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ゲームをプレイしました: 東方ダンマクカグラ ファンタジア・ロスト


どういう記事か

ゲームで遊んでの感想とか付随して湧いた考えとかを書きたい時に書きたいやつだけ書く自己満記事である。ありとあらゆるゲームをやりつくしているエキスパートでも何でもないただの一般人が適当に書いている代物なので、あてになるかは保証しない。
前回までの記事は以下のとおり。

本作は2024年リリースの東方Project公認二次創作リズムゲームで、2021~2022年に稼働していたソシャゲである東方ダンマクカグラのスタンドアロン版である。なんやかんやあって荒廃した幻想郷とされる場所で東方シリーズ主人公の博麗霊夢とされるキャラクターが幻想郷で流行っていたとされるダンマクカグラという遊びであれやこれやするゲームとなっている。

なお、筆者は東方厨でありかつ(元)音ゲーマーである関係上、東方の音ゲーである今作については東方と音ゲーの独自の概念や専門用語をふんだんに使って書くため、両者に馴染みのない方にとっては読みづらいかもしれないがご容赦いただきたい。いちいち注釈をつけてもいいが正直面倒だし、そもそもわざわざこの記事を読むような層は東方厨か音ゲーマーかその両方しかいないだろうから問題ないだろう。

というかお前音ゲーやめたんじゃなかったのかよ。うるせえぞボケ。

総評

思ってた数十倍ちゃんとした音ゲーしててウケる。東方というコンテンツで間口を広げている感を出してはいるが、音ゲー自体としてはキーボード操作が前提のデザインで、弐寺やDJMAXを彷彿とさせる硬派な落ち物系となっている。譜面構成も分かってる感というか、キー音ありであればこういう鳴らし方をするだろうなという納得感のある配置である場合が多く、良譜面が多いと感じる。DLCによる曲追加も相まって、曲や譜面傾向、難易度のバリエーションも豊富だ。音ゲー単体としてやり込みが成立するレベルでまとまっている作品ということができるだろう。
ストーリーとシューティングパートはだいぶ大味なので、良くも悪くも完全に音ゲーが本体といった印象のゲームだ。修行僧みたいに音ゲーと向き合うのが苦にならない、というかそれがしたいタイプならいいが、そうでないならすぐにしんどくなるかもしれない。同時に、音ゲーだけがやりたいストーリーなんぞ全く興味ないという場合も少々まだるっこしく感じるかもしれない。そのあたりの割り切りが必要なゲームといえるだろう。

ストーリーモードについて

このゲームを購入して最初に進めることとなる基本モード、ストーリーモードについてまずまとめておく。ざっくり言うと、幻想郷の各地域(だったもの)ごとにダンマク(シューティングパート)カグラ(音ゲーパート)のミッションが複数発生し、それらのギミックや特定の成功条件を満たしながら東方キャラの自機を入手したり、ミタマカード(ソシャゲ風に言うとサポートユニットみたいなやつ)を集めていき、一定数集めるとその地域のストーリーが進む、てなのを繰り返す感じだ。それ以上でもそれ以下でもない。多少の攻略順のチョイスこそあれど、大胆なストーリー分岐やドラマチックな演出などもなく、淡々と進んでいく。
ミタマカードにはそれぞれ属性(三すくみで有利不利がつく)とスキル(装備するとスコアアップとか、敵に与えるダメージアップとか、ステージのギミック無効とか)があり、ステージごとに定められたミッションなどに応じて装備するミタマカードを切り替えながら課題をこなしていく。初見だとちょっと何が起こっていて何をしなければならないのかわかりづらいが、システムを理解できれば特に詰まることもないだろう。

ストーリーは総評でまとめたとおりだいぶ大雑把な出来というのが正直なところだ。アッと驚くような演出やストーリーの節目も特になく、可もなく不可もなく、まあそうだよね、という感じで進行していく。一応東方の公式という枠組みのゲームではあるが、あくまで公認二次創作ゲームであり原作との直接のつながりはないため、そういう意味でも過度な期待は禁物だ。まあさすがに神主の監修は入っているだろうけど。よう知らん。
一応人気主要キャラは一通り登場し、Live2Dアニメを用いた軽い紙芝居みたいなものがちょいちょい挟まり、キャラ同士の掛け合いが発生したりはする。特定の東方キャラに強い思い入れのある誰かさんみたいな人なら、そのキャラが準公式の場でちゃんと喋るという供給があるだけでも一定の価値はある気がする。逆に言えば筆者にとってはそれくらいしか印象に残る場面はなかった。
ストーリーの完全なネタバレになるので詳しくは言わないが、本作のストーリーは一つの大きなタネがあり、それありきの展開・メッセージ性になっている。そういう意味でも、幻想郷で実際に起こったことを描写しているという設定の原作や公式書籍などと同じ枠組みで本作のストーリーを捉えようとするのは無理があるだろう。

ダンマクカグラの”ダンマク”の部分について

本作のストーリーモードでは先述の通り、音ゲーとともに”ダンマク”と称されるシューティングパートのステージも存在する。ここでは自機(最初は主人公の霊夢のみで、ステージをこなしていくと増える)を操作して弾幕シューティング風にボスの撃破を目指しつつ、同時に軽い音ゲーみたいなのもこなしていく感じのデザインになっている。
こう書くとめちゃくちゃ複雑そうだが、実際はかなり大味な出来で、そんなに細かいことを気にしなくても何とかなる、というか何とかなってしまう程度のものとなっている。シューティング部分にしても東方原作のような1hitでアウトになるタイプのやつではなくライフゲージ制かつ複数残機の持ち込みが可能なうえ、基本的にはステージ上のガイドみたいなものに沿って動かしていれば敵弾を避けられるような作りになっている。音ゲー部分も基本的にはシューティング操作が忙しい時にはノーツは降ってこないし、なんなら全部全押しで誤魔化したり半分くらいノーツを無視したところでクリアには何ら支障はない。
一部の高難度ステージでは自機をちゃんと動かさないといけない場面でも遠慮なくノーツが降ってきたり、ミッション達成条件がやたら厳しかったりするようなのもあるが、そこはステージに合ったスキルを持つミタマカードを装備し、ちゃんとレベルを上げておけば問題ない。むしろミタマカードの育成度合いと編成の仕方で8割決まるような感じなので、編成のやりくりで試行錯誤してぶつけるのがゲーム性の根幹みたいな考え方でもいいだろう。

いずれにせよ、完成度の高いシューティングx音ゲーの複合ジャンルゲームがやりたいならゲーセン行ってオンゲキをやればいいし、もっと硬派な弾幕シューティングをやりたいならおとなしく東方原作を買うべきだと思う。”ダンマクカグラ”というタイトルからするとダンマク部分は音ゲーと並ぶ二大目玉要素みたいに見えるが、実際のところほぼオマケみたいな要素ととらえておくのが吉だ。

ダンマクカグラの"カグラ"の部分について

実質的な本作の本体であるところのカグラ(音ゲーパート)についてだ。本作はレーンごとに曲に合わせてノーツが降ってくるオーソドックスな音ゲーの方式が採用されており、BEMANIシリーズをはじめBMSやDJMAXなどのプレイ経験がある音ゲーマーならすぐに親しめるゲーム性となっている。書き下ろしの楽曲や東方原曲、昔ニコニコで流行っていた有名アレンジやコラボ楽曲なんかも登場し、そいつらに合わせて手元のキーボードだったりコントローラーだったりをカチャカチャとシバく形になっている。
総評でも述べたとおり音ゲーパートの完成度はかなり高いと感じる。楽曲提供者やクレジットに表記されるスタッフの名前を見ても音ゲーを長年やっていればピンとくる名前がちょいちょい登場するし、ちゃんと音ゲーを"わかってる"人が作っているということが察せられる。例としては楽曲のチョイスや譜面構成はもちろんのこと、ハイスピ、サドプラ、ミラーやランダムといったオプションの充実や、ノーツの種類切り替えができて露骨に弐寺っぽい形状に変えられたり、リザルトで細かい判定分布が表示されたりなど、熟練の音ゲーマーが欲しがる要素がちゃんと入っている。痒い所に手が届く感じだ。欲を言えば、あとレーン背景を完全に真っ黒にする機能と、キービームを薄くand短く表示するようにしてくれる機能があったら本当にありがたいが、贅沢を言ってはいけない。
このゲームの判定は現在はだいぶ甘く、体感としてはチュウニズムくらいかもうちょい甘いくらいで、ALL BRILLIANTくらいなら結構気軽に狙えていける感じとなっている。リリース直後は今よりもずっと判定幅が厳しかったらしく、現在もエキスパートモードというオプションをつければこの判定幅を体感することができる。こちらは弐寺と同じか若干厳しいような体感で、こういったせませま判定のゲームでカチカチのスコア狙いをするのもヒリヒリしてて楽しいが、まあ大衆受けという意味でも今の判定がちょうどいいくらいなんだろう。どうせならエキスパートモードをつけて出したスコアを別でちゃんと管理してくれるようになってくれればこちらをやり込む理由にもなるが。

この音ゲーパートは先述のストーリーモードでも遊んでいくことになるが、そちらの攻略が済んだら基本的にはフリーモードという好きな曲を好きなだけプレイしていくモードで遊んでいくことになる。ストーリーモードではステージごとにスコアが特定条件で増減したりハイスピが固定されたり譜面が見えづらくなる霧が発生したりといろいろなギミックが登場し、それに対して判定幅拡張だったりギミック無効だったりといった機能を持つミタマカードを装備してそれらに対抗していくといった感じのゲーム性だが、フリーモードでは余計なギミックやスキル装備なんかを考えることなく、ストイックに音ゲーを延々プレイしていくものとなっている。どう見ても弐寺オーソドックスな曲一覧画面から遊びたい曲を選び、オプションを指定してプレーして、出来に一喜一憂する、その繰り返しである。
曲解禁イベントだったり段位認定モードみたいなのとかも特にないので、自己ベストスコアやクリアランプの充実をモチベーションとして修業に明け暮れるのをどれだけ楽しめるかというところで、このゲームの評価が決まることになりそうである。音ゲーは上手くなることが全てとはいえ、せっかく東方の公認二次創作ゲームなんだし軽いミニシナリオみたいなのがあってくれても嬉しいんだけどね。

音ゲー部分の難易度だが、これもかなり歯ごたえがある。譜面は低難度から高難度まで幅広く、最高難度の楽曲群に至っては発狂BMSかよみたいな分量のノーツが降ってくることになる。先述のとおり今の判定はだいぶ甘いのだが、それを補って余りある難度の高さである。まあこういうゲームにおいて高難度の曲がクリアできなかったとてどうということはないし、いい成果を出してイキろうとしたところでネットを探せば何故かリリース一週間後に当時の激辛判定で最高難易度曲をALL BRILLIANTでクリアしている動画が見つかったりするので、他者との比較はそこそこにしつつ、うまいこと目標付けをしてモチベーションを内在化させるようにするのが吉だ。

まとめと余談

思いのほか完成度の高い音ゲーがメインディッシュで、おまけとしてストーリーとシューティングがついてくる感じのゲームである。せっかくの東方Project公認二次創作ゲームなのにストーリー部分が程々の出来なのは東方厨的にはちょっと寂しいが、音ゲー部分が十分やりごたえ抜群なのでまあしばらく楽しめそうである。やりごたえ抜群です。
とはいえ、東方ゲーなのにやることは音ゲーばかり、音ゲーなのに無駄にストーリー読まされたりシューティングやらされたりする、というミスマッチは発生しそうな感じなので、その辺の割り切りが必要な作品ではあるかもしれない。購入するならばどういうゲームなのかは前もって把握しておこう。

個人的には2月末にモンハンワイルズが出るのでそれまでの暇つぶしとして本作を買うことにしたが、その役割は十分以上に発揮してくれそうである。本文では書いていないが多くの楽曲追加DLCが配信されており、曲や譜面、難易度のバリエーションも多く、スコアやクリアランプ詰めでしばらく遊べそうだ。
しかしこうなってくると(元)音ゲーマーとしての性で、プレイ環境を向上させたくなってしまう。下記の記事で書いたとおり最近キーボードを買い替えたのだが、タイピング用としては申し分ないものの本作のような音ゲーをやり込むとなると操作性があまり芳しくない。

まあ流石にお高いキーボードを買ったばかりということもあるし、ここにきて音ゲーのためだけにゲーミングキーボードを新調するなんて馬鹿げている。あくまで本作はモンハンまでのつなぎとして買ったのだから、良識ある大人としてそれ相応の……

なんだこれは(なんなんだこれは)

バカがよぉ!!!

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