見出し画像

漫画・アニメ(バトルもの)の女性キャラの戦闘服について、一女性の意見

最近、特に大学に入ってから、高校生の時までの自分と違って大きく捉え方が変化したものがある。

それは、フィクションの世界とジェンダーの問題の関係性のことである。

ここでいうフィクションとは、映画、漫画、アニメ、ドラマなどこの世の創作物の全てを指すのだが、範囲が広すぎるので今回はバトルものの漫画・アニメと、ジェンダーの問題について見ていく。そもそもこの議題の発端は、バトルものの某アニメ・漫画を観て、男性キャラクター(推定10代後半~20前半)と共に、あるいは敵対関係にある女性キャラクター(推定10代後半~20前半)が刀なり魔法なり機関銃なりで戦うシーンで何気なく目に入った服装である。

何で、女性キャラクターの戦闘用の服装は露出が高いのだろう?

大きな胸を曝け出し、ミニスカートorショートパンツで華奢な足、丸みを帯びたお尻が強調されている、女性キャラクター達。(※全てではないが、傾向として。)

彼女たちは美少女であったり、美女であったりするのだが、そしてそれぞれに優れた戦闘能力があり、物語で重要な役割を担うことも多いのだが

その恰好、戦いにくくない?

と単純に疑問に思ったのだ。筆者には戦闘経験は皆無だが、印象として。

一方、男性キャラクター達は上半身も下半身も胸や足、お尻を強調するような服装はしていないことが大半で、鎧なりプロテクターなりで保護されていることが多い。少年後期~青年期の男性が半ズボンやショートパンツをはいている姿はほぼない。露出部分の多寡の点からいえば、男性キャラクターの方が安心して見れるし、動きやすそうだし、ケガもしにくそうだ。

勿論、作品によっては女性キャラクターも鎧などの体を保護する装備を合わせて身に着けているものもあるが、なぜ露出部分は基本的に変わらないのか。あるいはチラリズム?または体の線を強調するような伸縮性があって薄くてすぐに破れそうな服装なのか。

もし、戦闘場所が緑の多い森林地帯とか、障壁一つない砂漠地帯とか、瓦礫の山とか、物騒なところだったら、そういった服装は果たして彼女たちをきちんと怪我から守ってくれるのだろうか。私は、そうは思わない。彼女たちに扮したコスプレイヤーを見ると、二次元から三次元になるとまざまざと感じる。えー!!〇〇ってこんな感じなんだ!自分だったら(実際着ないが)胸元とか足とか気にして戦いに集中できない、そう思ってしまう。

さっきから、何をフィクションの世界に真剣になっているのだ、と思う人もいるかもしれない。私も、フィクションはフィクションと割り切れば良いじゃない、と思わなくもない。しかし、気になってしまうのだ。

それは多分、そのようなキャラクター造形をされている彼女たちと、現実世界の女性たちの描かれ方(メディアなど)が無関係ではないからだと思う。両者とも、女性が客体化されている、ということだ。つまり、戦いにおいて本来なら攻撃からの防御を優先すべき服装で、セックスアピールに近い露出の服装になるのは、一体何の為か。誰の為なのか。戦いの最中に敵を誘惑する必要はないのに。

それは男性のためだろう。男性にとっての目の保養、ではないのか。

また、現実世界の、例えば女性アナウンサーは、報道の仕事なのになぜ若くて容姿が整っていて、いわゆる清楚系の人ばかりなのか。一方、男性アナウンサーは容姿では印象に残らないのに。情報を正確に、公平性をもって伝えることが重要視される仕事において、なぜ女性は美人でなければならないような印象を与えるのか。

それは男性の需要が多いからではないのか。目の保養的な意味での。

そこで考えてしまう。現実世界でもフィクションでも、「女性」は男性から鑑賞されるような立場、描かれ方をしているのではないのか、と。そこは変わっていないのではないのか、と。

そもそも人はフィクションの世界に、現実世界からの逃避というか、現実世界にはないユートピア的なものを求めている部分がある。(逆に現実世界に対する批判・風刺を求めることもあるが。他にも色々。一概にはいえない。)

だから私もその魅力からフィクションの世界に、媒体は漫画、アニメ、小説など様々だが惹き込まれ、夢中になっているのだ。私がそこに、現実にはない、男女平等・多様性が達成された世界を夢をみているから。

しかし、これまで述べてきたように、実際はそうでないことも多い。だから、違和感を覚える。勿論、露出の多い服を着た、可愛い女性キャラクター達に夢を持っている人もいるだろう。製作者側、視聴者側の夢と理想が詰まった世界なのだろう、それは。その人たちを否定する訳ではない。ただ、そういったフィクションの世界にすんなり溶け込めない、違和感を持つ人たちがいることも忘れないで欲しい。

ただし、現実世界における既存のジェンダーロール、実務とは関係のない女性の容姿・服装の要求は改善しなければならない問題であることは変わりはない。女性の容姿・服装は男性にその優劣をジャッジされるためにあるのではない。それらは自分のアイデンティティの一つであって、全てではない。だから、先ほどの女性アナウンサーは、能力は能力として評価されることが大切だと思う。

さらに欲を言えば、ジェンダーロールに囚われず、容姿も多様で、露出部分の少ない戦闘服で戦うような女性キャラクターが出てくるフィクションの世界を求む。そして、私もそのような世界を創り出せるようになりたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?