僕の人生は右肩上がりに⁉️向かった、、、と
前回から、、、
取締役副社長(代表権なし)
週休2日
会社のLR(レンジローバー)を個人使用
月給100万円(ボーナスもありましたが思い出せません)
間違いなく人生が一変する条件でした。
返事をするのに確か1日あけたと記憶しています。
ちょっと見栄を張ったのだと思います。
当時バブル景気とはいえ、大手商社や金融機関を除けば30代のサラリーマンの
給料100万円、年収にすれば1200万円超えは相当に高かったはずです。
しかもちっぽけな会社の1社員です、、、
普通なら、どんな働きをするのかも分からない人間によくそんな条件を提示したものだと疑ってかかるのでしょうが、僕は有頂天になったわけです。
もちろん妻も有頂天でした。
そしてその年の12月に僕はその会社に、小さなちいさな会社に転職したのです。
美味しい話にはやっぱり棘があるのか
至極あたり前のことですが、入ってみてわかる事や“えっ”て思う様なことが一つや二つはあるものです、、、。
この会社の決算は7月。
規模の割には大きな利益を上げていることもあり、会計士がちょくちょくと顔を出して各数字のチェックをしているのですが、ここで大きな事件というか不穏な空気というか、、、とにかくザワつく事実が判明したのです。
この会社は現社長が設立したわけではなく、元の夫K氏が設立し代表取締役として運営してきた。
そういった会社の生い立ちを僕はその際に初めて知ったのです。
それは別にいいのですが、このK氏が一脱したほどの曲者だったわけです!
この後直ぐにお会いする事になるのですが、その時にかけられた言葉を僕は今でもはっきり覚えています。
“君が新しい男なんだ、、、頑張ってね”
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
判明したザワつく事実とは何か、、、。
この3ヶ月前のこと、会社の準備金からK氏に退職金として1億円近いお金が支払われていたという事です。
それがこの度の会計士のチェックで明らかになったのです。
要求する方も方なら黙って支払う方も方です。
これには僕も驚きましたし、会計士も怒っていたのを憶えています。
第一、税務上の問題はないのか、、、
さらに、僕にとってとても不安な事実が判明した。
僕にとってもっと不安な事実が判明したのです。
この会社の売上の主たるは、都内にある大手の美容商材問屋1社に委ねられていたのですが、この商いの仕組みを初めて会計士から知らされたのです。
端的に説明するとこうです。
売上は卸ベースの数字で計上され手形で毎月決済される。
これ自体何ら問題ありません。
問題は、実質の売上が消化ベースだということ。
売上は先に決済するが返品はいつでも宜しくね!という訳です。
そういった契約が締結されていたのです。
仮に、問屋から取引停止がされたとしますと、その時に問屋が在庫している商品全てが返品される。
一旦は売上として手形決済されていても、返品は受けなければならない。
売上を返さないといけないということです。
取引継続の判断は全て問屋側に一任というか一方的に問屋の判断に委ねられているというものでした。
またこれは問屋だけの問題では無く問屋から卸されている全国の販売店全てに同じ事が言えるのでした。
ちなみにこの時、この問屋を経由して卸されている末端の販売店舗数は全国で800を有に超えていたのです。
更に恐ろしい事に、どこにどれだけの在庫があるのか、、、
こちらでは一切把握できていないという事でした。
普通なら、我が社の営業が店舗に出向いて在庫整理やチェックを手伝い正確な在庫数を把握する必要がある、という業務が必須なのだそうですが前社長であるK氏が一切それに手をつけていなかった、、、しかも敢えて。
考えてみればおかしかったのです。
IT化が進み、人の介入が断然と減った今ならともかく、まだまだそんな時代ではなかった当時、全国に800にも及ぶ販売店で自社商品が販売されているのに営業がたった一人だなんて、、、。
K氏は人件費を抑え込み、駐車場に並ぶ高級車を始め生活費も何もかも経費扱いとし役員報酬で私服を肥やしていたわけです。
ある意味実に優秀なのかもしれませんが、K氏の経営手段は目に余るというか違法性すら疑いたくなる傍若無人ぶりだったのです。
そしてその一つの象徴であるレンジローバーは僕の自宅の駐車場にあり、妻は自由にセレブ気取りで走らせていたわけです。