子供にイライラしない、ギリシャ式魔法の言葉
朝から食事準備や洗濯掃除と、母親業とは修業の様な毎日で、睡眠不足や疲労から、家族にイライラする事も多々ある。
この夏のギリシャにて、先輩ママ達から幾つか学んだので記録をしてみようと思う。
■魔法の言葉『ゼン ピラージ』とは
それは友人家族とのビーチレストランでの出来事だった。気になる物を見たくて立ち上がった、小学生低学年の友人の子がテーブルに体をぶつけ、飲み物が入ったカップを一気に倒した。
一通り見ていた私たちは、何となくそんな予感がしていたし、本人は「やってしまった」という顔をした。
それに対し、ティッシュを取り出す彼の母は、顔色一つ変えずにこう言った。
『ゼン ピラージ 気にしなくていいよ。』
一瞬、これだで済むのか?と疑問にも思ったのが本音だ。日本人なら、いや少なくとも私の両親ならば、「注意不足だ」などと言って厳しく叱るだろう。
そして叱った方も、イラっとした気持ちが多少なりとも残るだろう。特に疲れている場合は。
子供を甘く育てているのかなとも思ったが、別の友人家族でも同様の事柄が起きた時、親は同じ様に「ゼン ピラージ」と言った。甘やかして育てていないのは知っていたので、ここでもかと驚いた。
■本人がしてしまった事を理解しているのであれば、あえて叱らない
事を起こしてしまった子供が、やってはいけない事と理解しない場合は、親が注意と共に叱るのは共通だ。だが本人に状況を理解している様子があれば、親は叱らずに流す事で、子供を余計にナーバスにさせないのが、ギリシャでは一般的な様だ。
親も子供も不必要なイライラを抱えずに済む、ギリシャのゆったりした生活が反映している様にも思えた。
■親は「気にしなくていいよ」と声に出す事で、穏やかさを保てるのかもしれない
手掴み食べ練習中の我が子は、力加減が分からないのか、時々パンを投げてしまうことがある。いつもならば「食べ物を投げないの!」っと言ってしまうが、今回は投げてしまったパンを悲しそうに見つめる様子を見て、思わず「気にしなくていいよ。大丈夫。」と言ってみた。
すると、まるで自分に言い聞かせている様にも思えてきた。こんな事ぐらいなんでもない。さっさと散らばったパンを拾っている自分がいる。
子供も笑顔でご飯を食べている。いいことだらけではないか。
頭の中では子供だからと理解していることも、疲労や睡眠不足が続くと感情のコントロールが効かなくなってくる。細かい事まで目についてくる。
でも叱る前に一度立ち止まって、流せる事ならば「気にしなくていいよ」と声にしてみてほしい。きっと自分自身の心の健康のためになるから。