展望台に出掛けた。
しかし行ってみてビックリ。まさかの立ち入り禁止(笑)
展望台に近付いてみると確かにところどころヒビが入っていて、登って壊したら大問題だし…と、台には登らず、周りから景色を眺めるに留めた。
海がおそろしく美しい。これだけでも離島の醍醐味。
悪石島、諏訪之瀬島は分かったが、他の島は分からなかった。
展望台に行って戻ってきてもまだ14時過ぎ。
よし、じゃあ次は千年ガジュマルを見に行こう!とテクテク歩き出した。
歩き進むにつれて山は深まり、海も見えなくなった。
確かにこの道で合ってるはず…と不安になってると、道の上を凄い素早さで生き物が横切った。
え?何?誰?
横切った先の竹藪を覗くと…
イタチ?的なものと目が合った!
写真とらせてねー…怖くないからねー…と言いながらそっとデジカメを取りだし、なんとか激写!
小せぇ泣
まぁ逃げられないように距離を保ってたからね…仕方ないよね…
バイバイ!また会えたら会おうね!と手を振って先に進むと
「源太郎峠」と看板が。
地図には載ってない地名ですが(笑)
この峠から名前をとって、先ほどのイタチらしき子を「源ちゃん」と勝手に名付けました。
そこから先にさらに進むと
「千年ガジュマル」と看板が…
え?どれが?つーかこんな急に来るの?(笑)
道から山にザクザク入っていくと
即ありました。千年ガジュマル(笑)
こんないきなりあるのか…もう少し険しい道のりの方がありがたみが…(笑)
しかし、すぐたどり着けるとはいえ流石は千年。周りの木々もとても神々しくて、気付けば「ほえーっ」とため息をつきながら写真を撮りまくっていた。
木々の迫力に圧倒されながらしばし時間を過ごし、また散策に戻った。
島の上半分をぐるっと周り終えて、見覚えがある景色のところまで戻ってきていた。
そこで、たくさんの葉っぱを抱えているおばあさまに遭遇。
「あれ、どこから来とう?」
観光で来たこと、横浜から来たこと、民宿に泊まってることを話したら
「その民宿は息子がやっとるけん(笑)」
おかあさまでしたかー!!(笑)
大量に持ってる葉っぱは「かっちゃ」と言って、お団子を包むのに使うそう。
「普段ならお茶でも、と言うところだが今日は団子を作らんといけんから…残念やけえ」
明日までにたくさん作らないといけないらしく、大忙しだそうで慌てて家に戻って行かれた。
陽がだいぶ傾いて夕陽が見られるかな、と道端でスタンバイしていたが
雲が出てきて夕陽は見られず、宿に戻った。
夕ごはん。相変わらずご飯が豪華で写真を撮る私、それをいじる周りの人(笑)
「今日はどこ見てきとうと?」
「展望台と、千年ガジュマルと…」
話していて、水道業者のおじさんからあの単語が出た。
「穴口ば行かんと?」
穴口。平島一番の観光スポットと言っても過言ではない。
自然に出来た岩の窪みに満潮時に海水が溜まり、干潮時にプールのようになるのだそうだが、その色がとても綺麗なのだそうだ。
そしてそのすぐ近くには、かつて平家の落人が逃げてきた際に隠れるのに使った洞窟があるらしい。しかし、、、
「ここ、道がないんですよね?」
地図には道はなく、だいたいの位置しか書いていない。
「岩づたいに行くところもあります。足下に注意!」なんて書かれていて、一人で行って万が一波にさらわれたら、助けを呼ぶ人がいないから誰も気付かず時間が過ぎてしまう。
誰か一緒に来てくれれば行けるけど…
「ご主人に頼んでみい」
水道業者のおじさんはそう言って焼酎を飲み干した。
いや、ご主人足ケガされてるし…でも、一人で行っても危なくない場所なのかどうかだけ聞いてみようか…ご飯を食べてから、お話に行った。
私「明日、穴口に行こうかと思うんですが、浜からどのくらいで行けますか?あと、道が無いようなんですが、一人で行っても場所は分かるのでしょうか…」
ご主人は明日の干潮時刻を確認すると、しばらく「うーん」と考えていたが
「一人で行くのは問題なかと、今まで何人も一人で行っとうし…ただこないだの台風で獣道が崩れとるかも…」
「浜からは10分もあれば行ける、道は無うが、岩づたいに行けば間違いなく着く。干潮は正午過ぎだから午前に行くのは問題なか、」
「足をケガして無ければ案内するんだが…よし、浜までは車で連れとう、そのあとは後ろから見とうけん、行く方向間違ったりしたら大声で合図ばするし、獣道が無くなってたりしたら戻ってきんさい」
やった!
私は「ありがとうございます!」と言うと「お礼の気持ちです!」と夕食後の食器洗いをした。
ご主人は「珍しいお嬢さんだねえ」と笑っていた。
寝る前。外に出て、まるで誰かが電飾つけた?と思うくらい空にぎっしり詰め込まれた星を見ることも、もちろん忘れなかった。
波の音に満天の星。これ以上の贅沢があるだろうか。
さあ明日はついに穴口に!
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(平島の魅力は1つの記事には書ききれなかった!)