腸腰筋膿瘍疑い
急性経過の右側腹部~背部痛(体動時に増悪)でER受診。来院時、発熱あり。画像上、上行結腸にわずかに浮腫性変化と右腎周囲の脂肪織混濁軽度あり。腎盂腎炎か憩室炎か?と思って入院を切ったところ、翌日血培から黄色ブドウ球菌が検出され、腸腰筋徴候が陽性であり、現在は腸腰筋膿瘍を第一に疑っています。
画像上は腸腰筋左右差はあまり目立たないのですが、高田先生が、腸腰筋膿瘍の発症早期(<5days)での画像所見感度が低いことを報告されています。つまり発症初期に画像で膿瘍が明らかでなくても、臨床的に腸腰筋膿瘍が疑わしいときは否定できないということです。6日目以降であれば100%わかったとのことで、day 6以降に画像をフォローしてみたいなと思いました。
Intern Med. 2015;54(20):2589-2593.