蘇のカマンベールが出来上がるまで(後編)
蘇にカマンベールの白カビを付けて熟成させようという試みの後編です。
前編では、そうとうは知らず殺菌されたカマンベールを使って失敗してしまいました。
反省を行かして、今回は生きた白カビの付いたカマンベールを探すところからです。
ところが、普通のスーパーに並んでいる商品はことごとく包装後加熱済と記載されている、殺菌されたカマンベールです。
やはり安く安定した品質のものを量産するには殺菌した方が楽なんでしょうね。
ということで、次はネット上で探します。
そこで辿り着いたのが「北海道クレイル」というところのカマンベールです。
こちらのチーズは白カビも乳酸菌も生きていて、時間が経つにつれて熟成が進み味の変化が楽しめるチーズとのこと。
実際、カットしてもしばらく経つと……
このように断面が白カビに覆われてきます。
余談ですが、クレイルでは珍しい直方体のカレとよくある円柱形のロワレという2種類のカマンベールが販売されています。
カレは脂肪分が少なくあっさり、ロワレは生クリームを使ったこってりしたチーズです。
両方注文して食べたのですが、どちらも大変美味でした。
閑話休題、こうして生きたカマンベールチーズも入手できたので、再び蘇のカマンベール作りです。
まずは牛乳に塩を入れて煮詰め…
これにカマンベールの皮を貼り付けます。
これにラップをしてしばらく放置。
4日経ったのがこちらです。
5/3に仕込んで5/7にはこの状態。
白カビが元気に育っています。
仕込んでから1週間弱経った5/9にはこの通り、全体が白いもふもふに覆われてきます。
さらに待つことおよそ1週間……
5/15には、このように真っ白なもふもふに覆われた、見事な蘇マンベールができました。これは味も期待できそうです。
(妙に切り立った断面になってるのは、途中で待ち切れずに味見したためです。でも断面にもしっかり白カビが回ってますね!)
早速スライスして頂きます。
もぐもぐ…
うん、これはいいですね。
表面の白カビの風味は好みの分かれるところでしょうけど、その下の硬くなった層は香ばしいような風味があります。元ネタの記事では「ナッツのような」と表現されていましたが、確かにそれも分かる気がします。
中はほんのりした甘味と塩気、チーズのような濃厚なコクがあります。
元の蘇はどちらかというとお菓子感覚で食べたくなる味に対して、こちらはお酒が飲みたくなる味です。
白ワインはもちろん、キリっとした日本酒も合いそうです。
ということで、殺菌済みのカマンベールを使うという失敗を経てできあがった蘇マンベールですが、良い味に仕上がってくれました。
蘇自体は多少の手間はかかりますが簡単に作れますし、その後は放置するだけでできあがります。
コロナの影響で出かけにくい日はしばらく続きそうですし、皆さんも、生きたカマンベールを手に入れて蘇マンベール作りに勤しんでみてはどうでしょうか?