近畿地方会

近畿地方会で久しぶりに症例報告の発表させていただきました。自分にとって一番大きかったのは、最初の症例選びと要旨を初めて自分で考えられたということです。研修中は「この症例で発表したら?」「考察○○○と言えば?」のように症例選びや論旨は上級医からほとんど与えられた状態でそれを自分なりに咀嚼して発表していたイメージでしたが、今回は何がtake home messageかある程度自分でも考えてから皆さんにご意見いただきブラッシュアップして臨むことができました。また、恩師の先生に久しぶりにお会いできて、質疑応答にて重要なご指摘をいただけたことも大変嬉しく思いました。

また、昨年に引き続き今回も後輩がimpressiveな症例報告をソツなくこなしていました。直接診療には携わらなかったですが、参考資料の探し方と表の作成のアドバイスをさせていただきました。他の科の先生も含めて当院からの発表も多かったです。

他にも内科的な勉強になりました!家庭医療・総合診療が好きですが、内科のバックグラウンドを持つものとしてbiomedicalな部分を突き詰めて考える訓練は継続して必要だと思いますので学会に参加するのは良い機会と思いました。

印象に残った点
・SFTSの報告が何例かあり、頭に入れておく必要あり
・糖尿病性胃不全麻痺→自律神経障害(CV-RR, schellong)チェックを
・結核性腹膜炎→体表から出なくても、ダグラスから穿刺して陽性となることがある(重力分布で下の方に菌が多いかも)
・心筋梗塞の合併症はポンプ機能不全、機械的合併症、不整脈に分けて考える
・冠動脈CTでPCI適応考えるようになってきた
・ACSの二次予防のLDL目標<55になりそう
・クローン病の鑑別では腸結核が重要
・潰瘍性大腸炎の鑑別では感染性腸炎が重要 便培養とCD test
・下痢がなくてもタンパク漏出性胃腸症は否定できぬ
・Mendelson症候群で必ずARDSを来すわけではない。Mendelsonだけではステロイド推奨されない。剖検例は少なく、今後の症例蓄積が必要。
・セフェピム脳症は一回目は大丈夫でも全身状態や腎機能の変化などの理由で二回目で発症することがある。平均して投与5日目。
・肺膿瘍には早期からドレナージしに行く流派と抗菌薬で治療がうまくいかない時に行う流派がある
・食道がん術後の反応性低血糖にはミグリトールを使うことがある
・結核性胸膜炎の治療後すぐに反応性に胸水が増加することがある
・免疫チェックポイント阻害薬が著効した長期生存例では二次的な発癌に注意(機序はICIそのものによるものと、他の要素で発癌するまで生存したという理由と両方考えられる)
・Candida lusitaniaeはアンビゾーム耐性あり

#地方会 #総合内科 #臨床

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